ドキュメンタリー:COVID-19とサイバー犯罪

コロナ禍において医療機関等へ向けられるサイバー攻撃の実態と、これに立ち向かう人々の姿を描く、Kasperskyオリジナルのドキュメンタリー。

サイバー犯罪者は、危機や難局をチャンスと考えます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミック状態にあるとの認識を世界保健機関(World Health Organization:WHO)が示した今年3月以降、サイバー攻撃は急増しました。Kasperskyは、Webマガジン『Tomorrow Unlocked』にて、コロナ禍におけるサイバー攻撃の実態と、これに立ち向かう人々の姿を描くドキュメンタリーを公開しました。

このドキュメンタリー『Ha(ck)c1ne』は、取材班が世界各地の病院や医療機関、法執行機関、調査研究機関を取材し、2話から成る短い映画にまとめたものです。

危機にさらされる医療機関

第1話(Ha(ck)c1ne: Healthcare on the Edge)では、医療現場の最前線を狙うサイバー攻撃と、これに立ち向かうサイバーコミュニティの姿が描き出されます。チェコ共和国のブルノ大学病院は、ランサムウェア攻撃により、院内のITネットワークが停止を余儀なくされました。同病院は、COVID-19の検査を実施するチェコ国内有数の医療施設であり、医療行為を止めるわけにはいかない病院事情につけこむ犯罪でした。

こうした中、医療現場のシステムを守るために行動を起こした人々がいます。3人のボランティアが立ち上げた支援団体「Cyber Volunteers 19(CV19)」は、今やヨーロッパ全域をカバーする1,000人規模のコミュニティに成長しました(リンク先は英語)。

治療情報をめぐる攻防

10月に入ってから公開された第2話(Ha(ck)c1ne: Defending the Cure)は、世界保健機関(WHO)に向けられたサイバー攻撃の実状を中心に展開します。3月以降、WHOに向けられた攻撃はそれまでの5倍に膨れ上がったと、関係者が証言しています。多様な動機に基づくさまざまな攻撃について明かされると共に、ワクチン情報をめぐる諜報的サイバー攻撃の存在を、専門家たちが異口同音に指摘します。

『Ha(ck)c1ne』予告編

水面下の活動に光を

ディレクターを務めたディディ・メイ・ハンド(DiDi Mae Hand)氏は、コロナ禍とサイバー攻撃に直面しながら医療現場を回す人々を支える、サイバーコミュニティの情熱と献身に胸を打たれたとコメントしています。「(登場する)多忙で著名な方々は、時間を割いて、経験やエピソードを共有してくださいました。そして、才能あるクルーたちは、リモートでの撮影という難行を、やりがいのある素晴らしき経験に変貌させました」「とても多くのことが、目に見えないところで動いています。この難しい情勢下でサイバーコミュニティが果たしている驚くべき仕事に光を当てることができ、心が躍る思いです」

動画は『Tomorrow Unlocked』のサイト内に掲載されています。『Tomorrow Unlocked』のYouTubeチャンネルから視聴いただくこともできます。詳しくは以下をご覧ください。

詳細

Tomorrow Unlocked

KasperskyのWebマガジン(英語)。未来志向のテクノロジーカルチャーをテーマに、動画や読みものを公開しています。これまでに取り上げられたテーマは、サイバー犯罪、仮想現実、AIとフェイクなど。

Webサイト:https://www.tomorrowunlocked.com/

YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCJv753whZjpW22UfmaJbx4Q

hacker:HUNTER

『Tomorrow Unlocked』内で展開される、Kasperskyオリジナルのドキュメンタリーシリーズ。近年悪名をはせたサイバー犯罪の事例を取り上げ、サイバー犯罪を阻止し、より安全な未来の構築を目指す人々の姿を追います。

Webサイト:https://www.tomorrowunlocked.com/guardians/hacker_HUNTER/

YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/playlist?list=PLCIzhnLJonIaHGrWy2PUcVzSEg6Wkqxg3

今回ご紹介した『Ha(ck)cine』(全2話)のほか、以下エピソードが公開中です。11月には新作の公開を予定しています。

Wannacry: The Marcus Hutchins Story

世界を混乱させたランサムウェア、WannaCry。このマルウェアの欠陥に気付き、事態の収束に大きな貢献をしたのは、英国のリサーチャー、マーカス・ハッチンス(Marcus Hutchins)氏でした。一躍英雄となった彼でしたが、ある日、少年時代に書いたコードが理由で突然身柄を拘束されます。正と邪の境界はどこにあるのか、境界があるとすれば何をもって境界と見なすのか、深く考えさせられます。全3話。

Cashing In

ATMから現金を盗み取る、大規模な国際的サイバー犯罪。背後にいるのはCarbanakと呼ばれる犯罪グループです。ATMをリモートコントロールし、ATMから現金を吐き出させて出し子に回収させる手口で、大量の現金を盗んでいました。この犯罪グループの活動を、台湾を中心に繰り広げられた逮捕劇を中心に据えて描き出します。全4話。

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