いまや「つながっている」ことは単なる習慣ではなく、生活の必須条件となっています。私たちは、ソーシャルメディアでビーチの写真を共有したり、異なるタイムゾーンにいる大切な人たちと連絡を取り合ったり、場所を問わず仕事をこなしたりすることができるようになりました。スマートフォンの安定したインターネット接続があれば、全て実現できます。
長年、海外でこのような接続をスムーズに確保する上で大きな障壁となっていたのは、高額なローミング料金と物理SIMカードにまつわる手間でした。現地でSIMカードを探し、購入し、アクティベートし、課金の方法を調べ、差し替える。その過程でメインのSIMカードを紛失するというリスクもありました。しかし、最近のほとんどのスマートフォンでサポートされている eSIM(端末と一体化した埋め込み型SIM)の登場により、物理的SIMカードにまつわる煩わしさは過去のものとなりました。とはいえ、訪問先の地域に適した、通常は1回しか使用できないeSIMをその都度探すことを繰り返す必要がありました。
新に登場したKaspersky eSIM Storeは、モバイルインターネットの常識を一変させます。世界中の現地の通信事業者が提供するモバイルデータプランを簡単に検索・購入・アクティベートできるようになります。しかも、毎回新しいeSIMを購入・アクティベートする必要がありません。一度eSIMをスマートフォンにインストールすれば、再インストールの必要なく継続して使用でき、使いやすいアプリやウェブサイトを通じて、さまざまな地域向けのデータプランを購入できます。さらに、期限なしのKaspersky eSIM Storeプランでは、購入したモバイルデータは有効期限がなく、使い残したデータ容量は次回の旅行でも引き続き利用できます。それでは、詳しくご紹介していきましょう。
eSIMとは何か?
まず、eSIM(端末と一体化した埋め込み型SIM)とは何か、従来の物理的なSIMカードとどう違うのか、その概要をおさらいしましょう。まだご存じでない方は、この機会にぜひご一読ください。
すべての携帯電話には、mini、micro、nano SIMなどの物理カード用のスロットが一つ以上あります。この小さなプラスチック片(SIMカード)には、ICチップと金属端子(実質的なマイクロコンピュータ)が組み込まれており、GSM識別キーが格納されています。これによって、ネットワークは加入者を識別することができます。SIMカードには、連絡先、SMSメッセージ、着信、発信、不在着信のリスト、および通信事業者によってプリインストールされたアプリなども保存できます。ただし、SIMカードの記憶容量は非常に限られているため、その機能には制約があります。
では、チップをプラスチック片から取り出して、直接スマートフォンに取り付けたらどうでしょう?それが2016年に登場したeSIMです。加入者を識別するデータは、製造時にSIMカードのチップに物理的に組み込まれることがなくなりました。その代わりに、通信事業者がデータを暗号化した形で加入者の端末に送信し、そのeSIMに書き込まれます。eSIMは記憶容量が大きいため、複数の通信事業者のプロファイルを保存できます。そのため、1台のスマートフォンに複数の仮想SIMを同時に持つことができます。
ただし、全てのプロファイルが同時に使用できるわけではありません。通常は複数のプロファイルを保存し、必要に応じて切り替える形になります。このメリットは、小さなSIMカードを交換する手間が省け、紛失の心配がなくなることです。スマートフォンの機種によっては、複数のプロファイルを同時にアクティブにすることができます。
最近のほとんどのスマートフォンでは、通話やテキストメッセージに使用するSIMと、データ通信に使用するSIMを選択することが可能です。これこそが、eSIMの大きな利点のひとつです。モバイル通信の高額なローミング料金を避けるには、スマートフォンにKaspersky eSIM Storeをインストールし、渡航先の国・地域を選び、プランの種類(有効期限付き、または無期限)、必要なデータ量を選択し、eSIMを購入してアクティベートします。eSIMを事前に購入した場合は、アクティベートのタイミングを設定することができます。
eSIMのインストールとアクティベーションには数分かかりますが、渡航先でも自宅でも行うことができます。この作業には安定したインターネット接続が必要なため、事前に準備しておくことをお勧めします。目的地に到着すると、eSIMは現地の通信事業者に自動的に接続します。指示に従って、スマートフォンの設定でローミングを有効にし、データ通信をeSIMに切り替えることを忘れないでください。
なお、Kaspersky eSIM Storeで購入できるeSIMはデータ通信専用であり、音声通話には対応していません。ただし、通常のSIMカードはスマートフォンに挿入しておけるので、テキストメッセージや着信通話はそのまま受け取ることができます。ローミング中は通話を控えたい場合でも、メッセージアプリ経由で折り返し連絡すれば、高額なローミング料金を回避できます。とても便利ですね!
お使いのスマートフォンがeSIMに対応しているかどうかは、Kaspersky eSIM Storeのウェブサイトで確認できます。
Kaspersky eSIM Storeの利点
Kaspersky eSIM Storeのあまり知られていない利点をいくつか紹介しましょう。
プライバシー
従来のSIMカードとは異なり、eSIMのアクティベーションにはIDやパスポート、現地の政府サービスによる本人確認は必要ありません。支払いはモバイルアプリまたは安全なウェブサイトで行うことができます。そのため、個人情報や決済に使用した口座やクレジットカードの情報が、現地のSIMカード販売店で漏えいする危険はありません。
モバイルデータを一元管理するアカウント
初めて使うときは、ウェブサイトまたはアプリで登録が必要です。ただし、すでにMy Kasperskyアカウントを持っている場合は、それをリンクするだけで自動的にログインされます。ウェブサイトまたはアプリの個人アカウントでは、モバイルデータの使用状況をリアルタイムで確認したり、データ容量が残り少なくなった時に通知を受け取り、必要なデータ容量をすぐにeSIM追加したりすることも可能です。
一部の国では、Smart Top-up(自動チャージ)機能を利用することができます。データ残量が100MBを下回ると、以前に購入したのと同じギガバイト容量がeSIMに自動的に追加され、プランの有効期間も延長されます。これにより、突然接続が切れて慌てることもなくなります。
多様なプラン
当社の幅広いプランから、最適なプランを選択できます。選択可能なのは、Localプラン(177の国と地域で利用可能)、Regionalプラン(9つの地域で利用可能)、またはGlobalプラン(世界中の122か国で利用可能)です。
次に、プランの種類(ExpiringまたはNon-expiring)を選択し、必要なデータ量を選び、数回のクリックでクレジットカード決済ができます。
Expiringプランの場合、一定期間(ほとんどのプランでは30日)以内に全てのデータを使い切る必要があります。Non-expiringプランでは、モバイルデータはアカウントに無期限で割り当てられたままになります。データ容量を必要以上に購入して使いきれなかった場合や、何らかの理由で旅行を短縮した場合でも、残りは次回同じ地域に行くときに使用することができます。
スケジュール可能なアクティベーション
eSIMは、購入後すぐにアクティベートすることも(すでに海外にいる場合など)、特定の日に延期することもできます。既定では、eSIMは購入した時点から動作を開始します。Expiringプランの場合は、その時点で有効期間が始まります。前もって計画を立てておきたい場合は、自宅からデータプランを事前に購入しておくこともできます。その場合は、購入時に[Schedule activation]オプションを選択し、旅行の開始日を指定します。計画が変更になった場合は、購入後でもアクティベーション日を変更することができます。
データ繰り越しと柔軟な運用
大部分の海外旅行用eSIMには、実質的に1回しか使用できないという問題があります。購入して、インストールして、使ってしまえばそれで終わりです。スマートフォンからそのeSIMを削除し、次の旅行では新しいeSIMを取得する必要があります。Kaspersky eSIM Storeの場合、一度eSIMを購入してスマートフォンにインストールすれば、その後は必要に応じてさまざまなデータプランに接続することができます。それでも、複数のeSIMを購入する意味はあります。たとえば、一緒に旅行する家族の分としてそれぞれ一つずつ購入することもできます。この方法なら、一つの個人アカウントで各人のデータ使用量を管理することができます(データ消費が早いティーンエイジャーに、ソーシャルメディアの使いすぎを注意することもできます!)。また、特定の国または地域向けのNon-expiringプランで、まだデータが残っているSIMを持っていても、別の地域へ移動する場合は、新しい目的地用のeSIMを追加購入することができます。もし、よく訪れる国が複数決まっている場合は、その国ごとにeSIMを設定しNon-expiringプランを使用すると、コスト効率が良くなります。そうすれば、1バイトも無駄にしないで済みます。Kaspersky eSIM Storeでは、eSIMの切り替えの際に必要なあらゆる柔軟な運用が可能になります。
セキュリティ
以前の記事で取り上げた話題をもう一度おさらいしましょう。外国では、公共のWi-Fiに接続するよりも、モバイルインターネットを使用するほうがはるかに安全です。その理由は、この記事で説明しています。しかし、現地のSIMカードを購入するのは、それほど簡単なことではありません。携帯電話会社の店舗(またはSIMを販売するブース)を見つけ、現地の言語で記述された、めまいがするほど数多くのプランの中から選択し、不要なサービスの押し売りがされていないかも確認する必要があります。さらに、ほとんどの国では、SIMカードを購入する際に販売者にパスポートのコピーを提出しなければなりません。見知らぬ人にパスポートやクレジットカードの情報を共有するのは、リスクが高いと思いませんか?また、データ残量のチェックや、データ容量追加が難しいという点も覚えておきましょう。
こうした理由から、eSIMの使用が最も賢明な選択となるのです。購入にパスポートは不要で、料金体系が明確でわかりやすく、隠れた手数料や不要なオプションも一切ないうえに、支払いは安全な接続を介して処理されます。旅行中のデバイスのセキュリティをさらに強化するには、当社の強力なセキュリティ製品をインストールしましょう。これにより、ウイルスからの保護、オンライン決済のセキュリティの確保、安全性が低いネットワークへの接続時の警告などが可能になります。Androidスマートフォンの場合は、紛失や盗難に遭ったスマートフォンの場所を特定することもできます。
また、カスペルスキー VPN セキュアコネクション(カスペルスキー プレミアムのサブスクリプションで利用可能、またはこの機能だけを別途購入することも可能)を利用すれば、インターネットトラフィックを暗号化し、傍受を防ぎます。また、海外で金融機関のサイトや政府機関のサービス、または動画配信プラットフォームなどへアクセスする際も、自分の国にいる時と同じように接続することができます。