カスペルスキー インターネット セキュリティ for Android:必要なのは暗証番号?PIN?

手順どおりにカスペルスキー製品を削除して暗証番号を入力したのに、スマートフォンのロックを解除できない――このような問題でよくある誤解を説明します。

Kaspersky-Internet-Security-for-Android-PIN-vs-Secret-Code

今回は、Kaspersky Daily(当ブログ)でおなじみのトピック、モバイルソリューションを再び取り上げます。さらに詳しく言うと、アンインストールの手順についてです。Kaspersky Labのコーポレートフォーラムに、ある問題についての問い合わせが多数寄せられました。適切な手順に従って暗証番号を入力してカスペルスキー製品を削除したところ、スマートフォンがロックされてしまった、というのです。

さらには、ロックを解除するために何かのPINコードも要求されます。削除したばかりのカスペルスキー製品に関係がある「PIN」が必要なのだと判断し、もう一度暗証番号を入力しますが、うまくいきません。暗証番号の入力を間違えたと思い、暗証番号を復旧して改めて入力しようとしますが、やはりうまくいきません。

この問題の根本原因は、誤解にあります。カスペルスキー製品は削除されたので、もうデバイス上にインストールされていません。つまり、ロック画面はカスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidと何の関係もないのです。画面上の入力キーを見れば、一目瞭然です。カスペルスキー製品が暗証番号の入力を要求するときの画面は、次のような画面です。 

KISA_盗難対策_暗証番号の入力

カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidの画面は、暗証番号入力画面に限らず、だいたいこのデザインです。キー上には数字しか表示されていません。ユーザーが悩むのは、次のような見た目の画面のときではないでしょうか。 

pin-kisfaこの画面は、スマートフォンの標準のキーボードです。キーボードのキー上には数字と文字が表示されていて、普段使用している壁紙の上にかぶさって表示されています。カスペルスキー製品の画面とこの画面を見分けるためには、1つ重要なことを理解しておかねばなりません。最初のケースで暗証番号の入力を要求してきたのはカスペルスキー製品で、2つめのケースでPINの入力を要求してきたのはデバイスなのです。

一体どういうことなのでしょうか?大半のケースでは、デバイスに何らかの暗号化アプリがインストールされていることと関係しているようです。たとえば、カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidをインストールした後で、職場のセキュリティ担当者からKNOXなどをインストールするように言われたとしましょう。

カスペルスキー製品には、このようなプログラムとの互換性がありません。暗号化ソフトウェアが先にインストールされている場合、カスペルスキー製品のインストール時にその旨が通知され、互換性のないソフトウェアを削除するように要求されます。しかし、インストールの順序が逆だった場合には、このような通知が表示されません。カスペルスキー製品を削除しないかぎり、そもそもこの非互換性の問題に気付くことはないでしょう。

そこで、問題が生じるのです。カスペルスキー製品の盗難対策機能を有効にする際は、暗証番号を入力しなければなりません。ところが、後からインストールした暗号化アプリによってデバイスがもう一度暗号化されると、認証コードがもう1つ設定されます。こちらは、システムの起動とホーム画面の起動に必要となるものです。

カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidが最後に暗証番号を要求するのは、アンインストールを確認するとき

カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidが最後に暗証番号を要求するのは、アンインストールを確認するときです。暗証番号を入力した後、製品は削除されて機能しなくなります。普通はこれで暗証番号が要求されることがなくなり、これまでに使われていた暗証番号はリセットされます。ところが、デバイスが暗号化されている場合、後から設定された認証コードはリセットされないため、システムはロックされた状態になり、PINの入力が要求されるのです。

では、どうすれば解決できるのでしょうか?単にEnterキーをタップするだけでロックを解除できる場合もあります。システムのロックを解除するためのパスワードが設定されていないこともあるからです。これで解除できなければ、いわゆる「ハードリセット」を実行する以外に方法はありません。デバイスを初期状態に戻すということです。

このプロセスが終わったら、特定のボタンを組み合わせて押さねばなりません(組み合わせはスマートフォンの機種によって異なります)。押すと、写真、連絡先リスト、マルチメディアファイルなど、デバイスに保存されているデータがすべて消去されます。これは最悪の事態なので、できれば避けたいところです。念のために、日ごろからスマートフォン上のデータをバックアップして、貴重なコンテンツを復元できるようにしておくのがいいでしょう。

最後に1つ強調しておきたい点があります。カスペルスキー製品をインストール済みのデバイスに別のアンチウイルス製品を追加インストールしても、安全性が増すどころか、むしろ面倒なことになる可能性があります。盗難対策機能があれば、データを十分に保護することができます。

ヒント

Windows Downdate攻撃から身を守る方法

Windows Downdateは、最新バージョンのOSを古いバージョンにロールバックさせ、脆弱性が残る状態を復活させ、攻撃者がシステムを容易に侵害できるような状態にする攻撃です。この攻撃のリスクを低減するにはどうしたらよいでしょうか?