2018年3月8日

親密さが牙をむくとき

ヒント プライバシー

個人情報を他人から保護することの重要性については、これまでたびたび取り上げてきました。最近は何でも共有できて便利ですが、物事には表も裏もあります。秘密を秘密のままにしておくことは、次第に難しくなってきました。

Kaspersky Labと調査会社Tolunaが最近実施したグローバル調査では、誰でも自分だけのプライベート空間を持つべきだと考える人は10人中8人であることが分かりました。それでも、人々はシェアしすぎる傾向にあり、個人情報を大切にしていません。

パーソナルスペースの境界線が特にあいまいなのは、恋愛関係にある場合です。調査によると、恋人や夫婦の約半数がアカウントやデバイスのパスワードやパスコードをパートナーに教えていました。約4人に1人は、自分の指紋でパートナーのデバイスをロック解除できると答えています。さらに、安定的多数(70%)が、恋人関係や夫婦関係はプライバシーよりも重要であると考えていることも判明しました。本当にそうでしょうか?今回の記事では、過度に「親密な情報共有」が最終的には何をもたらすかを明らかにしていきます。

2人のプライバシー

夢見る恋人たちは、互いのデバイスへのアクセスを共有することで、2人の間に隠し事など存在しないことを示します。信頼を築く素晴らしい方法、というわけです。しかし、彼女とその友達が交わした彼氏についての率直なやりとりを見たとき、彼氏本人はどう思うでしょう?誕生日のサプライズを事前に知られてしまったら、サプライズを仕掛ける方も仕掛けられる方も気まずくなりませんか?写真を生業とする人は、大量にある若いモデルの写真が自分の趣味ではなくあくまでも仕事のものだと、愛するパートナーに説明できるでしょうか?また、彼女は、明日会う予定の元クラスメートに未練が一切ないことを彼氏に納得させられるでしょうか?

釈明が必要になりそうです。Kaspersky Labのグローバル調査では、回答者の約3分の1が、パートナーのバーチャルライフをときどきのぞいていることが明らかになりました。自分たちの関係の将来に疑いを抱き始めた人の場合は、ほぼ半数が相手をこっそり見張るようになっています。

こっそり調べている現場をパートナーに押さえられ、口論に発展することもあります。または、パートナーが見られたくないと思っているものを偶然見つけ、あれこれ聞いて相手を困らせてしまうこともあります。回答者の3分の1は、共有したくない情報を見られて口論になったことがある、と認めています。

破局したらどうなる?

ご覧のとおり、プライバシーの境界線があいまいになっても、健全な関係の構築には役立ちません。パートナーが見つけた何かを発端とするささいな口げんかが、破局につながることもあります。さらに、当社の調査では、公にすべきではない性質のデータ(メッセージ、写真、動画など)がパートナーのデバイスに保管されていると答えたのは全体の4分の1に上り、金融関連のデータや業務関連のデータを預けている人もいました。別れた後、友好的な間柄ではなくなったかもしれない人の元にこういった情報が残されたままになる可能性があります。

捨てられた相手は、復讐を考えるかもしれません。回答者の12%が「元パートナーの個人情報を公開した/公開したいと思った」と答え、これとほぼ同数が「相手のデバイスにダメージを与えた/与えたいと思った」と答えています。別れたあと自分がアクセスできる(パスワードを知っている)相手のアカウントを通じて相手を見張ったと答えたのは、ほぼ5人に1人でした。忘れていたり面倒くさがったりで、パスワードを変更しない人も珍しくないのです。また、振られた人の1割が、元パートナーのお金をオンラインで使用したことを認めています。おそらく、かっとなってやってしまったのでしょう。

興味深いことに、元パートナーを罰しようとするのは男性がほとんどです。男性の約17%は破局後に元パートナーに関するプライベートな情報をインターネットで公開し(女性の場合7%)、同じく約17%の男性が、その情報で利益を得ようとしています(女性の場合8%)。一方、元パートナーを見張るとしたのは女性の方が若干多く、男性が28%であるのに対し、女性は約33%が監視していることを認めています。同時に、過去の関係を思い出させるものをすべてデバイスから消去する傾向は、女性の方が多少高いようです。

さてどうすれば?

男性、女性を問わず、個人情報をむやみやたらと共有しないことをお勧めします。あなたの名誉と財産、それから元パートナーとの友好関係を守ることは、不可能ではありません。ただ、愛とはすべてを分かち合うという意味ではないことを忘れないでください。特に、秘匿性の高い情報については。愛を育み始めたカップルにお勧めしたいは、次の基本的なルールです。

  • 最初から、プライベート空間の境界線をはっきりさせておきましょう。自分だけが知っていればいい情報もあります。信頼関係にある人たちの間にも秘密はあることを、2人とも理解することが重要です。
  • パートナーに教えてもいいパスワードと、教えないパスワードを慎重に検討しましょう。万が一破局が訪れた場合には、パートナーに教えたパスワードを忘れずに変更してください。
  • 他人に見られて困るような情報は、パートナーのデバイスに残さないようにしましょう。万が一の場合には、ファイルを必ず削除しましょう。