CIAをかたるセクストーション詐欺:昔ながらの詐欺の新たな仕掛け

2019年6月12日

「Central Intelligence Agency — Case #45361978(CIA — 事件番号45361978)」。こんな件名のメールが届いたら、どう思うでしょうか。誰かがどこかで何かをやらかして、トップシークレットの情報を誤って自分のところに送ってきた?もしかして、諜報機関にスカウトされた(絶対にないとは言いきれないし…)?残念ながら、どちらもほぼ確実に外れです。このメールは、新たな恐喝の手口なのです。

CIAにより小児性愛で告発される

当社エキスパートのセンサーにかかったこのメールの主は、CIA職員を名乗り、「事件番号45361978(児童ポルノの所持および配信、またはその疑い)」にあなたに関する情報が見つかった、と述べています。この「職員」は、CIAがまもなく世界27か国で2,000人以上を小児性愛の容疑で一斉検挙するとしており、あなたが対象の1人であることを示唆しています。

職員を名乗る犯罪者は、ご親切にも、CIAがどこまでの情報を押さえているのか開示してくれています。メールを受け取ったあなた(つまり「被疑者」)の名前、電話番号、メールアドレス、さらには自宅と会社の住所、親族に関する情報まで握っているようです(おそらくISP、オンラインチャット、SNSなどさまざまな情報源から集めたのでしょう)。

メールの主は、自分はこの事件簿にアクセスする権限がある、逮捕されないようにこの不名誉な情報を削除することができる、と持ちかけています。ただし、見返りとして、ビットコインで1万米ドル相当の支払いが必要です。じっくり考えている余裕はありません。最初の一斉検挙は数週間のうちに始まるとのこと、この親切なCIA職員に助けてもらうには、9日以内に送金しなければなりません。

ゆすり屋を信じてはいけない

アダルト趣味のある人を告発するタイプの詐欺メール(いわゆる「セクストーション詐欺スパム」)は、目新しいものではありません。ただ、ほとんどの場合は合法的なポルノに関連した内容で、自らをハッカーであると名乗るサイバー犯罪者が「不道徳な趣味のことを友人や同僚にばらす」と誤字だらけのメールで脅迫するパターンです。

そういったセクストーション詐欺スパムと比較すると、この「CIA」からのメールはよく書けていて、文法的にも正しく、節度ある言葉使いで、いかにも公的機関らしい文章です。また、犯罪者はレイアウトにも気を配っています。メール本文のフォーマットは小ぎれいで読みやすく、画面に輝くCIAの紋章がこの効果をさらに増しています。

しかし、メールの見た目が堂々としているからと言って、嘘が本当になるわけではありません。気を悪くしないでほしいのですが、CIAがあなたに関心を持つことはまずありません。犯罪者は、あなたのメールアドレスを、おそらくインターネットに流出したデータベースで見つけたか、あるいはどこかでたまたま見かけたのです。

彼らは十中八九、あなたに関する情報などまったく持っていません。このようなメールは、一握りの誰かが食いついてくれることを願って、何千人、もしくは何万人もの人々へ送られています。支払金の額を考えると、数人でも引っかかれば、犯罪者の時間と努力は報われるでしょう。

とにかく落ち着こう

CIAから送ってきたように見えるメールが届いたら、すぐに削除するのが賢明です。ラングレーのCIA本部にいる誰かがあなたに注目する可能性は、限りなくゼロですから。しかし、好奇心に負けてメールを読んでしまった場合でも、とにかく一番にするべきことは、落ち着くことです。

  • お金を払わないでください。犯罪者を増長させるだけです。
  • メールに返信しないでください。あなたの名前が「事件簿」にあるのは何かの間違いであることを証明したいと思っても、返信はしないでください。返信すると、あなたのメールアドレスが有効であることを証明することになり、さらに大量のスパムが届くようになる可能性があります。同じ理由から、犯罪者を挑発するのも避けましょう。
  • メールを閉じて、迷惑メールに登録しましょう。あとは、迷惑メールフィルターがうまくやってくれるはずです。