レポート:蔓延するサイバーストレスは単なるサイバー脅威以上

2018年5月17日

このあいだ、家族が仕事用のラップトップで作業をするのを手伝う機会がありました。アプリケーションの更新、OSパッチの適用、サイバーセキュリティ関連の設定、不要なものの削除、ファイルのバックアップ…作業をしながら彼はぶつぶつ文句を言いました。「紙とペンの時代に戻りたいよ」。彼曰く、コンピューターがとても役に立つことがあるのは認める、でもサイバー脅威に常にバッチリ対処するっていう契約にサインしたわけじゃない。

オンラインでポルノを見ない、疑わしいアプリを使わない、それだけではサイバー脅威を避けきれません。2018年の今、電子機器はかつてのようにわくわくする存在ではなくなりましたが、コネクテッドデバイスも同様に、前ほどエキサイティングな代物ではありません。ただ、ネット接続する世界から逃げることも、安全を保つ必要性から逃れることもできなくなっています。

明確に定義されたサイバーセキュリティという範囲の向こうに何があるのか、そしてセキュリティビジネスの必然性や、いつもそばにいるモバイルデバイスや、その他あらゆるテクノロジー的なものは、どのように心身に影響するのか。「世界を守る」という壮大かつ全体論的な話に関心を抱く私たちは、そういったものを知りたいと考えました。

当社は北米の消費者2,000人を対象に、サイバーセキュリティは日常のストレスと関係があるか、データ保護の観点で誰を信頼しているかなど、サイバーセキュリティに対する人々の姿勢を調査しました。

さらなるデータ、さらなるセキュリティ侵害、さらなるストレス

多くのデータが電子的に保存されるようになり、繰り返される情報流出その他のサイバーセキュリティ問題が、広範囲に及ぶ慢性的なストレスを引き起こしています。消費者はまた、オンラインの脅威から自分を守る方法が分からないことにストレスを感じ、全体的なテクノロジー利用とサイバーセキュリティをめぐるストレスのレベルを押し上げる結果となっています。去年は常識だったセキュリティの手段が今年も有効だとはかぎりません。

この調査では、実に米国人の81%とカナダ人の72%が、データ侵害のニュースを聞いてストレスを感じるとしており、サイバーセキュリティの問題による個人的な影響を感じているとの結果が出ています。加えて専門家によれば、頻繁なストレスは平均的な消費者にそれ以上の問題を生じさせる可能性があります。American Institute of Stress(英語)のエグゼクティブディレクターであるハイディ・ハンナ(Heidi Hanna)氏は、「生活上必要なことを処理する能力に欠けているときに私たちが感じる、日々つきまとい、蓄積されるプレッシャーと緊張」は、ストレス関連の病気や不調の主たる要因だと述べています。ハンナ氏は、「常時つながった状態のデジタルライフスタイルにはつきものの変化のペースに追いつけないと感じる」ときにこの因果関係は特に強くなると指摘します。

重荷となるテクノロジー、そして恐れの連鎖

調査の中で半数近くの回答者が大きなストレス要因に挙げたのは、パスワードです。16~24歳の回答者のうち46%が、パスワードの選択、どこにどのパスワードを使っているかの把握、パスワードの保護で、どうしたらよいかわからなくなっていると答えました。

こうしたサイバーストレスの現状は憂慮すべきですが、人々が恐れるのには十分な理由があります。直近の数年間にサイバーセキュリティ上の問題を少なくとも1つ経験した人は、回答者の46%に達しました。過去5年間に4つ以上のサイバーセキュリティ問題を経験した人は、米国人で14%、カナダ人で6%でした。

恐れていたことが自分に降りかかると、今抱えているサイバーセキュリティの懸念は増すばかりです。過去5年間にサイバーセキュリティの問題に直面してから、自分が所有するデバイスを全部保護することにストレスを感じることが多い、と回答したのは3分の1(33%)でした。

信頼はどこへ?

セキュリティ侵害の結果や侵害への怖れで人々は警戒心を強めており、企業やテクノロジーソリューションの情報保護能力に対する信頼が揺らいでいます。回答者の5分の1(22%)は、どこも信頼できないと答えました。

無邪気に企業を信頼するのは間違いだ、との意見の是非をここでは論じませんが、自分のデータを預ける先となる企業について調べるのは重要なことであり、多くの第三者機関によるテストの結果をKaspersky Labが公表しているのもそこに理由があります。

その信頼は正しいか

奇妙なことに、人は進んでデータを他人に預けてしまうようです。信用のおける人なのか、情報の扱いに細心の注意を払ってくれるか、サイバーセキュリティのベストプラクティスを心得ているかも分からない相手に。自分のデバイスのユーザー名やパスワードをパートナーと共有してもいいと答えたのは回答者の約半数(49%)、セキュリティの質問の答えを知られてもかまわないと答えた人の割合も同じでした。

サイバーセキュリティのリスクに対する認識は高まっていますが、自分のデバイスをどのように保護したらよいかわからないという人が多数です。自分のデジタルライフをコントロールする方法がわからないと、サイバーセキュリティに関して途方にくれてしまうのです。

サイバーストレスを悪化させないための対策は?消費者自身でできることといえば、セキュリティ製品をインストールすることです。さまざまな脅威に対抗できる、総合的な機能を備えた製品がよいでしょう。たとえばカスペルスキー セキュリティは、さまざまなOSに対応し、マルウェアやフィッシングなど多様な脅威に対抗する機能を搭載しています。こうした製品にセキュリティの対策を任せることができれば、プレッシャーから解放されるというものです。

翻ってセキュリティ企業の側でできるのは、製品やサービスを提供することだけでなく、サイバーセキュリティについての情報を顧客に提供し、セキュリティにストレスを感じる必要はないのだと伝えることです(それこそKaspersky Dailyがやろうとしていることです)。知識を得たならば、ストレスの代わりに自信を得ることができます。そして、知識を得た人は、自分のデジタルライフを安全なものとするのに留まらず、他の人にも知識を伝達していくことができるようになるのです。

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