私の家は私の城:ホームセキュリティのテクノロジーを考える

2019年8月22日

自宅とは、安心して過ごすことのできる、平穏な自分だけの場所…そう、きちんと保護されているのであれば。そうでなければ、この平穏な生活がいつ何どき破られるか分かりません。今回の記事では、ホームセキュリティ分野の技術的トレンドや新製品をまとめてみました。それぞれの長所、そして理解しておくべきポイントを解説します。

DIYセキュリティシステム

アナリストの予測では、今後数年のうちに、プロの手を借りずに独自のセキュリティシステムを設置して自宅を監視する人が増えていきます(英語記事)。市場には、特別な知識や技術がなくても設置や運用ができるシステムが、すでに数え切れないほどあります。自分で設置できる上に警備会社の集中セキュリティシステムに接続しないで済むことから、費用を節約できるとあって、このようなシステムは需要が高いのです。しかし、DIYシステムの購入を検討しているのなら、不都合な面についても知っておく価値があります。

たとえば警報は、いつ鳴りだすか分かりません。それこそ時間に関係なく。友達の家にお泊まりしているとき、海辺で休暇を楽しんでいるとき、突然セキュリティシステムからメッセージが届いたらどうしますか?真夜中だったとしても、すぐその場で監視カメラの映像を調べて、誤作動ではないかどうか確かめる?メッセージを無視する?とりあえず朝まで先送り?でも、本当に何者かが侵入していたら?

また、通信の問題は常につきまといます。スマートフォンのバッテリーが切れてしまった、あるいは圏外になってしまったとき、タイミング悪く泥棒があなたの家に侵入したとしましょう。セキュリティシステムはあなた宛に警告を送ろうとしますが、通じません。飛躍しすぎに聞こえるかもしれませんが、あり得ない話ではありません。

さらに、家の保護について自分が全責任を負うことにしたならば、他でもないあなた自身が、システムのセキュリティに目を光らせねばなりません。テクノロジーというものには、たとえそれがセキュリティ関連であっても、犯罪者に悪用されかねない脆弱性が付きものです。

例を挙げましょう。リサーチャーのイリヤ・シュナイドマン(Ilia Schnaidman)氏は2017年、iSmartAlarmというDIY型システムに、第三者があらゆる警報システムを掌握して意のままに操作できるようにしてしまうバグを複数発見しました(英語記事)。最近の例では、KasperskyのエキスパートがFibaroのスマートホームシステムに対してハッキング実験を行い、セキュリティシステムと監視カメラの動作を停止させるだけでなく、スマートロックで保護された玄関ドアを遠隔操作で開けることも可能であることを示しました。

スマートデバイス群に守られた家

セキュリティシステムとは関係のないスマートホームデバイスも、家の中の様子を見張るのに役立ちます。たとえば、スマート玄関チャイムがあれば、たとえあなたが地球の裏側にいたとしても、訪問者を確認して話しかけることができます。

訪問者が確かにあなたの知っている人であれば、スマートロックに命令を送って彼らを家の中に入れることもできます。また、ある特定の人がきたら自動的にドアが開くように設定することも可能です。たとえば、あなたがよく知っていて信頼している清掃業者が来たとき、など。このほか、ドアをロックし忘れていないか確認することもできます。

スマート照明は、あなたの外出中に誰かが家の敷地内に入り込んできたときに点灯します。経験の浅い泥棒が相手なら、これでも十分効果があるかもしれません。また、不在時に適当なタイミングで証明をつけたり消したりして、誰かが家にいるようにみせかけるモードを備えたスマートライトもあります。

しかし、比較的新しいテクノロジーではどれにも言えることですが、スマートデバイスにも脆弱性があります。ハッキングされ、攻撃に使われるかもしれません。また、機器が複雑であればあるほど、はっきりとした理由もなく誤動作する可能性があります。

少しばかり知性を加える

ホームセキュリティ分野のトレンドの1つに、人工知能(AI)があります(リンク先は英語)。従来のスマートデバイスと異なり、AIシステムは学習し、順応することができます。セキュリティ技術で使われるAIシステムは、脅威が本物かそうではないかを区別します。たとえば、家に押し入ろうとしている泥棒と、壁をよじ登って窓から家に入ろうとしている子どもを見分けるなどです。その結果、警報システムが誤報を出す頻度が下がり、警報が鳴ったときの利用者やセキュリティ担当者の反応が早くなります。

このようなシステムを実現するため、開発元はさまざまなテクノロジーを採用しています。たとえば顔認証テクノロジーによって、その家の住人としょっちゅう来る人(友人や親戚など)が中に入ることを自動的に許可することが可能になります。一方で、ジオフェンシングのテクノロジーを使って、誰かが建物に近づきすぎたり、門のそばに長時間居座ったりしているのを検知することもできます。

もちろん、AIが下す判断の精度には微調整が必要です。言うまでもなく、電子頭脳は人間の頭脳と同様に欺くことができます。したがって、セキュリティシステムを監視するという業務から人間を外すのは時期尚早です。

ロボット警備員

ここまで触れたシステムやデバイスの大半は、スマート機能を持つかどうかに関係なく、固定されていて、自由に動き回ることはありません。ということは、理論的に考えて死角があります。この点で興味深いのが、Sunflower Labsが開発したシステムです(英語記事)。

このシステムは、次のような仕組みです。マイク、モーションセンサー、振動センサーが搭載されたガーデンライトを、敷地の境界線に沿って設置します。ライトは不審なものを検知すると家の持ち主に通知し、家の持ち主はモバイルアプリを使ってカメラドローンを起動します。ドローンは「問題の現場」へ至る経路を自動的に判断し、搭載のカメラからリアルタイムで動画を送ります。巡回を終えたドローンは基地に戻り、充電しながらデータをクラウドにアップロードします。

さて、天気の悪い日でもドローンは飛べるのでしょうか?ドローンが撃墜されることはないのでしょうか、撃墜されてしまった場合はどうやって利用者を守るのでしょうか?ドローンの乗っ取りは難しくないのでしょうか?しかし、広い目で見れば、開発者たちはホームセキュリティを今よりも使いやすく信頼性の高いものにするための新しい方法を模索しているのです。

自動化に向かって

このように、セキュリティシステムや家を保護するためのその他テクノロジーは、より柔軟になり、自立し、入手しやすくなりつつあります。将来的には、リアルタイムで自宅のセキュリティを監視し、インシデントにすばやく対応できるようになる人々がますます増えてゆくことでしょう。

その一方で、独立したセキュリティシステムやスマートソリューションに移行するには、情報セキュリティに関する膨大な知識が利用者側に必要です。自宅のセキュリティシステムが侵入者の武器に転じることがないようにするには、少なくとも脆弱性に関する情報をなるべく早くキャッチして更新プログラムをすぐにインストールするようにすることが不可欠です。