存在しない自転車を買いそうになった話

2018年7月19日

サイクリングシーズンは、国によってさまざまです。一年を通じてサイクリングに適している国もあれば、夏だけという国もあります。寒い国では、夏になると、大勢の人々が自転車の新調を考え始めます。私もそのひとりでした。今回は、私がどのようにして実在しない自転車にお金を払いそうになったのか、事の顛末をお話ししましょう。

どの自転車にするか決めるのには、とにかく一番時間がかかりました。多数のレビューに目を通し、あらゆる機能を比較した末に、ようやく理想の1台に出会いました。あとは、実際に売っている店を見つけるだけです。ネットで検索したところ、お目当ての自転車を大幅なディスカウント価格で販売している洒落たサイトを見つけました!

ITセキュリティ関連の第六感が「何か怪しい」と告げたのですが、私は構わず購入手続きを進めることにしました。たぶん、すごくラッキーなだけなんじゃない?そう思いました。

びっくりするほど安いこと以外、怪しいところはなさそうでした。お目当ての自転車を選んだあとの購入手続きも、至って普通でした。

最初に変だなと思ったのは、海外向けの送料でした。オーストラリアからヨーロッパへの配送が無料?送料が無料になるのは普通、発送元と届け先が同じ国内や同じ市内の場合です。しかも、自転車のような大型の荷物で送料が無料になることはめったにありません。

それでも私は手続きを進めました。支払い方法を選ぶと、カード情報入力用の一般的なフォームが表示されました。「別におかしいところはないな」と思いましたが、手続きを完了する前に、念のため出店者情報をチェックしてみることにしました。

ストアのドメインをWHOISで確認して分かったのは、このドメインがほんの6日前に登録されたばかりだということでした。しかも、ドメインの所有者はオーストラリアではなく、中国にいるようです。詐欺だ、と確信するにはこれで十分でした。どこかの誰かが偽物のオンラインストアを立ち上げ、大幅な値引きと送料無料をエサに人を呼び込み、代金を回収したらトンズラするという、昔ながらのオンライン詐欺です。

結局どうしたかというと、私はこのエサには食いつかず、他のところから自転車を買いました。そのストアで買うことにしていたとしても、どのみち支払いはできなかったでしょう。というのは、偶然にもそのころ、複数の銀行がこのオンラインストアを通じた取引の停止に動いていたのでした。たまたまこの件では銀行がすぐに対応しましたが、自分以外の誰かが迅速に手を打ってくれることを頼みにするのは、あまり得策ではありません。そこで、オンラインで買い物をするときには、以下の点に留意したいものです。

  • 実際に購入する前に、ストアのレビューをいくつか読んでみてください。ネガティブなコメントが多い場合は、魅力的な割引価格を提示しているのがそのストアだけだったとしても、そこで買うのはやめておきましょう(他にはないような割引価格を設定していること自体も、疑う理由になります)。
  • フィッシングサイトや悪意あるサイトを検知可能なセキュリティ製品を使いましょう。カスペルスキー セキュリティは、フィッシングサイトや悪意あるサイトに関する充実したデータベースを基に、オンライン詐欺からお客様を守ります。