Linux向け無料マルウェアスキャナーの提供開始

当社は、既知のサイバー脅威についてLinuxシステムをスキャンできる無料のアプリケーションをリリースいたしました。

サイバー犯罪者は、LinuxベースのOSに対してもサイバー攻撃を仕掛けます。最近当社は、オープンソースの圧縮ソフト「XZ Utils」に含まれる悪質なコードやXDealerとしても知られるLinuxインプラント「DinodasRAT」、トロイの木馬化された無料のダウンロードマネージャーのバックドアなどについて、一連投稿を行いました。それにもかかわらず、Linuxはサイバー脅威からほぼ無縁であるという「神話」が根強く残っています。組織が、このOSを実行しているマシンの保護に資金を投入することはほとんどありません。そこで私たちは、Linuxコンピュータが最新の脅威にさらされていないか確認することができる専用の無料ツール、Kaspersky Virus Removal Tool (KVRT) for Linuxをリリースしました。

Linux向けKaspersky Virus Removal Toolとは?

KVRT for Linuxは、コンピュータやサーバーへの攻撃をリアルタイムで監視することはできませんが、LinuxベースのOSを実行しているコンピュータをスキャンして、検出された脅威を取り除くための無料アプリケーションです。マルウェアやアドウェアだけでなく、攻撃に使用される可能性のある合法的なプログラムも検出することができます。

KVRT for Linuxは、x86_64アーキテクチャの64bitのOSをスキャンすることができます。アプリケーションの動作が保証されているディストリビューションのリストはこちらに記載されていますが、もしお使いのシステムがリストにない場合でも、一度お試しください。私たちのアプリケーションは、システムメモリ、スタートアップオブジェクト、ブートセクタ、OS内のすべてのファイルをスキャンし、既知のマルウェアを検出します。アーカイブされたものも含め、あらゆる形式のファイルをスキャンします。

KVRT for Linuxの使い方

KVRT for Linuxには、アンチウイルスデータベースを自動更新するメカニズムがありません。最新の脅威を認識させたい場合は、当社のWebサイトから新しいバージョンのプログラムを毎回ダウンロードする必要があります。そこでホストされているパッケージは1日に数回更新されています。

このアプリケーションは、グラフィカルインターフェースまたはコマンドラインから実行することができます。しかし、手動でのみ実行可能です。 スケジュールされたスキャンを設定することはできません。

またKVRTは、ポータブルアプリケーションとして提供されているため、インストールは不要です。ただし、使用前に実行権限を付与する必要があります。このアプリケーションがシステムメモリ、ブートセクター、その他の重要な領域へのアクセス権限を持ち、検出された脅威を治療または削除できるようにするには、スーパーユーザーアカウント(root)で実行することをお勧めします。ただし、KVRT for Linuxは通常のユーザーアカウントでも動作します。ただしその場合は、機能が制限される可能性があります。アプリケーションを起動し、必要な権限を与える方法については、当社のテクニカルサポートサイト(英語)をご参照ください。一般的に、KVRTを使用するために必要なすべての情報をご確認いただけます。

 

ヒント

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Windows Downdateは、最新バージョンのOSを古いバージョンにロールバックさせ、脆弱性が残る状態を復活させ、攻撃者がシステムを容易に侵害できるような状態にする攻撃です。この攻撃のリスクを低減するにはどうしたらよいでしょうか?