ヘッドフォンの音量は控えめに

2017年7月24日

子どもが新しい技術にどう接するべきか、Kaspersky Dailyでは度々取り上げてきました。実は、このテーマは基本的なサイバーセキュリティの範疇をはるかに超え、幅広い分野に及ぶ問題です。新しい脅威が群れをなしてやってくるたび、私たち大人はそれまで直面していた脅威のことを忘れてしまいがちですが、子どもは新しい技術がもたらすリスクだけでなく、メディアプレイヤーやヘッドフォンのような身近なものがもたらす脅威にも直面しています。

米国CDC(疾病管理予防センター)が成人を対象に難聴の問題を調査したところ、少なくとも4分の1以上の人が聴覚に問題を抱えていることがわかりました(英語記事)。興味深いことに、そのほとんどは職場で大きな騒音にさらされたことのない人でした。つまり、難聴の原因は日常生活にあるということです。

現代では、ほぼすべてのデバイスにヘッドフォンが付いています。ネット上にはオーディオブック、ゲーム、漫画など大量のオーディオコンテンツがあふれています。ヘッドフォンで音楽を聴くことだけが難聴の原因ではないとはいえ、ヘッドフォンやイヤホンが害を及ぼす可能性を否定するわけにはいきません。そして、健康を害するほどの音に晒されているのは、大人だけではありません。

幼いうちからメディアプレイヤーや携帯電話、携帯ゲームを与えられる子どもたちがいます。中には、幼児が好きなようにデバイスを使うのを放置している親もいます。子どもは楽しく遊んでいて、親は自分のことに専念できるのですから、悪いことなどなさそうに思えるかもしれません。

しかし、子どもの耳は大人の耳より、ずっと繊細です。幼児や小学生は、適切な音量というものを知らないかもしれませんし、気にしないかもしれません。一定の年齢(臨界期)を過ぎると言語の習得が不可能になる、という仮説(臨界期仮説)があります。臨界期は、諸説ありますが12才頃とも言われます。この年頃に聴覚に問題を抱えていると、言語習得に影響を及ぼす可能性が考えられます。

そのため、子どもが何を聞いているのかを把握するのが大切です。5歳未満の子どもには、ヘッドフォンを使わせるべきではありません。5歳以上の子どもには、音量を制限できるヘッドフォンを選んであげましょう。周囲の環境にも気を配りたいもの、TVやオーディオシステムが大音量になりすぎないようにしましょう。モバイルデバイスでの音量コントロールは、デシベルメーターや騒音計のアプリを使うと便利です。AppleのApp StoreやGoogle Playで、探してみてください。

安全な音量レベルは80 dB(デシベル)まで、との見解を医師たちは示しています。これよりも5 dB上がるだけで、回復不能な聴覚の損傷を引き起こしかねないとされています。聴覚が低下する確率は、音量に比例します。WHO(世界保健機関)は、85 dBを超える音量に数時間、100 dBの音量に15分間晒されると危険レベルであると注意喚起しています(参考、英語記事)。