携帯電話のSIMロックを解除して、第三者キャリアのネットワークで使用することは、これまで何の問題もないことでした。しかし1月26日に米国で新しい法律が施行され、ロック解除が禁止されました。つまり、特定のキャリアで使用する前提で新しい携帯電話を購入した場合、ロックを解除して別のキャリアで使用すると、違法とみなされることになったのです。
なぜ法律が改正されたのでしょうか。あなたがある特定のキャリアの携帯電話を購入する場合、電話機の価格は、そのキャリアのネットワークを今後使用することを見越して抑えられています。基本的に、キャリアとしては、あなたが契約期間中に支払う利用料金のほうが電話機の代金を上回ることに賭けているのです。手堅い賭けです。
契約したキャリアやその競合のキャリア、または第三者プロバイダーの助けを借りて、もしくは自分自身で携帯電話メーカーのロック解除コードをWebで調べて、携帯電話のロックを解除し、他のキャリアのネットワークで使用することは、以前は違法ではありませんでした。携帯電話キャリアとの契約によっては、許可されていない場合もあったかもしれません。しかし、たとえばSprintとの契約が終了した後に、そのSprintの電話機をVerizonで使うことは問題ありませんでした。また携帯電話を海外で使いたい場合には、ロック解除は特に便利でした。
しかし、自由にロックを解除できた時代は終わりました。
もちろん、新しいiPhone 5のようないくつかの機器は、ロックが解除されて販売されている場合もありますが、そのようなデバイスはキャリアとの契約で補助されてはいないため、非常に高額になります。
また、携帯電話のロック解除はJailbreak(ジェイルブレイク、または脱獄)とは異なる、ということをおぼえておいてください。Jailbreakのプロセスでは通常、ソフトウェアのバグを利用して、標準でない(つまり第三者の)アプリを実行します。JailbreakによってアプリやOSの広い範囲にアクセスできるようになりますが、モバイル向けのマルウェアに攻撃される可能性が高まります。
悪いニュースだけではありません。新しい法律は、施行後に購入された機器に適用されます。あなたが古い携帯電話を持っていて、ロックを解除して別のキャリアで使いたいと思っているなら、サービス契約の条項に違反しない限り、また新しいサービスプロバイダーがその古い電話機をサポートしてくれるのであれば、おそらくロック解除が可能でしょう。しかし今後を考えた場合は、新しい携帯電話のロックを解除すると違法になります。
だからといって、テクノロジーに詳しいモバイルユーザーたちの多くが今後ロック解除をあきらめる、ということにはならないでしょう。罰せられる可能性がある、というだけの話です。