インターネットに常時接続されていない世界は、多くの人にとって想像できないものとなりました。サイバー犯罪者はそのことをよく理解しています。日常生活におけるインターネット利用の重要性が増すにつれて、サイバー攻撃の脅威もかつてないほど拡大しました。さまざまな攻撃手法のなかでも特に被害が大きく、実際に長く使われてきたのが、デスクトップロッカーやランサムウェアによる攻撃です。こうしたデスクトップロッカーが危険である理由は、システムの基本的な操作を妨害するということだけではありません。アプリケーションや、場合によってはコンピューター全体を完全にロックする能力を持っているからです。幸い、カスペルスキー インターネット セキュリティ(カスペルスキー 2014 マルチプラットフォーム セキュリティのWindows対応機能)はこのマルウェアからユーザーを保護することができますが、カスペルスキーがどのようにユーザーの安全を守っているのかを詳しく見ていく前に、まずユーザーが直面している脅威について理解しましょう。
デスクトップロッカーについてはすでにご存知の方もあると思います。被害に遭ったという人もいるかもしれません。デスクトップロッカーのなかにはFBIやMicrosoftが開発したソフトウェアに偽装したものもあり、ほとんど見分けがつかないこともあります。どんなデスクトップロッカーもふるまいは同じで、キーボードや画面を完全にロックしてユーザーがコンピューターを使えないようにします。海賊版のソフトウェアを使用した、児童ポルノを見たなど、ユーザーに言いがかりをつけることもあり、警告のポップアップを表示して、「罰金」を払わなければ警告が消えないとおどしをかけ、ユーザーが慌てて行動するように仕向けます。金額は一般的に50ドル~200ドルで、支払い方法は地域によって異なりますが、クレジットカード、電子マネー、有料SMSなどです。最も悪質な部分は最近のデスクトップロッカーにアンロック機能がないことで、犯罪者はアンロックコードというものを決してユーザーに送りません。決して、お金は支払わないでください。
以前は、PCを操作できなくなってしまうと、解決のためにユーザーにできることはほとんどありませんでした。従来、ウイルスを取り除くには、感染していないコンピューターを使ってアンチウイルスユーティリティをダウンロードするか、ブートディスクを作成してOSのパラメーターを復元しなければなりませんでした。しかし、カスペルスキー インターネット セキュリティの不正ロック対策機能であれば対処が可能です。
私たちはカスペルスキー インターネット セキュリティ向けに、「入力情報の漏えい防止」を使用した不正ロック対策技術を開発しました。これは、サードパーティプログラムがキーボードをコントロールするのを防ぐ特殊なソフトウェアコンポーネントです。当初はキーロガー対策のために「ネット決済保護」技術の1コンポーネントとして開発されたものですが、デスクトップロッカーとの戦いにも有効であることが判明しました。ランサムウェアにキーボードを乗っ取られないようにすることができるからです。
感染してしまったときは、ショートカットキーCtrl + Alt + Shift + F4を押すと、この技術を有効にすることができます(Ctrl + Alt + Delを複数回押すのでもOK)。カスペルスキー インターネット セキュリティはこのキー入力を、デスクトップロッカーが活動している証拠であると認識し、すぐに不正ロック対策技術を有効にします。この技術はヒューリスティックアルゴリズムを使用して、悪質プログラムによって起動されたプロセスを特定することができ、OSに行われた変更をすべてロールバックし、システムからデスクトップロッカーを削除します。
この技術は高度なデスクトップロッカーからユーザーを保護するだけでなく、CDやサードパーティのアシスタントを利用しなくても感染に対処でき、デスクトップロッカーが起動する前にコンピューターでやっていた作業を保存することができます。4つのキーを押すだけで、ランサムウェアに出し抜かれることなく、攻撃から身を守ることができるのです。