勝負を分ける10分間:Kaspersky Labの20年間の洞察と経験から(下)

設立来20年の経験と洞察をもとにKaspersky Labがお届けする、小規模企業やスタートアップ企業、起業を志す皆さまへのアドバイス。下編です。

Kaspersky Labでは、良い時期も悪い時期も力を合わせて乗り越え、お互いから多くのことを学んできた。そして、設立20周年を迎えた今、その大切な洞察と経験をぜひ皆様と共有したいと考え、さまざまなアイデアやアドバイスをご紹介することにした。今後、経営上の課題やビジネスチャンスに遭遇したとき、効果的に対応するためのヒントとして役立てていただければ幸いだ。特に、小規模企業、起業家、そして創業して間もない若い企業の皆様に参考にしていただきたい内容ばかりだ。乗り越えるべき大きな山を迎える、いつかその日に備えて。(ユージン・カスペルスキー)

勝負を分ける10分間:Kaspersky Labの20年間の洞察と経験から(上)
勝負を分ける10分間:Kaspersky Labの20年間の洞察と経験から(中)

4.職場でのアイデア

企業未来には、創造力とイノベーションがかせませんKaspersky Lab独自調査によると47%企業「技術革新力めること最優先課題げています。実うと、弊社ではこの問題ませたことが一度もありませんなぜなら、誰もが自由にアイデアをすことができ、創造的えることが奨励される環境っているからです

創造力を育む

「ゲーム感覚で。コンテスト形式、賞や表彰の形をとってもいい」コスティン・ライウ

「アイデアが湧いて出てくるような環境でなければ、成長はない。人は生まれつきさまざまな能力をたくさん持っている。ただ、はじめからそれを発揮できるわけではない」チムール・ビヤチューエフ

「相手がミスをしてもよい余地を与えてあげることだ」クラウディオ・マルティネリ

「創造力を育む一番の方法は、自由な発想を抑えつけないこと。誰でも生まれつき創造力に富んでいる。相手の自由を奪うほど、創造力は抑圧される」トム・ハバード

「創造力をうまく発揮するには、『制限された環境での自由』が必要だ。目標は定めても、そこに至るまでの道筋は定めない。ところが実際には、あいまいな目標に対して道筋が決められていることがあまりに多い」アレクサンダー・エロフィーエフ

「イノベーション」とは

「すばらしい発見は、綿密に計画されたリサーチと懸命な努力から生まれるものだ」コスティン・ライウ

「新しいプロセスが必要になったとき、私は過去2年間のデータを手に、会議室にこもった。ホワイトボードの前で一晩過ごし、さまざまなコンセプトに思いを巡らせた。そのときの解決策が純粋に自分ひとりの発想で思いついたアイデアだったのかは今でもよくわからないが、そんなことは問題ではない。大切なのは、自分の問題に対して自分で解決策を導き出した過程なのだ」チムール・ビヤチューエフ

5.競合企業は敵か味方か?

競合企業はみなさんの顧客市場シェアをっている存在ですしかしその一方、大切なことをえてくれる存在であり、時には味方でもあるのですいずれにしても、誰かにとってのライバルであることに間違いありませんKaspersky Labは、非常に競争の激しい業界で事業を展開しており、他社との対立を幾度となく経験してきました。しかし、拡大けるサイバー攻撃脅威直面してセキュリティベンダーのくは、攻撃にさらされたユーザーを支援するためいにうことの価値理解していますその一例が、2016年に発足した「No More Ransom」プロジェクトです。このプロジェクトでは90社あまりのサイバーセキュリティベンダーが連携ランサムウェアの被害けた人のためにアドバイスと復号ツールを提供しています

競合相手から学べること

「企業は、競合相手の姿を見てすべてを学ぶことができる。逆に、競合相手もあなたの会社からすべてを学び取っていることを忘れてはならない」トム・ハバード

「競合相手なくしてイノベーションなし。そういう意味で、競合相手は仕事仲間である」クラウディオ・マルティネリ

「競合相手に今起きていることは、明日あなたに起こることかもしれない」アルフォンソ・ラミレス

「市場がなぜ競合企業を受け入れているのか、理解することが重要」川合林太郎

企業が協力し合うとき

「共通の目的に向かって団結する」アレハンドロ・アランゴ

「この業界では、一致団結するチャンスが軽んじられている。共通のプラットフォーム、製品に関する情報交換の方法、技術や市場の統合…我々は顧客目線でとらえる必要がある」ニキータ・シュベツォフ

6.雨の日と月曜日は – 気持ちが沈むことがあったら

心に刻まれた最高のアドバイス

「学校で数学の先生から言われた言葉。『問題を後回しにしてはいけない。いずれ自分の首を絞めることになる』」デニス・ゼンキン

「管理者の力量は、その人が看過できる問題のレベルで決まる」ニキータ・シュベツォフ

「混乱した頭で決断を下してはならない」川合林太郎

「どんな相手でも、探す努力をすれば共通の土俵を見つけることができる」アレクサンダー・モイセーエフ

「自分より賢い人を雇うべし。信頼し、その人の才能を輝かせよ」アレハンドロ・アランゴ

「ある上司から言われた言葉。誰もが、いずれ役に立つ潜在能力やスキル、個性を持っている。後は、それを引き出す方法を見つけることだ」エフゲニア・ナウモヴァ

「新たに就いた職務の中で、扱いづらい人たちに対応しなければならないことがわかったとき、上司から言われたひとこと。『それも仕事』。どんな仕事にも大変な一面がある。それも仕事だと割り切れば、うまく対応できる」アレクサンダー・エロフィーエフ

「自分を信じて。自分を信じられないことほど、辛いことはない」トム・ハバード

大切にしているビジネスの名言

「重要な人間になることは素晴らしいことだが、素晴らしい人間になることの方が重要だ」ジョン・テンプルトン (John Templeton) – コスティン・ライウ

「行き先を知らぬ者に追い風は吹かない」ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca) – クラウディオ・マルティネリ

「すべてがあなたにとって向かい風のように見えるとき、思い出してほしい。飛行機は追い風ではなく、向かい風によって飛び立つのだということを」ヘンリー・フォード(Henry Ford) – タンギー・ドゥ・コートポン

「大切なのは年齢、何年生きたかではなく、その年月をどうやって生きてきたのかである」エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln) – アレハンドロ・アランゴ

「データがなければ、ただの物言う人間だ」W・エドワーズ・デミング(William Edwards Deming) – トム・ハバード

「千里の道も一歩から」老子 – アレクサンダー・エロフィーエフ

「賢い人を雇って指示を出すのは無意味だ。我々は彼らから学ぶために賢い人を雇う」スティーブ・ジョブズ(Steven Paul Jobs) – ニキータ・シュベツォフ

「万事最後にはうまくいく。うまくいかないうちは、まだ終わりではない」オスカー・ワイルド (Oscar Wilde) コスティン・ライウ

 

 

○協力者一覧
コスティン・ライウ(Costin Raiu)
Global Research and Analysis Team(GReAT) ディレクター
チムール・ビヤチューエフ(Timur Biyachuev)
アンチマルウェアリサーチ部 ディレクター
クラウディオ・マルティネリ(Claudio Martinelli)
ラテンアメリカ地域経営責任者
トム・ハバード(Tom Hubbard)
グローバルデジタルマーケティング担当バイスプレジデント
アレクサンダー・エロフィーエフ(Alexander Erofeev)
戦略マーケティング担当バイスプレジデント
アルフォンソ・ラミレス(Alfonso Ramirez)
イベリア地域経営責任者
川合林太郎(Rintaro Kawai)
株式会社カスペルスキー代表取締役社長
アレハンドロ・アランゴ(Alejandro Arango)
広報部長
ニキータ・シュベツォフ(Nikita Shvetsov)
最高技術責任者(CTO)
アレクサンダー・モイセーエフ(Alexander Moiseev)
チーフセールスオフィサー
エフゲニア・ナウモヴァ(Evgeniya Naumova)
コーポレートセールス部長
タンギー・ドゥ・コートポン(TanguyDe Coatpont)
フランスおよび北アフリカ地域経営責任者

※『勝負を分ける10分間:Kaspersky Labの20年間の洞察と経験から』の英語版フルバージョンは、こちらからご覧いただけます。

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