そのオンラインの求人広告は偽モノかもしれません

驚くほど条件の良い求人話を持ちかけられたことはありませんか?実は詐欺かもしれません。

実在しない「ニセの仕事」は、実は何世紀も前からありました。シャーロック・ホームズも、アーサー・コナン・ドイルの小説『赤毛連盟』の中で嘘の仕事話に出くわしています。実際の詐欺師の手口もまるで小説のように巧妙ですから、求人情報や仕事の依頼を受け取ったら注意深く分析しないと、損をすることになるかもしれません。

インターネットやSNSでコミュニケーションをとり、仮想通貨が出現し、最近ではリモートワークをする人が急増したことで、残念なことに、求人詐欺のような悪質な犯罪を企むのに必要な条件が揃っています。この記事では、よくある詐欺の手口と、求人詐欺で騙されないように注意すべきポイントについて解説します。

主な騙しの手口

多くの場合、詐欺師は、人材派遣・紹介、人材コンサルティングや、採用を行う一般企業など、人材を求めるあらゆる企業になりすましています。そして、求人情報検索サイト(CareerBuilder、Headhunterなど)やビジネス用SNS(LinkedIn)、また、直接メールなどで求人情報を発信しています。ZoomやTeamsでの面接、「求人企業のサイト」でのフォーム入力、SlackやBitrix24に用意された初出勤時の情報などは、一見するとそれらしく、本当の仕事のように見えます。場合によっては大手企業から「採用」の通知を受信することあります。しかし、遅かれ早かれ、勤務時間や業務経験以上のものが求められることになります。

有料の研修

特殊なアプリケーションやツールを使用する仕事の場合、必要なトレーニングコースを就業前に自費で受講することが求められ、そのためのリンクが送られてくることがあります。「採用企業」が初月の給与支払い時に受講料分の経費精算を行うと約束してくれる場合もありますが、実際には「トレーニング」が終了すると、採用企業との関係も終わります。それらしく見えるように、採用企業とは異なる、外部の「トレーニングプラットフォーム」が使用される場合もありますが、それも同じスキームで用意されたものに過ぎません。自費でトレーニングを受講する必要があるのは、大きな赤信号です。真っ当な採用企業であれば、重要なスキルやその裏付けとなる資格が求められる場合は「採用前に」伝えておくものであり、求められる条件を満たしていなければ、そもそも採用されません。

資格の取得や取得準備

前述に似たもう一つの手口は、実在する仕事の人材紹介・人材派遣に見せかけるものがあります。特定の資格または採用試験が必要な仕事の場合に、その人材会社の「トレーニングコース」を受講することで確実に就労できるという詐欺です。自費でトレーニングを受けると、なにがしか学ぶことはあるかもしれませんが、求職の助けにはならず、その後の保証はありません。これはアメリカの政府・自治体系の仕事でよくある手口です。

就職支援

いかにもそれらしい転職エージェントになりすまして話を持ちかける手口も頻繁に確認されています。実際に職を求める人を見つけては、理想的な就職先を短期間で紹介することを約束し、それに対して一定の金額を請求します。エージェントが魅力的な仕事を見つけてくることもありますが、人材を求めているその企業の名前を教えてもらうには、金銭が要求されます。その案件の詳細など聞く必要などありません。一般的に人災を募集する際は、雇用する側が人材を探すためにお金をかける仕組みになっており、雇用される側がお金を払うようになっていません。エージェントが応募者に金銭を要求する場合は、詐欺の可能性が高いでしょう。

機材や消耗品などの購入

このケースでは、あなたは仕事に採用されたと伝えられます。しかし、その業務には特定のツールや機器、または仕事専用のノートパソコンが必要になります。それを各自が特定のサイトで購入する必要があり、その費用は初月の給与支払い時に精算されることになっています。この手口に引っかかった場合はもちろん、購入品も給与も手に入ることはありません。

さらに巧妙な手口もあります。先日、LinkedInでとあるマーケティングスペシャリストが体験談を語りました。彼はもっともらしい採用のプロセスを経て、個別のオンライン面接、人事担当者とのオンライン面談を行い、新しい仕事の有償トレーニングコースにもアクセスできるようになったうえで、仮想通貨市場に関する市場調査の仕事を割り振られました。この仕事を進めるには、まず、指定のオンライン取引所でビットコインを購入する必要がありました。彼は何かおかしいと感付くと、一旦中断するように言われ、同時に仕事用のノートパソコンを選ぶように言われました。そのノートパソコンの代金を自費で支払うことになっている書類を見て、やっと自分のやり取りしている相手が詐欺師だと確信するに至ったのです。

商品の送付

簡単な在宅の仕事を紹介されるケースもあります。商品を受け取って、チェックを行い、返送するというものです。多くの場合、梱包を解き、付随するさまざまな書類を処理する必要があります。この手法では、被害者が別の詐欺に加担させられます。たとえば、盗んだクレジットカードで不正に購入した商品の転売などです。月末になっても、給与は支払われず、商品も届かなくなります。そうこうするうちに、玄関口に警察がやって来るかもしれません。詐欺による購入被害の調査では、配送先住所が重要な手がかりの1つになるからです。

商品の転売

仕事の紹介ではなく、小さなビジネスを持ち掛けられることもあります。高額の電子機器や人気の商品を半額で購入して、正規の価格で販売できるというものです。この手口は非常に単純で、まず、当然のように前払いで商品を購入すると、何も送られて来ないか、いかにも安物の模造品が届きます。

よくあるフィッシングの手口

応募者の個人情報を収集するためだけに、採用のプロセスが利用され、集めた情報が別の詐欺行為に使われる場合もあります。その場合、応募者には採用通知が届き、一般的な入社手続きの書類が送られてきます。自宅住所、連絡先情報、雇用保険番号や年金番号、給与振込先の口座情報などの詳細な個人情報の記入が求められますが、その書類を返送すると、その会社とは連絡が取れなくなるというわけです。

求人詐欺を見抜く方法

  • 真っ当な企業は志望者に金銭を要求しません

これが基本であり、大原則です。備品購入代金、研修費用、認定資格の資料購入費用、登録費、保証金など、名目が何であれ、自費負担を求められた場合は、その「雇用主」が詐欺師であることを示す大きな、明らかな証拠です。

  • 真っ当な企業は条件が厳しいものです

比較的難易度が高く、給与水準の高い仕事に一度の面接で通ったとしたら、よく考える必要があります。採用や就業までの日程にあまりにも余裕がない場合も、疑った方がよいでしょう。また、よい仕事であるにもかかわらず、応募者の経験年数や実績、資格条件などに関して、大した採用条件が提示されないのは、おかしなことです。

  • 詐欺師は有名企業の名前で釣ろうとすることがあります

人材紹介会社やコンサルティング会社から、大手一流企業や行政機関の仕事を斡旋されることがあります。こうしたことは実際にありますが、その採用担当者が本当にその会社に在籍しているかどうか、また、少なくとも1回は採用先企業の社員が同席する面談があることを確認しておくことが重要です。

採用企業とエージェントの評判もチェックしておくとよいでしょう。「エージェント名」+「詐欺」や、「採用企業名」+「求人詐欺」、「人材紹介会社名」+「口コミ」などの組み合わせでインターネットを検索してみましょう。

また、採用企業の公式サイトの求人情報も参考になります。提示された条件の求人が掲載されているか確認しましょう。

  • 詐欺ではフィッシングの手口がよく使われます

求人の質問票や求人広告が掲載されているのが企業の公式サイトになりすました詐欺サイトかどうかを判断するには、通常のフィッシング対策のヒントが役立ちます。偽の人事担当者の送信元アドレスは、企業のアドレスのように見せていても、実際はフィッシング用ドメインでホストされているアカウントやGmailなどのフリーメールのアカウントが使われていることが少なくありません。

もちろん、常に注意を怠らず、リンクやアドレスの確認をするのは大変なことで、夢のような仕事に舞い上がってしまうとなおさら、うっかりすることもあるでしょう。そこで、”フィッシング用リンクをチェックする専用ツール[“/placeholder]を利用することが重要になります。このようなツールを使用していると、悪質なリンクを開こうとしたときに警告が表示され、ブロックされます。

  • 採用企業はどうやってあなたの情報にたどり着いたのでしょうか

この疑問に対する答えも重要です。自分から探していないのに、魅力的な求人情報が思いもよらず舞い込んだ場合は、それだけで疑わしいと言えます。もし本当に仕事を探していて、求人サイトに自分の経歴や連絡先を登録している場合、本当に採用したい企業だけでなく、詐欺師もコンタクトを取ってくる可能性があります。気を付けましょう。

  • 事前に個人情報を出さないようにしましょう

通常は、就業初日に雇用契約書を取り交わします。銀行口座の情報など、

細かな個人情報を事前に確認された場合、その情報は提供しない方がよいでしょう。

  • 信頼できる人に相談しましょう

欠員・求人の情報と、採用担当者からの連絡内容を、だれか信頼できる人に見てもらいましょう。自分では見逃していたことに、第三者なら気付く場合もあります。ほんの少しでも疑う気持ちがあるのなら、セカンドオピニオンを聞いてみると必ず参考になります。

  • 将来の勤務先について再確認しましょう

人材を募集している企業ですでに働いている人が知り合いにいれば、会社について質問したり、親しい人に話を聞いたりしてみましょう。あなたがやり取りしている「採用担当者」のことを社内の人が知らない場合や、あなたの面接が予定されている職位・業務で求人が出ていない場合は、警戒を強める必要があります。

詐欺師の手口は巧妙になる一方なので、この最後のアドバイスが非常に重要になってきます。名前のよく知られた求人情報検索サイトで、説得力のある求人情報を見つけ、3回の面接を受けたうえで、結局は詐欺の求人だったということもあり得ます。思わぬ出来事から身を守るには、警戒心と一般常識をもって判断し、個人的な知り合いに確認を取るのが一番の方法です。

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