移動先でも簡単に機密データへアクセスできるようになると同時に、攻撃者による盗難リスクも高まる現在、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)はますます重要な存在となりました。そこで今回はVPNの基本をおさらいしたいと思います。
- VPNの仕組み:VPNは、インターネット上のユーザーとデータとの間、またはユーザーと Web サイトとの間を安全に接続し、データを暗号化して交換できるようにする技術です。ユーザーはシステム上(もしくは最近増えているタブレットやモバイルデバイス上)でVPNポータルを開くか、VPNのWebサイトにアクセスしてVPN接続を確立します。これにより、コンピューターとネットワークの通信はVPNによって安全に保護されます。
- VPNを使う理由:ほとんどの人は、VPNは出張者やリモートワーカー用に会社が定めたツールで、業務データを守るために利用するものと考えているかもしれません。しかし、今や事情は異なり、VPNはあらゆる場面で活用されています。たしかに、出張者や膨大な量のデータをダウンロードする人にとっては特に有用ですが、基盤にあるのはデータを確実に常時保護できる最適な方法だという考えです。安全なネットワーク内で業務を行う人にとって、VPNは追加のセキュリティ対策になります。一方で、出張先を仕事場にして公共のWi-Fiを使う人は、VPNを利用することが大変重要となります。攻撃者はカフェやホテル、空港などで無防備な人たちを狙いますが、VPNがあれば身を守ることができます。
- VPNの選定:VPNには、無料のものから有料のものまで、さまざまな種類があります。いずれにしても価格は極端に高いわけではなく、月5~10ドルが目安でしょう。有料VPNで最も人気があるのは、Hamachi、Private Internet Access、Astrillです。無料 VPN で人気が高いのは、Shrew Soft、Comodo Unite、Hamachi ベーシック(無料版)です。
注意事項:他のセキュリティ対策と同様、最も安全と言われるVPNにも悪用されるリスクがあります。また、悪意のあるファイルをダウンロードしてしまうと、安全が保証できなくなります。そのため、メールやダウンロードしたファイルを開封するとき、リンクをクリックするときは、普段以上に注意してください。そして、VPNに100%の安全を期待するのではなく、強力なセキュリティ製品を導入してください。たとえば、カスペルスキー インターネット セキュリティ(カスペルスキー 2013 マルチプラットフォーム セキュリティに同梱)は、オンライン上で安全に活動できるようユーザーを保護するほか、VPNの有無を問わず攻撃者から守ってくれます。