日曜の朝、Kaspersky Dailyの編集者からメッセージが飛んできました。「しばらく前に、子ども向け知育ゲームに関する記事を書いてもらったでしょう?あの記事自体はちょっと古くなってしまったけれど、あのトピックは今こそ必要とされていると思うんです。百万単位の家族が自主隔離して共存しようとしている、今こそ。新しいのを書きませんか?」
ソーシャルディスタンシング—社会距離戦略*—で私たち家族が驚いたことの一つは、さまざまな境界線があいまいになってきたことです。平日と休日はほぼ同じようですが、何か新しいものが出現しました。ある種の、ハイブリッド的な時間です。私たちはこれまでと変わらず労働や勉強の務めを果たしていますが、一方で、通勤通学関連で食われていた時間をたっぷりと手にしています。
私が「有益なゲーム」とでも言うべきものを前回リストアップしてから、4年を超える年月が経ちました。その間、教育者は新たな理論や指導法を展開し、アプリ開発者は新しいアプリをリリースしています。私の子どもたちは少し成長し、新しいゲームもいくつか手に入れました。
しかし、コンピューターゲームに対する私の考え方は変わっていません。電子ゲームは生活に浸透していますから、これを否定することは現実を否定すること—子どもたちに現実的な戦略的”非”優位性を負わせることです。
ゲームについて言えば、抵抗しても無駄ではあるが、諦めるのではなく主導権を握って管理する方が良いと考えています。私たち大人は、楽しいアプリやゲームを使って、テクノロジーが私たちの「ためになる」(その逆ではなく)のだと示しながら、コンピューターは何のためのものなのかを子どもたちに学ばせることができます。
もちろん、禁断の果実が一番おいしいのだと言う人はいるでしょう。子どもたちをどのようにゲームと引き合わせるか、どのようにゲームプレイを管理するか、決めるのは保護者であるあなたです。しかし、デジタル世界における子どもたちの活動には何らかのコントロール手段が必要であることに、私たちは気付いています。大人の世界と同様に、依存症、社交性の欠如、通り魔の可能性など諸問題があちこちに潜んでいるのです。ですから、果実は親子で一緒に味わいましょう。ただし、時間その他の制限を設けるのをお忘れなく!検討すべきポイントとしては、ゲームのジャンル、人と人とのやりとり、そしてもちろん、スマートデバイスとの私たちの関係における基本事項(サイバーセキュリティのルールなど)があります。
忙しいときには、デジタルネイティブである子どもたちに好き勝手させたくなるかもしれません—あなたはリラックスできる時間を、子どもたちは心地よい空間でプライバシーと自由を手に入れます—しかし、その心地よさは見せかけではないでしょうか?今続いているソーシャルディスタンシングの期間は、あなたの知識と子どもたちの知識を出し合って共に過ごすチャンスです。それも、安全に。
ここにご提示するのは、私たち家族がそろって楽しんでいる、子どもたちもお気に入りの、知的なモバイルゲームと興味深い教育的なアプリです。
1. 中身はなに?
これはどうやって作ったの?これは?こっちのはどうやって動くの?子どもの頭の中は自然科学に関する疑問でいっぱい。あなたがもう仕事をしているはずの時間にも、こぼれだしてきます。
Learny Landが提供する楽しく啓発的なシリーズは、子どもたちから浴びせかけられる質問のプレッシャーからの解放を目指しています。
- 物はどのように作られるの?(Android、iOS)
- 宇宙には何がある?(Android、iOS)
- フォースが共にあらんことを (iOS)
- What Were Dinosaurs Like? (Android、iOS)
- 人体はどのように機能しますか? (Android、iOS)
2. 論理パズル
脳細胞に活を入れるのは、大人にとっても子どもにとっても有益です。実を言うと、『REBUS』は私のお気に入りで、飛行機での移動中にプレイして気分転換しています(※訳注:「Rebus」とは日本語で「判じ物」、文字や絵画に隠された意味を当てるなぞ解きのこと)。開発元いわく、判じ物を解くことは「あなたの頭脳にひらめきの快感をもたらします」。もっと言えば、判じ物とは、論理的な連想から視覚的なパズルを解くというものなのです。
何日間も考えさせられるほど一筋縄ではいかない問題もありますし、ピーナッツの殻を割るように次々と解けるものもあります。この両方を備えているからこそ、既存の枠には捕らわれない、組み合わせによる発想を養う良き訓練となっているのです。これにはまだ少し早い子ども向けには『AZZL』があります。iOS版だけですが。
3. 昔ながらのアーケードゲーム
懐かしい!『ディグダグ』『ロードランナー』『テトリス』『パックマン』など、年代物のタイトルが新たなゲームとしてよみがえりました。あれから数十年、私たちが共に育ってきたゲームは今も健在です。色あせない傑作にはゲームプレイの原動力が息づいています。
- Digger Hero (Android)、ディガー2015(iOS)
- Lode Runner Classic (Android、iOS)
- Tetris (Android、iOS)
- PAC-MAN (Android、iOS)
4. 見つけて謎解き
チェコのデベロッパーであるAmanita Designのゲームは、驚くほど作りこまれた細部、活気あふれるキャラクター、魅惑的な魔法の世界が際立っています。
1980年代、1990年代の冒険ものの世界観でデザインされたゲームをプレイしていると、頭脳の歯車がこれまでにないパターンで回されていき、習慣的に繰り返される問題解決法が打ち破られていくのが感じられます。『CHUCHEL(チュチェル)』では簡単すぎるなら、同スタジオの別タイトル『Samorost 3(サモロスト3)』『Machinarium(マシナリウム)』『Botanicula(ボタニキュラ)』を。小さいお子さんは 『Pilgrims』にトライしてみましょう。
- CHUCHEL(チュチェル) (Android、iOS)
- Samorost 3(サモロスト3) (Android、iOS)
- Machinarium (マシナリウム) (Android、iOS)
- Botanicula (ボタニキュラ) (Android、iOS)
- Pilgrims (iOS)
5. 神のごとき力
神であることは容易ならざること。さまざまな別世界の「しるし」をもって主人公の行動を駆り立てる『Pavilion』は、ゲーム作者が「四人称視点のパズルアドベンチャー」と位置付けるとおりの世界観です。これ以上、的確な表現は思いつきません。個人的には、このゲームに4ドル支払ったのを後悔したことは一度もありません。
6. Lumino Cityを訪問
巧みに作られた冒険ゲームといえば、『Lumino City』もお気に入りの一つです。
このゲームは「似たゲーム」として『Pavilion』の下に入れることもできたのですが、そうやって埋もれさせる気にはなれませんでした。このゲームの驚くべき美的感覚と舞台セットは、ありったけの感覚を動員して注目するに値します。開発者たちは、実質的に自分たちだけの記念碑的建造物を築き、1970年代と1980年代の人形アニメ映画を継承したスタイルに仕立てたのです。手始めに、メイキング動画(『Making of Lumino City』)を見ていただくといいかもしれません。とにかく素晴らしいです!
Lumino Cityが気に入ったら、その前編にあたる『Lume』もチェックしてみましょう。原稿執筆時点では、App Storeで無料配布されています。
7. さらにその先へ
Playdeadの『INSIDE』は、昔ヒットした『LIMBO』の作者が手がけたゲームで、小さな男の子が来世で繰り広げる冒険の物語です。薄気味悪く感じるかもしれませんが、ゲームから目が離せなくなります。子どもがプレイしている横で、大人はこのゲームの芸術性を堪能する、というのも良いものです。
8. びっくりするような独創性
子どもが『CHUCHEL』や『Lumino City』をクリアし、『REBUS』を簡単に解くようになり、『Pavilion』や『INSIDE』にはまり込みだしたら、『Gorogoa』をインストールするときです。これは並はずれたゲームプレイ原動力を持つ、独創的なパズルアドベンチャーです。
少なくとも私は、このようなものを今まで見たことがありませんでした。正直に言って、最初の数分間はぼうぜんとして何が何だか理解できませんでした。しかし、追求すべきものとそのための方法が把握できた瞬間から…このゲームが夢に出てくるようになるかもしれません。
9. 機知に富んだ言葉
平行六面体、二等分線、重心。ピタゴラスの定理、平行な辺のない四角形、垂直二等分線。二等辺三角形、中心対称、中点。
ユークリッド幾何学に興味を示す子どもたちにお勧めなのは、楽しみながら簡単にプレイできる『Pythagorea』です。夕べ寝かしつけたのは未来の大建築家、または数学者かもしれません。
10. マインクラフト!
前回のモバイルゲーム ベスト10でトリを飾った『Minecraft』ですが、今回もこれで締めたいと思います。今回紹介するのは『Minecraft Earth』です。
それでは、健康で生産的な自主隔離期間を!あなたの、そしてご家族をはじめとする身近な方々の安全をお祈りしています。
*この投稿を読んでいる未来の方へ:私がこの記事を書いている2020年3月下旬、多くの国々が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を食い止めようと、厳しい対策を講じていました。社会距離戦略、いわゆるソーシャルディスタンシングはそのような対策の一つで、他人との接触を必要最低限にし、自宅からリモートワークをしようというものです。