2018年2月5日

VPNの選び方

ヒント プライバシー 製品

「VPN」という言葉は、ある程度の市民権を得ているようです。VPNは「Virtual Private Network(バーチャルプライベートネットワーク)」の略語です。これまでにKaspersky Dailyでは、VPNとは何かなぜVPNが必要なのか、について取り上げました。

さて、いざVPNを使おうというとき、利用するVPNを選ぶことになるわけですが、選択肢は多数あります。この記事では、VPNサービスのプロバイダーを選ぶポイントを見ていきます。

はじめに

VPNをわかりやすく説明するなら、「トンネル」という表現が一番でしょう。トンネルの一方の端には皆さんのコンピューターがあり、もう一方の端にはサーバーがあります(VPNの「出口ノード」とも呼ばれます)。コンピューターは持ち主であるあなたのものなので、セキュリティについて責任を負うのはあなたです。しかし出口ノードはVPNプロバイダーのものであり、使用する暗号化アルゴリズムやVPNプロトコルを選ぶのはプロバイダーなので、サーバーとトンネルのセキュリティはプロバイダーの責任ということになります。

またプロバイダーは、VPN経由で送信されるデータを管理する立場にもあります。ですから、信頼できるプロバイダーを選びたいところです。信頼性を見極めるポイントは、プロバイダーがトラフィックの傍受や改変をしていないか、データを記録していないか、信頼できるプロトコルと強力な暗号技術を使用しているか、などです。もう少し詳しく見ていきましょう。

1. 信頼できるVPNプロバイダーを見分けるには

市場参入から日が浅いプロバイダーは避けましょう。業界での経験が長いほど、信頼できる可能性が高くなります。

2. どのVPNプロトコルを選ぶべきか

利用できるVPNプロトコルのうち、いくつかをこちらの記事で紹介しています。安全性の高さや処理のスピードは、プロトコルによってさまざまです。詳しく説明すると大変な情報量になるので深掘りしませんが、突き詰めれば次の1点に尽きます。
「PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)を使用しているプロバイダーは避け、OpenVPNを採用しているプロバイダーを探すこと」

PPTPは古いプロトコルで、一般に安全性が低いと考えられています。これに対し、OpenVPNは比較的新しいVPN実装です。安全性も信頼性も高く、さらにはオープンソースであるため、セキュリティホールがないかどうか頻繁にチェックされています。

3. 出口ノードの数と場所を気にした方がよいか

一般にVPNプロバイダーは複数の国に出口ノードを設置していますが、場合によっては自動的に出口ノードが選択されます。出口ノードの数と場所に注意すべきかどうかは、何のためにVPNを必要としているのかによります。

カフェなどで無料Wi-Fiを使用する際にプライバシーとセキュリティを確保することが目的であれば、どのような出口ノードでも構いません。一方、自分のいる国で利用できないWebサイトやサービスにアクセスしたいのであれば(たとえば中国を旅行中にTwitterやGoogleを利用する場合など)、当然そのWebサイトへのアクセスが許可されている国に設置された出口ノードが必要です。特定の国からアクセスする必要がある場合は、プロバイダーがその国に出口ノードを設置していることを確認しなければなりません。ですから、サーバーの数と設置国が多いほど良いと言えます。

VPN利用に関するもう1つのポイントは、見かけ上の自分の所在国を変更したいかどうかです。自動選択になっていると、地理的に最も近いサーバーが選択される場合がほとんどですから、自分が現在いる国のサーバーが選ばれる可能性が高いでしょう。

4. VPNプロバイダーがトラフィックを記録していたらどうなるか

VPNプロバイダーの中には、利用者がアクセスしたサイトを記録してその情報を保存しているところもあります。その情報を第三者と共有する場合もあり、要は、的確な相手に広告を表示したいと考える誰かに利用者のプロフィールが売り渡されているのです。

そこで利用する側としては、「使用許諾契約の内容を読む」という普段省略しがちなことに時間を使う必要があります。以下の3点を確認しましょう。

  1. このVPNプロバイダーはトラフィックを記録するのか
  2. 記録するのであれば、プロバイダーは記録を保存するのか
  3. プロバイダーはその記録を他者と共有するのか

最も安全なのは、データを一切記録しないプロバイダーを選ぶことです。

5. 優秀なVPNの利用にかかるコストは

無料でVPN接続を提供するプロバイダーもあれば、制限付きで無料接続が可能なところも、最初から有料のところもあります。どれを選ぶべきでしょうか?

「タダより高いものはない」と言いますが、VPNも例外ではありません。無料でVPNを利用する対価として、あなたは自分のデータを渡すことになるのです。たとえば、Opera Softwareのブラウザーには無料VPNが搭載されていますが、厳密にはVPNではなくプロキシであり(英語記事)、利用者の閲覧データが記録されて広告の表示に使用されます(英語記事)。プライバシーを重視するのであれば、無料VPNは正しい選択とは言えなさそうです。

VPNプロバイダーは、一定の期間またはデータ量まで無料で利用できる体験版を用意しています。気になるVPNサービスがあったら試してみて、満足いくようであれば有料版に切り替えるとよいでしょう。無料体験版はそのためにあるのですから。

カスペルスキー セキュアコネクションについて

VPNプロバイダーに求める要件は、まとまったでしょうか。自分のニーズに合ったものを選ぶ際には、こちらの比較表(英語サイト)が参考になります。

最後に、Kaspersky Labの「カスペルスキー セキュアコネクション」を少々ご説明したいと思います。カスペルスキー セキュアコネクションは、カスペルスキー インターネット セキュリティカスペルスキー セキュリティのWindows版プログラム)に組み込まれていますが、単体での利用も可能です。ここまでに見てきた項目に照らし合わせると、以下のようになります。

  1. プロバイダーとしての信頼性:当社には20年以上の業界経験があります。
  2. プロトコル:安全で信頼できるOpenVPNプロトコルを採用しています。
  3. 出口ノードの数と場所:出口ノードは20か国以上に設置されています。有料版では、どの国からWebサイトにアクセスするかの選択が可能です。
  4. トラフィックの記録:記録しません。
  5. 価格:有料版の場合、月額480円(税込)、年額2,900円(税込)と、比較的手頃な設定となっています。1日あたり200MB(月間6GB相当)まで使える無料版もご用意しています。

なお、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。どのプロバイダーか、また、どういう形態で記録が行われるかにかかわらず、VPNの目的はプライバシーの保護であり、匿名性の確保ではありません。匿名性を求めるのであれば、Torを使用するか、TorとVPNを組み合わせて使うか、といった方法を取ることになります。このほか、VPN使用時に利用者の情報を漏らす可能性のある、ブラウザーのCookieなどを管理することもお忘れなく。

カスペルスキー セキュアコネクションの無料体験版は、こちらからダウンロードできます。