スマートフォンにはウイルス対策製品が必要だろうか?5年くらい前であれば、この問いが成立したかもしれません。でも、モバイルマルウェアによる攻撃が急増している近年の状況では、もはや断言してもいいでしょう。Androidスマートフォンにはウイルス対策製品が必要です。問題は、自分のAndroidスマートフォンに最適な製品をどのように選ぶかです。
Android搭載のスマートフォンまたはタブレット向けセキュリティ対策アプリの選び方ポイント
最近のモバイルセキュリティ製品は多様な機能を備えるようになり、単なるウイルス対策製品の域をはるかに超えています。そのため、これ以降は「ウイルス対策製品」ではなく「セキュリティ製品」と呼ぶことにします。とはいえ、インターネットセキュリティ製品の機能の中でウイルス対策機能が重要な地位を占めることに変わりはありません。
セキュリティ製品の良し悪しを決めるのは何でしょうか。Android向けセキュリティ対策アプリの評価には、複数の要素が絡みます。ありがたいことに、複数の第三者評価機関がセキュリティ製品をテストして、さまざまな要素に基づいた評価を公表しています。そこで、各要素を見てみましょう。
検知率
セキュリティ製品は、スマートフォンに侵入しようとするあらゆる脅威を捕捉する必要があります。ですから、第三者機関によるテストでは、非常に高い検知率を誇るアプリ、つまりテスト中に可能な限り多くの脅威を検知・阻止できたアプリが高評価を獲得します。たとえば、第三者評価機関であるAV-TEST(英語記事)によると、カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidは、リアルタイムでのAndroidマルウェアの検知率が99.9%、過去4週間に発見された最新のAndroidにおける脅威については100%の検知率でした。なお、業界の平均は98%です。
誤検知率
もう1つの要素は誤検知率です。実際には脅威ではないのに、誤って警告を発してしまう頻度を表しています。先ほどと同じAV-TESTのテストによれば、カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidが誤検知したのは、Google Playで公開されている2,385種類の安全なアプリのうちの1つだけでした。また、サードパーティストアの正規ソフトウェアが対象の場合は、誤検知がありませんでした。
ユーザビリティ
続いて、ウイルス対策アプリの動作の速さと、Androidスマートフォンのパフォーマンスやバッテリー持続時間への影響です。テストでは、ユーザビリティとして評価されます。悪意ある動作が何も進行していない状態ではウイルス対策アプリの存在に気付かないくらいが理想ですから、当然、速くて軽いセキュリティ製品ほど良いとされます。
機能セット
先ほどもお伝えしましたが、Android用セキュリティ製品にはウイルス対策機能だけではなく、他にも多数の機能が含まれています。そうした機能も、製品選びの大事な検討材料です。モバイルセキュリティ製品には、だいたい以下のような機能があります(AV-TESTもこうした機能があることを想定しています)。
- 盗難対策 — デバイスを紛失した場合や盗まれた場合に、リモートでデバイスをロックしたり、中のデータを消去したりする機能。
- 安全なブラウジング — 悪意あるページがブラウザーで読み込まれないようにするプラグイン。
- ペアレンタルコントロール — 子どもがデバイスを使用する時間を親が制限したり、特定のアプリに子どもがアクセスできないようにしたり、デバイスからアクセスできるインターネット上のコンテンツをフィルタリングしたりする機能。
- バックアップ — デバイス上の写真や他の大切なデータなどのバックアップを作成する機能。
- 暗号化 — デバイスの中身を暗号化するオプション、またはVPNトンネルを確立してインターネット接続を保護する機能。
カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidは、盗難対策、安全なブラウジング機能、有害サイトブロック機能(※ペアレンタルコントロールの一種)を備えています。
ペアレンタルコントロール、バックアップ、暗号化については、カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidとは別に、対応するアプリをご用意しています。カスペルスキー セキュアコネクションは、VPNサービスのアプリです。Kaspersky Safe Kidsは、他社製品にはない機能も豊富に備えた、多機能なペアレンタルコントロールシステムです(Kaspersky Safe Kidsの日本語での公開については未定です)。
まとめると、Androidスマートフォンに最適なセキュリティ製品の要件は、検知率が高く、パフォーマンスやバッテリー持続時間への影響が少なく、誤検知がほとんどないもの、となります。こういった要素に基づいて各種セキュリティ製品を比較するのに役立つのが、第三者評価機関による評価です。代表的なのはAV-TEST、AV Comparatives、PCMag(いずれも英語サイト)で、これら機関のWebサイトでは情報が頻繁に公開されています。こうしたテストのデータを参照し、ウイルス対策以外の機能の有無や要不要を検討して、自分に合ったセキュリティ製品を選びましょう。
Android向けモバイルセキュリティ製品は有料版にするべきか無料版で十分か問題
セキュリティ製品は有料のものが多いのですが、無料で使えるAndroid向けセキュリティ製品もあります。有料版を買うべきかどうかは、製品をどう使うかによります。カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidの有料版と無料版を例に取りましょう。
基本的に、有料版の場合は、インストールしたら後はアプリがすべてやってくれます。新しくダウンロードしたファイルも、初めてアクセスしたサイトも、すべて自動的にスキャンされます。しかし、無料版の場合は、新しいアプリをインストールするときも、新しいファイルをダウンロードするときも、その度に自分で(手動で)スキャンを開始しなければなりません。
こういった操作が苦にならないならば、無料版で十分でしょう。Android向けの無料のアンチウイルス製品はここからダウンロードできます。スキャンを毎回手動で開始するのが面倒であれば、自動でやってくれる有料版を使用したほうがいいかもしれません。
カスペルスキー インターネット セキュリティ for Android の有料版を使用する場合は、上記と同じカスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidのダウンロードリンクにアクセスしてから、アプリ内購入の手続きに進んでください。
どんなコンピューターにもセキュリティ対策が必要なのと同じように、Androidにもセキュリティ対策が必要です。第三者評価機関のテスト結果も参考にしながら、自分のニーズに合った製品を選んでみてください。