お金がなくて回線を契約できない、引っ越したばかりで回線が開通していない、Wi-Fiを使えない友達の家にいる。こうした経験は誰にでもあります。そんなとき、近隣で利用できるネットワークを調べてみれば、Wi-Fi(パスワードが設定されていないWi-Fiならなお可)のある家が4~5軒は見つかることでしょう。簡単にログインできて、使ったところで誰も気付かず、誰も損はしない、…そう思いますか?
こうした行為は犠牲者なき犯罪のように見えますが、間違ってもやってはいけません。平たく言えば、これは窃盗。ご近所さんがホームネットワークをパスワードで保護していないのが愚かな行為であるとしても、です。Wi-Fiを「拝借」せず、自分用のWi-Fiに料金を払うべき理由をいくつかご紹介したいと思います。
悪意にご用心
「無料」のWi-Fiを使うなら、注意が必要です。偽の無料Wi-Fiネットワークを仕掛けた犯罪者が、ネットを使おうとしただけの無防備な人から認証情報を盗む可能性があります。こうした事件が起きがちなのは、都心に近いコーヒーショップ、ショッピングモール、公園など、人が集まる場所ですが、Wi-Fiネットワークに「スーザンの自宅」という名前が付いていても、それが本当に近所のスーザンのWi-Fiだと言い切ることはできません。
もしかすると、クレジットカードやNetflixやSNSのアカウントへの不正アクセスを目論む近隣の誰かが設置したネットワークである可能性も、十分にあります。
セキュリティの落とし穴
近隣のネットワークにパスワードなしで侵入できたとしたら、実際にどの程度セキュリティが配慮されているのかも考える必要があるでしょう。あなたがアクセスできるなら、誰でもアクセスできるのですから。
公共のフリーWi-Fiを不用意に使うのは危険です。一方で、自宅で使っているWi-Fiのほうはちゃんとセキュリティを考慮した設定になっていますか?休みを利用して見直してみるのもいいかも。 http://t.co/6CNDKnDEfr pic.twitter.com/Ydv0R3QDU4
— カスペルスキー 公式 (@kaspersky_japan) April 29, 2015
セキュリティについて言えば、近隣のネットワークに乗っかるということは、ご近所さんの「セキュリティ対策」に自分のデバイスを託すということです。そのネットワークに悪質なマルウェアが感染して潜んでいたなら、あなたのデバイスに飛び火する可能性だってあります。
あなたのアンチウイルス製品がきちんと検知してくれることを願うしかありません。
スピードは望めない
ストリーミング視聴中の映画がバッファリングモードで止まってしまう。当然、こんな騒ぎは避けたいところです。せっかくの気分も台無しですし。
近隣のWi-Fiにタダ乗りするなら、ネットワーク速度に文句があっても状況を受け入れるしかありません。たとえば、近所の家族がNetflixで映画を視聴しつつ、子供はゲームで遊び、ご主人は携帯電話のアプリを片っ端からダウンロードし、アップデートをしているとします。この状況であなたがファイル共有サイトから楽曲リストとテレビ番組をダウンロードしようとしても、たいしたスピードは期待できないでしょう。
高い料金を払っているのだから、と文句を言いたいところでしょうが、ちょっと待ってください。よく考えてみれば、ちゃんと料金を支払っている近所の人が、あなたのせいでネットワーク速度に害を被っているのです。
顔の見えない群れ
誰もが大好きなピザやアイスクリーム。正直なところ、無料でおいしい食べ物を差し出されたら、そう簡単には見過ごせません。何かしら「無料」のものに対する反応はそんな感じでしょうが、近隣のWi-Fiもその1つ。おそらく、近隣の保護されていないWi-Fiという「ごちそう」を見つけた人は、あなた以外に少なくとも1人はいる可能性が大です。
残念なことに、この小さな「ごちそう」に群がるのは、1人だけではないことでしょう。友達、ピザ屋、アイスクリームのトラックの運転手などなど、大勢が分け前にあずかっている可能性があります。この話は、保護されていないWi-Fiネットワークはもちろんのこと、推測されやすい脆弱なパスワード(たとえば、「スーザンのWi-Fi」アクセスポイントのパスワードが「Susan」だったり)が設定されたWi-Fiネットワークにも当てはまります。
無料で利用できる公共Wi-Fiは、とても便利な存在ですが、セキュリティ面には注意が必要です。公共Wi-Fiを使うときの8つのヒントをぜひご参考に! https://t.co/cBA1fMstT4 pic.twitter.com/jyLPnEuJHG
— カスペルスキー 公式 (@kaspersky_japan) December 28, 2015
問題は、誰がネットワークを使っているのかわからないことです。セキュリティの鎖の中でWi-Fiが最弱点なら、あなたはまさに賭けに出たようなもの。怪しいリンクを開いて他の人を感染させたり、マルウェアをインストールしたり、はたまた他人の認証情報を盗んだりするような人がいないことを願うしかありません。
本当にその価値はある?
実際、デバイスにはあらゆるものが保管されています。それこそ仕事の情報から、家族の写真やデジタル形式の思い出の画像まで何でも。自分用のWi-Fiの料金を支払いたくないからといって、本当にそのすべてを危険にさらせますか?
私なら、答えはNOです。近隣のWi-Fiを「拝借」するのは違法というだけでなく、かなり無謀な行為でもあるのです。
さあ、すぐにWi-Fiプランを購入し、そのネットワークを強力なパスワードで保護しましょう。また、デバイスにアンチウイルス製品をインストールして、インターネット利用時の保護を強化してください。お勧めはカスペルスキー マルチプラットフォーム セキュリティです。この製品には、デバイスの保護に役立つ機能が数多く用意されています。タダ乗りを考えている友達がいるなら、この記事をぜひシェアしてください。また、Wi-Fiの盗用にまつわる体験があれば、お知らせください。