プライバシーの保護が気になる方へ、新たな選択肢の登場です。メッセンジャーアプリ「Facebook Messenger」に導入された、秘密のスレッドです(英語記事)。
「秘密のスレッド」は、AndroidまたはiOSでMessengerを使っている人なら誰でも使用可能な、エンドツーエンドのメッセージ暗号化機能です。暗号化するかどうかは、利用者自身で選択します。秘密のスレッドを利用できるのは1対1の会話に限られます。また、過去のチャットにさかのぼって暗号化されることはありません。つまり、ある同僚とそれまで何か月もMessengerで会話していたとしても、過去の会話が秘密の暗号化スレッドに変わるわけではなく、新しい会話スレッドが別途、開始されます。また、タイマーを設定することで、最短で5秒後にメッセージを自動消滅させることもできます。
Facebookに巨額買収されたチャットアプリ、WhatsApp。Facebookアプリとの情報共有が始まったようです。共有されたくない!という場合は、こちらのヒントをどうぞ。 https://t.co/7qCJ15tTkR pic.twitter.com/heXh98vgmg
— カスペルスキー 公式 (@kaspersky_japan) September 15, 2016
ただし残念ながら、Facebookには複数のデバイス間で暗号化キーを管理するインフラストラクチャがないため、秘密のスレッドを利用できるのは1台のデバイスまで。また、AndroidデバイスとiOSデバイスでしか使えません。
これは単なるSnapchatのクローンだとか、WhatsAppのデータ共有の回避策であるなどと批判する声もありますが、10億人超のFacebook Messenger利用者(メッセージ暗号化アプリを使うことに興味がないかもしれない人々)のプライバシーを新たなレベルで保護するための手段と見ることもできます。
秘密のスレッドを使用するには
秘密のスレッドの使用を開始するには、まずモバイルデバイスでFacebook Messengerを開きます。ここでは、Androidデバイスを使って手順を説明しますが、iOSでも手順はほとんど同じです。
- 右上にある人の形をしたアイコンをクリックします。表示された画面で、[秘密のスレッド]が表示されるまでスクロールします。
- [秘密のスレッド]をオンにします。確認メッセージが表示されたら[OK]を選択して同意します。注:トグルボタンを切り替えれば、いつでもこの機能をオフにできます。
- 会話を始めます。いつものFacebookメッセージと同じように、青い[+]ボタンをクリックします。
- 秘密モードに切り替えます。会話の相手を選択する前に、右上のスイッチを右側にスライドします。こうすると、画面が秘密モードになり、このメッセージから、新しい秘密のスレッドが始まります。
この手順のどこかで問題が発生することがあります。たとえば、Facebook Messengerでオンラインになっていない人に暗号化されたメッセージを送ろうとすると、チャット画面にエラーメッセージが表示されます。
正常に機能していれば、このようにチャットが進んでいきます。
(Alex:シークレットタイムだよ…)
(Alex:イェーイ)
ご覧のように、私たちはわくわくしながら、世界中のチームメンバーとこの機能を試しました。
試す中で、暗号化されたメッセージにはAndroid/iOSではないデバイスからアクセスできないこと、メッセージの有効期限を設定しておくと期限が過ぎたメッセージはぼやけて読めなくなることが確認できました。
(Unknown:で、エンドツーエンドで暗号化されているのはどうやって判るんだ)
(Unknown:この会話を君のラップトップでブラウザーから開いてみてよ)
(Alex:(画像))
(Alex:見えない)
最後に、絵文字について。秘密のスレッドでも絵文字は使えます。言葉では言い表せないことを伝えたいときのために。