Facebook Messenger:すべてを統べる新プラットフォーム

2015年3月31日

モバイル技術の状況について調べたNielsen1年前のレポートによれば、各種モバイルデバイスの利用者の間には、1つの共通点があります。モバイルデバイスの利用に費やす時間の約40%が、SNSとメッセージングに分類される活動だったのです。このレポートからは、ブラウザーを利用する人よりアプリを利用する人の方が圧倒的に多いことが読み取れます。平均的なFacebookユーザーがアプリからFacebookにアクセスした場合の滞在時間は、ブラウザーから場合の10倍以上でした。

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Facebookの月間アクティブユーザーの8割は、モバイルデバイスからアクセスしています。この意味するところは?そう、Facebook Messengerは、一部から不評を買っているかもしれませんが、それでも同社にとって何よりも重要なアプリだ、ということです。

先日発表されたFacebook Messengerに関する変更は、モバイル市場を根底から覆すことになるかもしれません。ザッカーバーグ氏は、多数の人気アプリに対し、Facebook Messenger王国の領土内で活動することを正式に認めました。つまり、こういう話です。7億人のアクティブユーザーが、自分たちが(おそらく)一番よく使うアプリから離れずしてGIFアニメや動画を会話に追加できるようになるのです。ショッピングも、その他のオンライン活動も、Messenger内で簡単にできるようになるでしょう。計り知れない商機です。

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この分野では、アジアが他の地域を一歩リードしています。アジアの人気メッセージングプラットフォームでは、タクシー配車、オンラインショッピング、決済、動画視聴など、豊富な機能がすでに利用可能です。先日開催されたFacebookの開発者会議(F8)の基調講演を革新的で画期的な内容だと思った人は、LINEWeChatをチェックしてみてはいかがでしょうか。

Facebook Messengerのプラットフォーム化によって、サードパーティアプリは事実上(一部で予想されていたように)、特定分野に特化した小型の検索エンジンとなり、その分野内での検索は指先ひとつで済むようになります。SNS競争で後れを取っているGoogleは、間違いなく苦しい立場に立たされるでしょう。必要なものを探し、コピーし、元に戻り、コピーした内容を貼り付け…とモバイルアプリ間を行ったり来たりするのは、実に不便なものです。

どのプラットフォームにおいても、Googleは莫大な額の売り上げを逃すことになる可能性があります。Androidの市場シェアがどれだけ100%に近いとしても、よく使われるハードウェアとソフトウェアの組み合わせをどれでも利用可能で、十分な数のスタッフを擁する有力なメッセージングプラットフォームの方が、市場シェア獲得という目標をずっと楽に達成できるように思えます。

利用者にとっての朗報は、健全な競争の下では2つめのメッセンジャーを導入するのにお金がかからないことです。スマートフォンをもう1台買うとなれば、お金がかかりますし、ネットワーク契約も必要になり、余計に電気を使うことにもなります。一方、Appleの取るべき道は、顧客を夢中にさせるハードウェアを作り続ける方向です。技術と同じくらい、マーケティング、スタイル、ファッションを重視する道です。

ソフトウェアが世界を飲み込む、という古い主張を長年繰り返す向きの人は、有力なソフトウェアが下位のソフトウェアを飲み込む場合もあるということに目を向けるべきでしょう。