私たちはよく昔を振り返ります。今ほど心配事もなく、もっとシンプルな生活を送っていたあの頃…一方、この20年を思い返してみると、私たちの生活は以前より複雑になっていますし、不安材料もはるかに多くなりました。小さな子や10代の子供を持つ人に聞いてみてください、きっと同意すると思います。
現代のテクノロジーは、無限大の世界と常につながる状態を作り出しました。そのため、世界で最も難しい仕事である子育ては、いっそう難しくなりました。
この傾向は、Kaspersky Labでよく取り上げる話題の1つです。そこで、常にネットとつながっていることが子供たちの日常生活でのコミュニケーションやテクノロジー活用にどのような影響を与えているのか、当社では調査を実施しました。題して「Growing Up Online」という調査です(英語資料)。
手始めとして、子供たちが親に何を隠しているのかを調査しました。この調査結果は、親としては少し不安になるかもしれません。
#Poll for #Parents
Do you know everything your kids do online?#parenting— Kaspersky (@kaspersky) April 5, 2016
このグローバル調査によると、8~16歳の44%は、ネット上での行動に関して何らかのことを親に隠していると回答しました。この数字は、14~16歳では51%に上昇します。そう、50%以上です。しばらくの間、この数字についてじっくり考えてみましょう。
さらに気になる調査結果があります。危険を伴う可能性のある行動を子供が隠していることに気付いていない親が、70%に上るのです。危険である可能性のある行動の中身は、有害コンテンツへのアクセスやネットいじめ、不適切な人物とのネット上での会話など、さまざまです。
こうした数字が出ているものの、まったく希望が失われたわけではありません。グローバル調査に参加した子供のうち75%は、オンラインに潜む危険について親に相談できれば安心すると回答しています。
私たちにできること
何より大事なことは、親としてなすべきことを学び、ネット上に潜む危険について子供たちに知識を与えてくれる適切な手段を探すことです。特定サイトの使い方を順を追って教えることも、その1つかもしれません。ある意味、親は人生の手本となるだけでなく、ネット上の行動でも模範的な存在であるべきです。性の基礎知識ではありませんが、それと同じくらい重要な話なのです。
このほか、Kaspersky Safe Kidsなど、子供たちのオンライン活動をモニタリングするためのツールを検討してもよいでしょう(日本語での公開は未定)。こうしたツールは子供たちがアクセスするURLやチャットルームを逐一監視するためというよりも、アクセスするべきではないサイトにアクセスしたときにアラートを通知するためのものです。
親がモニタリングしていることは、子供たちに正直に伝え、禁止のサイトにアクセスした場合は話し合いが行われると教えましょう。同時に、子供たちは成長して大人になる過程にあるわけで、さまざまなことを自分自身で学ばなければなりません。このサイトとこのサイトにアクセスするのはよくないことで、それぞれにそれだけの理由(著作権侵害である、内容が過激である、など)がある、と教えるのは親の仕事です。
調査の結果にショックを受ける方もいるかもしれませんが、親として良い刺激になるでしょう。子供たちと常に関わりを持ちながら、物事の善悪を教える良い機会でもあります。こうした関わりは何物にも代えがたく、子供たちが将来、私たちにとっての孫を育てるときの手引書づくりに役立つかもしれません。