CODE BLUE 2015:将来のサイバーセキュリティを担う人々

サイバーセキュリティをテーマとした日本発の国際会議『CODE BLUE』。若手人材育成の新たな試みとして今回は講演者の年齢を24歳以下に限定したUnder-25講演枠が新設され、賛同するカスペルスキーは学生12名を無料招待しました。

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※(2015/11/19)学生の皆さんからの感想を追記しました。
※(2015/11/20)学生の皆さんからの感想を追記しました。

サイバーセキュリティをテーマとした日本発の国際会議『CODE BLUE』が、2015年10月28日・29日に開催されました。世界各国から集まったセキュリティ専門家が研究の成果を発表するこの国際会議では今回、講演者の年齢を24歳以下に限定したUnder-25講演枠が新設されました。

日本を狙うAPT攻撃「ブルーターマイト」の活動が大きく報じられたのは、つい数ヶ月前のことです。これまで大規模なサイバー攻撃を受けてこなかった日本がピンポイントで狙われるという、新たな局面を迎えています。また、2020年東京オリンピックの開催を控え、日本ではサイバーセキュリティ人材の発掘と育成が急務とされています。人材問題は、日本だけの話ではありません。サイバー脅威が高度化しながら数を増す中、サイバーセキュリティを担う人材の不足が世界的にも課題となっています。

CODE BLUEでUnder-25枠が設けられたのは、グローバルに活躍できるセキュリティ人材育成への貢献を願ってのことです。初回開催のCODE BLUE 2013以来エメラルドスポンサーとして協力を続けてきたカスペルスキーは、この若手セキュリティ人材の発掘と育成の趣旨に賛同し、日本国内在住の24歳以下の学生をCODE BLUEに無料招待しました。

日本各地から12名の学生たちが、CODE BLUE会場に集結しました。カンファレンスの各セッションを聴講するだけでなく、講演者やその他技術者などカンファレンス参加者と交流する機会があることも、彼らにとって大きな魅力だったようです。特に、海外から参加している著名な研究者から直接話を聞くチャンスがあることや、同世代のU-25講演者との交流に期待する声がいくつもありました。カンファレンス最終日の夜に講演者と来訪者の交流の場としてネットワーキングパーティが設けられていましたが、それに加え、カンファレンス初日にはカスペルスキー招待枠の学生たちにU-25講演者の2名を加えたランチ懇談会が設けられました。
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今回のCODE BLUEは、基調講演以外は同時刻に2トラック開催となりました。初日は比較的大枠の話が中心、2日目は細かい技術の話が集中していますね…などと感想を漏らしながら、学生の皆さんは、どのセッションに参加するか絞り込みに悩んでいました。ほとんどの人はCODE BLUE参加は初めて。中には、去年に引き続き参加という人もいました。

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「セキュリティキャンプで同期でした」と再会を喜ぶ学生たちと講演者の小池氏(中央)

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「一番聴きたい講演ですか?これです、『現実世界での機械学習によるアノマリ検知システムの構築と回避』」

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一口に「サイバーセキュリティ」と言っても、さまざまな切り口があります。プログラムのバグチェックに一番の興味を持つ人、Web系セキュリティについて知識と情報を吸収したいという人、法的側面からサイバーセキュリティを支援したいという人…志や方向性は異なりますが、一様に熱の高さが感じられたのが印象的でした。すでにアルバイトで解析の仕事をしているという学生さんもいました。

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サイバーセキュリティに造詣の深い高橋弁護士と話し込む

初日の主催者発表に拠れば、500名の来場を見込んでいたところ最終的に600名を超えたとのこと。会場には海外からの来場者やセキュリティ業界関係者の顔も多数見えましたが、無料招待枠で参加した12人以外にも、学生らしき若い人々の姿がありました。年々規模が拡大するCODE BLUEに、日本のサイバーセキュリティの確かな歩みが反映されているように感じます。また、今回の取り組みが若い人材の飛躍のきっかけとなることを、願ってやみません。


 

追記:CODE BLUEに参加した学生の皆さんから、後日、感想をいただきました。ご自身の進路や研究課題にとって、また人脈作りの機会として、有意義な場となったことがうかがえて嬉しいかぎりです。皆さんの今後の活躍を心より願っています。

※感想の一部をご紹介します

・志望動機として挙げた3つの事柄は達成でき、自分にとってある意味人生を変えるような経験をさせていただいたと思っています。ありがとうございました。これからも情報セキュリティはもちろんそれ以外のここで学んだことも生かして、周りに還元できるように頑張ります。

 

・セキュリティに携わる実務家の方とも直接お話しすることができ、非常に有機着な時間を過ごすことができました。

 

・様々な分野の方とお話して次に自分は何をするべきか、どんな知識を身につけるべきかを再確認することが出来ました。

 

・自分はサイバーセキュリティに関しては政策や法規制の面からしか知識を持っていないのですが、そのような前提のなかでも今回の会議で様々なテーマについての講演を聞くことができました。今後はセキュリティ関係の企業での就職活動や研究について従事していくことも進路の一つの選択肢として考えていきたいです。

 

・今まで参加費が高く手が出なかったので、今回学生支援枠を設けていただいてとても感謝しています。いろいろ興味深い講演を聴講できたので、今後の研究、活動につなげていきたいです。

 

・国内の勉強会や学界では得られないような情報が多数得られた。中国や韓国などのセキュリティ事情の話は、スケールが大きくCODE BLUEに参加しなければ得られない情報だったと思う。

 

・今回はまたとない機会を与えて頂きカスペルスキー様にはとても感謝しています。有難う御座いました。CODE BLUEは参加料が学生にとって壁になりがちですので、今回の招待を来年も続けて、意欲のある若者に勉強の機会を提供していただけると幸いです。

 

・U-25枠のスピーカー2人や今回カスペルスキーさんの枠でCODEBLUEに参加した学生や学生スタッフなど、同年代のセキュリティに興味がある方々とも交流ができたことは自分にとって貴重な経験になりました。ぜひ来年もCODEBLUEに参加したいと思いました。

 

・改めてセキュリティという枠の広さを知ることができ、また広すぎるが故にユニークな点を突き詰めることによってその分野の第一人者になることも不可能ではないということも感じました。私もCODEBLUEの様な場所で講演できるよう今まで以上に楽しみながら努力していきたいと感じました。

 

・同じ学生支援枠の学生でも、専門や興味が違い、面白い話を聞くことができました。また、U-25枠の講演者とお話しすることもでき、非常に良い刺激になりました。さらにネットワーキングパーティーでは、多くの企業の方々と交流することで、自分の将来を考えるきっかけになりました。

 

・初日にランチセッションを設けていただいたため、U25のスピーカーの方々や学生支援枠で参加した方々と交流ができ楽しい時を過ごせました。最後のパーティでは、私の気になる企業の方々と名刺を交換でき、企業の現状を聞けたのでよかったです。

 

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