第三者評価機関のテストとKasperskyが受けた賞について

セキュリティ製品の評価は、どんな組織がどんな方法で実施しているのでしょうか?過去1年のテストと賞について。

市販のセキュリティ製品は多く、パフォーマンステストの結果や第三者評価機関のレビューを見て回るのはなかなか大変です。どのベンダーも自社製品の優位性をうたっている中、自分にとって一番よい製品はどうやって選んだらいいのでしょう?ウイルス対策以外にパスワードマネージャー、VPNといった重要な機能のことも考えたいし、コンピューターの処理速度やゲームへの影響も気になります。Macを使っている場合はどうすればいいでしょうか?

セキュリティ製品に関するレビューは、ネットを探せばいくらでも見つかります。ただ、レビューを書いた人がサイバーセキュリティにどれほど詳しいかは人によりますし、人それぞれに偏見や先入観があります。多様な消費者が実際に何を求めているのかを理解している程度も、人によって異なっていることでしょう。

幸いなことに、サイバーセキュリティ関連のテストを専門とする国際的な第三者評価機関が、客観的なテスト結果を公開しています。こういった機関では、個人向けのウイルス対策製品、企業向けのセキュリティ製品、ペアレンタルコントロール製品、パスワードマネージャーなど、あらゆる種類のセキュリティ製品をテストします。

評価機関

世界的に評判の高い大手評価機関はいくつかありますが、中でも特に著名なのは以下の3つです。

  • AV-Comparatives:評判の申し分ない、オーストリアの第三者評価機関。20年以上にわたってセキュリティ製品のテストを実施しています。
  • AV-TEST:ITセキュリティ分野に特化したドイツの第三者評価機関。セキュリティ製品のテストを15年以上にわたって実施しています。
  • SE Labs:この業界に参入してまだ5年という英国の評価機関ですが、創設者のサイモン・エドワーズ(Simon Edwards)氏は著名なセキュリティエキスパートです。アンチウイルステストのビジネスに携わって四半世紀となる同氏は、実環境での攻撃シナリオを初めてテストに取り入れた先駆者の一人でした。

セキュリティ製品評価方法、使用する基準、重視する点が分かれば、どの評価機関のどの賞を参照したらよいのか分かりやすくなります。そこで、各機関が実施するセキュリティ製品テストについてまとめました。

AV-Comparativesのテスト

AV-Comparativesは、1年を通じ、さまざまな基準に基づくテストを数多く実施しています。例えば、ラボ環境での一般的なマルウェアの検知・駆除を見るテスト、実環境での保護性能を見るテスト、パフォーマンスに関するテスト、複合型の脅威に対する保護を見るテスト、誤検知に関するテストなどがあります。

これらテストの総スコアに基づいて、3つの年間賞「Product of the Year」「Outstanding Security Product」「Top Rated」のいずれかが与えられます。でも、どれが最高賞なのでしょうか?

名前だけでは判断できません。例えば「Top Rated」は名前から連想するような「トップ」ではなく、第3位に相当します。最優秀賞に当たるのは「Product of the Year」です。ただ、その年に最高スコアを獲得したのが1製品だけならばその製品が「Product of the Year」となりますが、複数の製品が最高スコアを獲得した場合は、個別のテスト結果を基にAV-Comparativesが年間最優秀製品を選出、または、最も長く賞を獲得していない製品に栄誉が与えられます。その場合、他の優秀製品は「Outstanding Security Product」のタイトルと第2位の地位を分け合います。

効果的な保護とパフォーマンス

2020年度は、カスペルスキー インターネット セキュリティ(カスペルスキー セキュリティに同梱のWindows対応プログラム)がAV-Comparativesの「Product of the Year 2020」を受賞しました。この製品はすべてのテストで優秀な成績を収め、手強い競合製品を賞の数で上回りました。このほか、以下のとおり各部門で多数の年間賞を獲得しています。

  • Real-World Protection 2020, GOLD Award — 誤検知を最小限に抑え、現実の脅威に対して優れたパフォーマンスを発揮したことが評価されました。
  • Advanced Threat Protection 2020, GOLD Award — ファイルレスな脅威と既知および未知のソフトウェア脆弱性を突くエクスプロイトに対する高い保護性能が評価されました。この要求の厳しいテストでカスペルスキー インターネット セキュリティがGOLD Awardを獲得するのは、2年連続です。
  • Lowest False Positives 2020, SILVER Award — すべてのテストで誤検知が最も少なかったことが評価されました。誤検知が少ないということは、製品が誤って正規のプログラムに反応することがほぼないことを意味します。
  • Malware Protection 2020, BRONZE Award — ほとんど誤検知を起こさずに一般的なマルウェアを検知できたことが評価されました。
  • Best Overall Speed 2020, BRONZE Award — 最適なレベルの保護を維持しながら、システムパフォーマンスへの影響を最小限に抑えた点が評価されました。ウイルス対策製品はコンピューターの処理を遅くすると言われることもありますが、少なくとも当社製品に関してはそうではないことが実証されました。

AV-Comparativesではこのほか、各種テスト結果に基づいて、セキュリティ製品のそれぞれに「Standard」「Advanced」「Advanced+」のレベルを割り当てています。同機関は、「Standard」レベルの製品でも高品質ではある、ただ何らかの改善すべき点があるということだ、と述べています。一部の製品カテゴリー(Mac向けやAndroid向けのウイルス対策、ペアレンタルコントロールなど)では、これらのレベルが適用されず、テストに合格した製品はすべて「Approved」を獲得します。

カスペルスキー インターネット セキュリティは、年間を通じて全テストで「Advanced+」の評価を獲得しました。

AV-TESTのテスト

AV-TESTは「Protection(保護)」、「Performance(パフォーマンス)」、「Usability(使い勝手の良さ。誤検知率)の3分野でセキュリティ製品を評価します。各テストは6点満点です。AV-TESTは、最新の脅威と最も一般的な脅威の両方のサンプルを使用して、コンピューターの保護レベルをテストします。

各テストのテストサイクルは2か月間。一連のテストで獲得したスコアが合計17.5~18(最高18)だった製品が、「Top Product」の評価を獲得します。異なる複数のOSでシステムを保護する製品と、非常に専門的なセキュリティ製品については、テストが別途実施されます。

ベストアンチウイルス:Windows

カスペルスキー インターネット セキュリティのWindows版(カスペルスキー セキュリティに同梱のWindows対応プログラム)は、過去1年以内に実施された6回のテストのうち4回で最高スコアを獲得。他の2回もほぼ満点(17.5)でした(英語レポート)。同製品は6回すべてで「Top Product」を獲得しました。この評価が始まった2016年以来、継続的にTop Productとなっています。

一方、当社の法人向け製品であるKaspersky Endpoint Securityは、6回中1回で満点に0.5点ほど及びませんでしたが、他の回では完璧な成績を収めました(英語レポート)。この製品も「Top Product」賞を6回すべてで獲得、4年連続でトップの地位を堅持しています。さらに、年間のテスト結果に基づき、3年連続で「Best Performance」賞を受賞しました(英語レポート)。

ベストアンチウイルス:Android

カスペルスキー インターネット セキュリティ for Androidは、2020年の6回のテストサイクルのうち5回で、また、現時点では2021年唯一となる1回目のテストで、最高の結果を示しました(英語レポート)。さらに、マルウェアの検知に関しては、毎月のテストで最高スコアを獲得する一方、テスト用機器のパフォーマンスに対する影響は常に最小限でした。

ベストアンチウイルス:macOS

カスペルスキー インターネット セキュリティのmacOS版も、過去1年の間に好成績を収めています(英語レポート)。参加したすべてのテストで、AV-TESTの最高評価を獲得しました。

ベストVPN

カスペルスキー セキュアコネクションもVPNのテストでその価値を証明しています(英語レポート)。テスト寸評では、大陸間通信および匿名接続でのデータ転送速度で最高評価となり、トレントネットワークでも最高のスループットを記録したことに言及しています。

ベストペアレンタルコントロール

ペアレンタルコントロールのテストには、Windows 10向け、Android 8向け、iOS 12.4向けのKaspersky Safe Kids (日本では未発売)が参加しました(英語レポート)。3つとも「APPROVED Parental Control Software」の認定を獲得しています。この認定は、基本的な機能をすべて備えていて、好ましくないコンテンツを最小限の誤検知でブロックすることのできた製品に与えられます。

SE Labsのテスト

SE Labsは、ワークステーション向けセキュリティ製品を対象に、四半期ごとの調査を定期的に実施しています。その一環として行われるのが「Protection Accuracy Rating」と「Legitimate Accuracy Rating」という2つのテストです。

各製品には、テスト結果に基づいて、総合的なスコアが与えられます。「AAA」が最高位で、「AA」「A」「B」「C」と続きます。SE Labsでは「Total Accuracy Rating(全体の精度定格)」も算出しており、アルファベット評価が同位である2製品を比較するときはこのスコアが重視されます。

総合的な保護

カスペルスキー インターネット セキュリティはこの1年で、SE Labsの個人向け製品の四半期テスト(Home Anti-Malware Protection Awards)全4回で「AAA」評価を獲得しました(英語)。Total Accuracy Ratingでも継続的に首位となっています。

なお、個人向け製品だけでなく、法人向け製品もテストに参加しています。Kaspersky Endpoint Security for Businessは「Best Enterprise Endpoint」賞を獲得、大企業のワークプレイス保護における「Product of the Year」となりました。Total Accuracy Ratingに関しては、Kaspersky Endpoint SecurityもKaspersky Small Office Securityも2回トップに立っています。

まとめ

セキュリティ製品の選択には、当然ながらさまざまな要因が影響します。それは、ありふれた広告かもしれませんし、友人や家族のアドバイスかもしれません。しかし、この問題に真剣に向き合うなら、国際的な第三者評価機関による評価は、特定の製品を選択するに当たって重みのある要素となります。だからこそ、当社は外部の第三者評価機関が実施するテストに積極的に参加しており、今後もこの姿勢を継続する意向です。当社にとって、これは単なるマーケティング戦略ではありません。外部の専門家の意見が、当社の技術とソリューションを客観的に品質管理する上で役立っています。

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