レポート:「セキュリティとモラルのガイドブック」を使った伝え方のトレーニング

カスペルスキー刊行の「セキュリティとモラルのガイドブック」に基づいたスライド資料と講師向けガイドを使った、セキュリティについて教える立場の方々向けセミナーが開催されました。

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スマートフォンが普及し、私たちの生活がインターネットとの結びつきを深めている今、サイバー犯罪はこれまで以上に他人事ではなくなってきました。こうした状況を受け、株式会社カスペルスキーでは、サイバーセキュリティについて知っていただくためのハンドブック「セキュリティとモラルのガイドブック」を刊行し、お配りしています。

このガイドブックを使ってセミナーを開催したい、もっと内容を詳しく説明したい、との声をいただき、ガイドブックを踏まえたセミナー用スライドと講師用の指導ガイドを、当社およびセキュリティ対策推進協議会(SPREAD)は共同で作成しました。これら資料を活用いただくための講師向けトレーニングがSPREAD様主催で実施され、カスペルスキーもこれに協賛しました。

「セキュリティとモラルのガイドブック」は、インターネットやデジタル機器を利用する日常のさまざまなシーンを取り上げ、チェックポイントをまとめたものです。カスペルスキーのセキュリティエヴァンゲリストである前田典彦が、監修にあたりました。このハンドブックを元にしたセミナー用スライドおよび講師用指導ガイドは、(ISC)²の認定講師である淵上真一氏が作成してくださいました。モラルについてもしっかりとしたセキュリティの知識や考え方を取り入れた、実践的な内容となっています。

今回の「伝え方セミナー」の講師は、資料の作成者である淵上氏です。日頃からインターネット利用に関して学生たちの相談に乗り、数々の講演も行っている同氏は、豊富で多彩な経験を交えながら、丸一日に及ぶセミナーを主導してくださいました。

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ご存じのとおり、ネット上も実生活と同じように多様な危険が潜んでいます。「それはわかる。じゃあ、結局どうすれば良いの?」…この「結局どうすれば良いのか」を解決する方法をどう伝えるかを学びましょう、というのが本セミナーの主眼のひとつです。

本セミナーには、SPREADの情報セキュリティサポーターを中心に、全国から40名近くが参加しました。資料スライドは、「偽のショッピングサイトに騙されない」「メールの添付ファイルはいきなり開かない」など、全部で26の具体的ポイントをカバーしています。自分が講師となってそれぞれのポイントを実際に伝えるときは、具体的な行動や事例を挙げると、聞き手の耳に入りやすくなります。淵上氏は各ポイントを印象づける具体的なエピソードやデータを紹介し、受講者の皆さんは時々笑い声も上げながら熱心に聞き入っていました。

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長時間に渡るセミナーでしたが、受講者の皆さんは集中を途切れさせることなく臨んでいたようです。受講者としてのモチベーションの高さもさることながら、淵上氏の軽妙な語り口と無駄のない話の流れ、ときおり挟まれる冗談が、場をほどよく和ませ集中力を持続させていたと感じました。おそらく、受講者の皆さんが実際に講師として壇上に立つときも、この経験がヒントになるのではないでしょうか。

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おやつタイムでリフレッシュ

セミナーの最後に淵上氏が語った言葉が印象的でした。「何かを変えるときには、ひとりひとりが変わらなくてはならない。今日は、人を変える皆さんが集まったと思っています。皆さんは、ここからがスタートだと思います」

今回のような伝え方のセミナーをもっと多くの人に受講させてあげたい、という声がいくつかありました。継続実施について、SPREAD様と共に検討中です。

なお、「セキュリティとモラルのガイドブック」および講師向けスライド&資料については、非営利の目的であれば無料でご利用いただけます。

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