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ソーシャルメディアの世界では、近年多くのプラットフォームが生まれ、それらにはユーザーのニーズに合わせて様々な機能が拡充され進化し続けています。新しいプラットドームは、いったん注目を集めては消え（Clubhouseはご存知でしょうか？）、ユーザーも入れ替わり、各国政府は新たな規制の導入に頭を悩ませています。たとえば、ショート動画のソーシャルメディア、TikTokが、世界中で圧倒的多くのユーザーを抱えるFacebookやInstagramのような巨大なプラットフォームに代わり、多くの国で全面的または部分的に禁止されるようになるとは誰が想像したでしょうか。
世界最大SNSのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏（Facebook、Instagram、Threads）とイーロン・マスク氏（X、旧Twitter）の間で公然と繰り広げられる小競り合いも、彼らのパントマイムも、プラットフォームの安定性という点では何のプラスにもなりません。アナリストの予想に反して、ThreadsがTwitterに代わるSNSになることはありませんでしたが、マスク氏はTwitterを葬り去ろうとしています。彼が新しいことを導入するたびに、ユーザーは次々に去っています。少しずつゆっくりではありますが、着実にトップの座に近づきつつあるのがYouTubeです。YouTubeは単なる動画ホスティングサービスから、月間25億人のユーザーを誇り、10代の若者の95%が利用するソーシャルメディアの一大勢力へと変貌を遂げて久しくなります。LinkedInは傍観者として一息つきながら、独自のニッチなSNSとしての座を切り開いています。
このような激動のソーシャルメディアの世界に今、比較的新しい「象」がいます。それはMastodonです（読みは「マストドン」。マストドンとは、はるか昔に絶滅した毛むくじゃらの象を意味します）。Mastodonは実は新しいSNSではなく、オープンソースプロジェクトとして成長を続けてきました。
Mastodonの仕組み
Mastodonは、X（旧Twitter）に似たマイクロブログソーシャルネットワークとして、2016年に誕生しました。しかしXとは異なり、「分散型」の方針を基本としていて、単一のネットワークに属する複数の独立したサーバー（「インスタンス」と呼ばれる）で構成されており、各サーバーは相互に通信します。この仕組みにより、非常に高度なカスタマイズとコントロールが可能です。ユーザーは自分の好みや設定に合わせてインスタンスを選択し、他のインスタンスのメンバーとコミュニケーションを取ることができます。
Mastodonのインスタンスとは
インスタンスは、誰でも運用できる独立したサーバーであり、それぞれがMastodonネットワーク内の独自のアドレス、独自の管理者、独自の使用ルールを持っています。使用ルールは、一般的なルールもあれば、特定の興味、言語、地域、コミュニティに特化した独自のテーマを持つ高度で専門的なものもあります。ユーザーは、登録するサーバーを選択して、サーバーをまたいで他のユーザーをフォローしたり、任意のサーバー上の任意のアカウントからの投稿をタイムラインに表示したりできます。
Mastodonは分散型ソーシャルネットワークで、そこに属するサーバーごとに独自のルール、価値観、ガイドラインがあります。
Mastodonを立ち上げるにあたって最初に使用されたサーバーはmastodon.socialでした。このインスタンスは、創設者であるオイゲン・ロホコ氏によって作成・管理されており、非常に人気があります。
Mastodonサーバーを選ぶことは、住む場所を選ぶようなもの
Mastodonサーバーの選び方
Mastodonでインスタンスを選択する際は、以下のいくつかの判断基準を考慮して検討してみてください。
- コミュニティの規模。サーバーの登録ユーザーの数を確認しましょう。インスタンスが大きいほどコンテンツが集まっていますが、負荷が高くなり、動作が遅くなる可能性があります。
- サインアップのプロセス。すぐに登録する必要がある場合は、このオプションを検討するとよいでしょう。インスタンスによっては、即時登録が可能なものもあれば、管理者の承認が必要なものもあります。
- サーバーの場所。インスタンスはさまざまな国や地域でホストされています。アクセスしやすさと接続速度が重要な場合は、現在地に近いサーバーを選択してください。
- ルールとモデレーション。Mastodonインスタンスごとに独自のポリシーがあります。サーバーに登録する前に、そのルールを読み、それが自分の価値観や希望に合ったものであることを確認してください。サーバーのコンテンツのモデレーションはそれぞれのサーバーで行われます。そのため、サーバーによってはアダルトコンテンツを許可している場合もあり、そのようなコンテンツを閲覧しただけで法的な問題が発生する国や地域もあります。Mastodonには、ローカルルールのほかに、プラットフォーム上でできることとできないことを説明する一般的なルールがあります。これらの共通のルールに違反すると、サーバーがブロックされ、閉鎖される可能性があります。
サーバー、mastodon-japan.netのローカルルールの例
- プライバシーポリシー。インスタンスごとに公開されています。基本方針として、すべてのプライバシーポリシーに、データの収集、使用、保管、セキュリティ、および第三者との情報の共有に関する基本的な条項が含まれています。場合によっては、収集した個人データに対するユーザーの削除、修正、またはその他の操作の権利について言及した、厳格に法律を遵守しているサーバーを見かけるかもしれません。一般的に、これらはGDPRが適用されるEUのサーバーです。
- トピックと興味。特定のトピックが気に入った場合、または興味のあるコミュニティに参加したい場合は、関連するテーマ別サーバーを検索してください。
- 管理とサポート。積極的に活動する管理者やコミュニティサポートがサーバーに存在するかどうかを確認しましょう。これは、問題や質問がある場合に役立つかもしれません。
- サーバーの評判。レビューを読んだり、他のMastodonユーザーに質問したりして、インスタンスの評判について調べましょう。
既に登録済みですか？プライバシー設定を確認しましょう
登録を済ませたら、すぐに設定に進みましょう。まず、二要素認証をオンにして、投稿のプライバシーレベルを設定します。アカウントの設定として、次の3つのオプションのいずれかを選択できます。
- 公開— 誰もがあなたの投稿を閲覧できます。
- 未収載— 誰でもあなたの投稿を閲覧できますが、公開タイムラインにはリストされません。
- フォロワー限定— フォロワーのみがあなたの投稿を閲覧できます。
さらに、個々の投稿にプライバシーレベルを設定できます。
- 公開
- フォロワー限定
- ダイレクト（投稿で言及されているユーザーのみに表示されます）
アカウント全体のプライバシー設定
個々の投稿のプライバシー設定
追加のプライバシー設定によって、プロフィールでフォロワーとフォローを表示または非表示にしたり、投稿に使用したアプリを表示したりできます。後者のチェックは外しておくことをおすすめします。あなたが使用しているアプリやデバイスを閲覧者が知る必要はありません。
Mastodonの追加のプライバシー設定
このほかに、あなたを検索してフォローできるユーザーと方法を選択するための設定があります。たとえば、Mastodon内の検索結果に自分の公開投稿が表示されるようにしたり、検索エンジンで自分のプロフィールを検索できるようにしたり、Mastodon内のプロモーションに自分の投稿とプロフィールが表示されるようにしたり、フォローリクエストを自動的に承認したりできます。
さらに、設定した期間（1週間から2年）が経過したら投稿を自動削除するルール（およびその例外）を設定するオプションと、すべてのデータの完全なアーカイブをエクスポートしてダウンロードするアーキビスト向けのオプションがあります。
投稿の自動削除を設定したり、すべてのデータをダウンロードしたりできます
最後にいくつかのヒントを紹介
Mastodonは、検閲が厳しいことで有名な巨大企業に比べて、はるかに規制が少ないSNSですが、ルールや規制もあります。とはいえ、このような規制の大部分はサーバー管理者が定めています。そして、あなたが好きなサーバーを多くのサーバーの中から選択することができます。ただし、プラットフォーム全体のポリシーもあるため、投稿を公開するときは、登録している特定のインスタンスのルールとMastodon全体のルールの両方を考慮する必要があります。さらに、プライバシーポリシーには、はっきりと「法令遵守、サイトポリシーの施行、このサービスや他の人の権利、財産または安全の保護のために適切であると判断した場合に、あなたの情報を公開する場合があります。」と記されています。したがって、「投稿する前に考える」という基本的なルールは、このソーシャルネットワークにも同様に当てはまります。
セキュリティについて注意を払うことも忘れないでください。Mastodonは趣味のクラブのように思えるかもしれませんが、同じような考えを持つ人たちの中には悪意を持つ人もいるかもしれません。したがって、他のソーシャルネットワークと同様に、カスペルスキー プレミアムを利用して、すべてのデバイスでプライバシーを保護し、フィッシングや個人データの漏えいを防ぐことが大切です。
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