戦いに臨む海賊のように、身を守るために使える武器は多ければ多いほど良いと思うかもしれません。片手に短剣、もう片方の手にピストル、さらに歯と歯の隙間にナイフを挟んだ「完全武装」は、昔の戦闘では威力を発揮したかもしれませんが、常に立ちはだかる膨大な数の脅威からコンピューターシステムを保護するとなれば、そうはいきません。2つのアンチウイルスプログラムを同時に実行することは、むしろ非常によろしくないことなのです。その理由を3つ説明しましょう。
- 互いを排除しようとするから: アンチウイルスプログラムがシステム内で検索するのは、システムに関する情報を監視して送信しているプログラムです。しかし、競合するアンチウイルスプログラムもシステム情報の監視と送信を行っているため、ウイルスであると見なされてしまい、ブロックと削除の対象になります。
競合するアンチウイルスプログラムもシステム情報の監視と送信を行っているため、ウイルスであると見なされる傾向にあります。
- ウイルスを巡って争うから: アンチウイルスプログラムは、ウイルスを発見すると、ウイルスを取り除いて隔離します。しかし、競合するアンチウイルスプログラムがその隔離されたファイルを見つけると、自身の目的に従ってそれを削除して隔離しようと考え、自分で検知したこのウイルスについてのレポートや通知を繰り返し送信します。実際にはシステムにとって脅威ではなくなったファイルですが、そんなことにはおかまいなしです。誤った警告メッセージを何度も見たくないなら、こうした動作は問題になります。
- 処理能力が落ちるから: アンチウイルスプログラムはシステムスキャンやその他の関連作業を実行するために大量のシステムメモリを使用します。こうした作業が2つ同時に行われると、システムの効率が大幅に低下するか、システムリソースを完全に食い尽くされてしまい、何のメリットも得られません。2つが重複した作業を実行しているわけですから。
コンピューターを保護するにあたって、プロテクション製品を増やしてもいいことはありません。少し時間をかけて製品を調べて、総合的なアンチウイルス製品を1つ選びましょう。最新の既知のマルウェアプログラムに対抗できることが第三者機関によってテストされていて、さまざまな脅威からシステムを単独で寸分の隙もなく保護できる製品を選択してください。