ゲームをする親たち:橋を架け、固定観念の壁を打ち破る

ゲームをするママたちがYouTubeで語る!ビデオゲーム(それから、保護者)に関する固定観念を打ち壊せ。

新型コロナウイルスの大流行で人々の移動や外出が制限される中、ビデオゲームはかつてないほど人気を集めています(英語)。しかし、ゲームに対する偏見は根強く、ゲームは時間の無駄でしかないと考える人は今でも少なくありません。特に、シューティングゲームをプレイすると攻撃的で非社交的になると考えられており、実際に2018年には「ゲーム障害」が病気として分類されました(英語記事)。

ビデオゲームのネガティブなイメージが原因で、大人のゲーマーでさえ、自分の趣味のことを親に話さない傾向にあります。ゲームに一番冷たい視線を注ぐのは、やはり年配の世代なのです。それとも、これも単なる固定観念なのでしょうか?

保護者vs.ビデオゲーム

この状況の根本を探るため、当社では調査会社のSavantaに依頼して世界規模の調査を実施しました(英語レポート)。調査では、ゲームに対する保護者の考えや、その考えが家族の関係にもたらす影響について、ゲームをする若い世代の皆さんから回答をしてもらっています。

調査に参加した人の4分の1以上が、ゲームが趣味であることを親には隠していると回答しました。さらに、ほぼ半数の人が、ゲームについて保護者と話をする機会があれば、生活が良い方向に変わるだろうと答えました。

ではなぜ、ゲームについて話をしないのでしょうか?話したところで、自分たちの趣味を否定的な固定観念に当てはめられるのがおちだと思っているからです。多くの保護者が、ビデオゲームは不健康で、肥満不眠症といった健康障害の原因になると考えています(リンク先はいずれも英語)。コンピューターゲームは「脳を腐らせる」という俗説もあります。回答者の中には、年配の世代はゲームを暴力的すぎると考えているという意見や、親がネットいじめについて心配するといった意見もありました。

ゲームにまつわるトラブル

保護者が抱くこのような疑念は、すべてが事実無根かと言うとそうではありません。例えば、ゲーム内でのいじめは確かに問題であると多くの回答者が認めていますし、チート行為をする人とトラブルになったことがあると答えた人もいます。

詐欺のことも、忘れるわけにはいきません。ゲームアカウント、中でも貴重なアイテムを保有しているアカウントは特に、乗っ取りの標的になりやすいものです。家族で話し合うことで、このような状況から引き起こされるストレスを少しは軽くできるかもしれません。

ゲームの良い面

このように懸念事項はありますが、ゲーマーの大半は、ゲームから来るストレスよりもゲームで発散されるストレスのほうがはるかに大きいと感じています。それだけではありません。俗説に反し、ゲームは論理的思考を育むと共に集中力の持続時間を延ばすので、知性や判断力の維持に役立つ可能性があります(英語記事)。さらに、日常的な技能の習得を助けることもできます。ビジネスや教育その他の場面で「ゲーミフィケーション」(ゲーム以外の環境にゲーム要素を取り入れること)という言葉が流行っているだけのことはあります。

当然ながら、売上高が年々増加しているゲーム業界では、幅広くさまざまな職種で人材を求めています。優れたゲーム開発者、ゲームデザイナー、ゲームレビュアーになれる人が、ゲーマーをおいてほかにいるでしょうか?

ゲームの良い面:保護者の考え

今回の調査結果によると、すべての保護者がゲームを敵視しているわけではないようです。ゲームには創造性を育む力がいくらかはあると、多くの保護者が認めています。また、外国語を覚えることに役立つだけでなく、高額な講座や大学の全課程を通して習得するようなコミュニケーション能力(異文化間コミュニケーションも含む)、チームワークのスキル、問題解決能力を身に付けるのにも役立つ可能性があることも、保護者たちは認識しています。

ちなみに、年配の方々は自分の子どもたち以外の情報源からビデオゲームの利点を学んでいます。おばあちゃんやおじいちゃんだって、ゲームをプレイしているのです(英語記事)。ではなぜ、ゲーマーと保護者の間には壁があるのでしょうか?

ゲームをするママたち

この壁を壊す一助とするべく、この「ゲーマーvs.保護者」の議論には、ゲームをするママたちに加わってもらいました。

以下に紹介する動画『Mums Got Game』には、3人のママが登場します。多くのフォロワーを抱える有名ゲーマーBenjufishyの母親でeスポーツのメンターでもあるアン・フィッシュ(Anne Fish)氏、ガーディアン紙でビデオゲーム関連記事を担当する編集者のケーザ・マクドナルド(Keza MacDonald)氏、同じく多数のフォロワーを持つ有名ゲーマー& YouTuberであるBehzingaの母親のルース・ペイン(Ruth Payne)氏です(リンク先はいずれも英語)。

『Mums Got Game』では、ビデオゲームが家族の生活に及ぼす影響や、ゲーマーとその親が共通の言葉を見出し固定観念を打ち破る方法について意見が交わされ、ゲーム業界やeスポーツの世界における個人の成長やキャリアの発展についても話し合われています。オンラインゲームの世界に大きな影響を与えたロックダウンも話題に上がりました。※動画は英語です

ゲームのセキュリティ

この動画に登場するママたちは、親にとって心配の種であるゲーム内でのトラブルについても語っており、そのような問題をゲーム禁止や過干渉という手段によらずに解決するためのアドバイスをしています。

私たちからも、ゲームでのセキュリティについて、いくつかヒントを紹介したいと思います。

  • ゲームのアカウントが乗っ取られることのないように、アカウントはしっかりと保護し、プレイ中はセキュリティソフトウェアを無効にしないようにしましょう。「セキュリティソフトウェア/ウイルス対策ソフトウェアを使用すると動作が遅くなる」というのも長年信じられている俗説ですが(ゲーマーの間でもよく言われているようです)、実際はというと、今どきのセキュリティソフトウェアがゲームをスローダウンさせることはありません。今年の夏、『Doom Eternal』のスピードランコンテストで世界記録が更新されましたが、この記録が達成されたのはカスペルスキー インターネット セキュリティが有効になっているコンピューター上でした。
  • 大切な我が子をネット上での攻撃から守るために、対処方法について一緒に話し合いましょう。支え合うことで家庭の雰囲気も良くなりますし、子どもたちも、いじめや嫌がらせ行為をしてくる人間に対処する言葉と強さを身に付けることができます。これは、ゲームの中だけではなく、人生のさまざまな場面においても有用です。ソーシャルディスタンスが求められ、コミュニケーションがオンラインで発生することが多い今、これは特に重要です。

ビデオゲームが、子どもとの関係を妨げる障害物ではなく、子どもと共通の関心事となることを願っています。

ヒント