デジタル大掃除で新年スタート

不要なサブスクリプションサービスのキャンセル、不要なデータの消去、脆弱なパスワードの変更など、デジタルの「大掃除」をしてスッキリした気持ちで新年をスタートしましょう。

ポジティブで実りある2024年にするために、何をするのが最善の方法でしょうか?当社では、デジタル環境の大掃除を冬に実施することを推奨しています。そうすれば、今年をより生産的に過ごすことができるはずです。不要なものを断捨離し、気が散るものや煩わしいものを取り除いて、デジタル衛生状態を改善するためのヒントをまとめました。

1. 不要なファイルを削除する

まずは基本中の基本から始めましょう。不要なファイルを削除します。簡単そうに見える作業ですが、実際始めてみると時間がかかるものです。これは単に、私たちが持っているファイルが多すぎるためです。したがって、膨大な作業量を前に気が滅入ってしまわないように気をつけましょう。たとえば、毎日削除するファイルを10個、20個、50個などと小分けにしたり、1日に数回削除する時間を設けるなど、量的、時間的に作業を分割してみてください。

捨てるべきファイルを探す主な場所は次の通りです。

  • デスクトップ―デジタル大掃除を開始する場所としては明らかな候補です。デスクトップから古いショートカットやファイルを一掃すれば、増えるのはストレージの空き容量だけではありません。整然としたデスクトップを見れば生産性も上がり、気分も上向きになるものです。
  • 「古いデスクトップ」フォルダー―たいていの場合、パソコンのSSDのどこかにこのようなフォルダーがあります(「古いディスクドライブ」や「古いコンピューターファイル」など、似たような名前の場合もあります)。そして、その中には別の「古いデスクトップ」があり、その中にもまた別の「古いデスクトップ」がある、といった具合です。気の遠くなるような話ですが、この入れ子構造のディレクトリの深淵に対処すべき時が、ついに来たのです。
「古いデスクトップ」フォルダー内の「古いデスクトップ」サブフォルダー

入れ子構造となった「古いデスクトップ」フォルダーを削除する

  • ダウンロードフォルダー―古い文書、アンインストールしてから長いこと経つプログラムのインストールファイル、10年前に保存した画像、その他のデジタル遺物。これらはもう必要ない可能性が高いので、単純にすべて削除してしまいましょう。また、パソコンだけでなく、スマホ(タブレットをお持ちの方はタブレットも)のダウンロードフォルダーも掃除することもお忘れなく。
  • スマホの写真ギャラリー―重複した写真、撮影した理由がよくわからないスクリーンショット、ポケットに入れている時の誤動作で撮影された動画をすべて削除すれば、より多くのメモリを搭載したスマホを新しく購入するタイミングを1、2年は先延ばしできることでしょう。完全な重複ファイルや類似ファイルを検索する専用アプリがここで役に立ちます。たとえば、まったく同じ画像が複数存在する場合は、1つか2つだけ残して削除してくれます。「重複」というキーワードを使用して、アプリのストアで探してみてください。
  • クラウドストレージ―「古いデスクトップ」フォルダーのケースと似ていますが、この場合はクラウドにあります。もちろん、追加のディスク容量を支払って、さらに数年分のファイルを蓄積することもできます。しかし、お金をかけるよりは、不要なファイルを単純に削除する方が良いと思いませんか?
  • コンピューター上の大きなファイルと重複ファイル―ハードドライブやSSD上のスペースをすぐに空ける必要がある場合、最も簡単な方法は、大きなサイズのファイルをいくつか削除するか、異なるフォルダーに散らばっている同一のファイルを削除することです。大きなファイルを自動的に検索するには、カスペルスキーアプリの「パフォーマンス」タブにある「サイズの大きいファイル」機能を使用できます。最小サイズと検索範囲(コンピューター全体または選択したフォルダー)を指定すると、制限を超えるサイズのファイルの完全なリストが数分後に表示されます。次に、それらを一括で削除するか個別に削除するかを選択できます。

また、「パフォーマンス」タブでは、重複ファイルを検索して削除することもできます。これらの機能(カスペルスキー スタンダードカスペルスキー プラスカスペルスキー プレミアムのサブスクリプションで使用可能)を組み合わせて使用することにより、新しいハードディスクやSSDを購入する必要がなくなるかもしれません。

不要なファイルの削除が完了したら、必ずごみ箱を空にしましょう。スマホの写真ギャラリーの場合は「削除された写真」フォルダーを空にしてください。

2. メールとメッセンジャーを大掃除する

デジタル大掃除の次の重要な段階は、メールとメッセンジャーアプリの整理です。これらを整理すると、通信に必要なスペースが削減されます。また最も重要な点として、メールとメッセンジャーの使い勝手が向上します。最初にすべきことは?

  • 未読状態のメッセージをなくしましょう。メッセンジャーアプリのアイコンの上に表示される赤丸の不気味な数字は、あなたの神経を逆なでし、新着メッセージへの適時の対処を遅らせることがあります。これにより、重要なことを見落としたり、優先順位を間違えたり、締め切りや会議に遅れたりする可能性があります。ファイルの大掃除と同様、未読のメールやメッセージの整理には時間がかかることがあります。だからこそ、ここでは着実で体系的なアプローチが最も効果的です。プロセスを小さなステップに分割してみてください。そして、毎日の終わりには常に未読アイテムを減らすことを目指してください。遅かれ早かれ、未読アイテムはゼロになります。

よく見るスマホ画面ではないでしょうか?

  • 不要なニュースレターのメールや、メッセンジャーのサブスクリプションを解除しましょう。このステップは、1つ前のタスクにも役立ちます。不要な情報フィードを取り除けば、新しい未読アイテムの数を減らすことができ、未読アイテムゼロという喜ばしい状態をより早く達成することができます。ここでは決断力が必要です。興味のないメッセージやメールをただ無視するのではなく、サブスクリプションをすぐに解除しましょう。
  • メッセンジャーの古いチャットを削除しましょう。3年前に引っ越したアパートに関する不動産業者とのやりとり、宅配業者とのやりとり、その他類似する貴重なメッセージも、ためらわずにすべて削除しましょう。
  • 大きな添付ファイルを含むメールを削除します。ストレージ容量がもうすぐ足りなくなることを告知する煩わしいメールを、プロバイダーから受け取ることはありませんか?受信トレイをすぐに大掃除する最も簡単な方法は、大きな添付ファイルを含む古いメールを削除することです。ほとんどのプロバイダーやメールソフトでは、それほど苦労せずに見つけることができます。Gmailの方法が一番簡単です。10MB以上のメールを検索するには、検索バーに「size:10000000」と入力してください。
受信トレイをすぐに大掃除する最も簡単な方法:サイズの大きいメールをすべて見つけて削除します

受信トレイをすぐに大掃除する最も簡単な方法:サイズの大きいメールをすべて見つけて削除します

  • 迷惑メールフォルダーを空にします。個々の迷惑メールは通常、それほどスペースを必要としません。ただし、しばらく迷惑メールフォルダーをチェックしていなかった場合は、大量のメッセージが届いている可能性があります。それらを削除すれば、メールボックスの限界容量に達する日をしばらくは迎えずに済むようになります。

3. 古いタブを閉じる

ここで、私たち全員が最もよく使用するプログラムであるブラウザーの掃除に移りましょう。古いタブを数年とは言わないまでも数か月間開いたままにしておくと、デバイスのメモリを消費するだけでなく、実際に必要な関連情報を見つけるのが困難になります。さらに、タブの乱立はブラウザーのアップデートに重大な障害となります。ちなみに、ブラウザーのアップデートは、デジタル衛生状態を向上する最も重要な手順の1つです。

したがって、使用中のすべてのブラウザーで不要なタブを削除するようにしてください。スマホも例外ではありません。ここで取るべき方法は2つあります。1つ目は、すぐに断固として行動し、タブの中身を気にすることなく冷酷にすべてのタブを閉じるという方法です。2つ目は、少しずつ慎重に、10~20個ずつまとめてタブを閉じ、その間に重要なものがないかチェックする方法です。実際に必要なタブは、ブックマークかタブグループに追加することができます。

ブラウザー内の不要なタブをすべて閉じましょう。重要なタブを見つけやすくなります

ブラウザー内の不要なタブをすべて閉じましょう。重要なタブを見つけやすくなります

ブラウザーの話はまだ続きますが、キャッシュも削除しておきましょう。これまで削除したことがなかった場合、その容量の大きさにびっくりすることでしょう。また、ブラウザーにインストールされている拡張機能をすべて見直すのも良いアイデアです。使用していないものがあれば、今すぐ削除しましょう。

4. 不要なサブスクリプションをキャンセルする

最近では、ほとんどすべてのオンラインサービスが、いくつかの種類を除いて、何らかの有料サブスクリプションを提供しています。そして、これらのサブスクリプションは、妥当な範囲をはるかに超えて積み重なっていく場合があります。全部でいくらかかるでしょうか?わかるはずがありませんね。真面目な話、人々はデジタルコンテンツのサブスクリプションに総額でいくら支払っているのかまったく把握しておらず、実際にかかる総額の数分の1程度に安く見積もっていることがよくあります。

つまり、不要なサブスクリプションを解約することは、経済的なメリットをもたらすだけではありません。おそらく想像以上に大きな金額を節約できることでしょう。一方、作業はそれほど単純ではありません。すべてのサブスクリプションを記憶し、それらに関する情報を収集、整理し、本当に大事なことを選び出す必要があります。そうして初めて、解除すべきサブスクリプションがどれかを理解できるようになります。また、家族が利用しているサブスクリプションがあり、家族の各種デバイスで重複している場合もあります。

5. 使用していないアプリケーションを削除する

スマホには、1年以上使用していないアプリがあるかもしれません。それどころか、まったく開いたことがないアプリもある可能性があります。これらはデバイスのメモリを消費するだけでなく、インターネットトラフィックやバッテリーを徐々に消費します。そして最も重要なことは、インターフェイスを圧迫し、スマホやユーザーのデータを収集し続けるということです。

こんなアプリを削除する絶好の機会です。1日に最低1つ、使用していないアプリを削除すれば、1か月ほどですべてなくなり、スマホのホーム画面に秩序が戻ります。

手動以外の方法もあります。カスペルスキー スタンダードカスペルスキー プラスカスペルスキー プレミアムのサブスクリプションで使用可能な「使用されていないアプリケーション」機能を使用して、WindowsコンピューターでもAndroidスマホでも、すべての不要なアプリをすぐに検知する方法があります。めったに使用しないアプリが表示され、それらをすべて一度に削除できます。

一部のAndroidアプリは保護されており、たとえ不要でもアンインストールできない場合があります。これはすべて、スマホメーカーの気まぐれによるものです。独自のブラウザーや未使用のソーシャルネットワーククライアントが、そうしたアプリに該当する場合があります。ただし、このようなアプリでもアンインストール可能な特別な方法があります。この包括的なガイドでその詳細を説明しています。

6. 不要な通知をオフにする

フィットネストラッカーであれ、電卓であれ、最近のほとんどすべてのアプリから、際限なく送られてくる通知は、デジタルライフにおける安らぎを妨げる主な要因の1つです。しかし幸いなことに、スマホの既定の設定に従い続ける必要はありません。したがって、通知の送信が許可されているアプリのリストを調べて、不要な通知をオフにすればよいことです。

Androidの通知設定

ここで考えられる解決策は2つあります。1つ目は極端な方法です。銀行のアプリ、仕事ツール、メッセンジャーなど、最も重要なアプリを除くすべてのアプリの通知を無効にします。2つ目は穏当な方法です。通知をあからさまに悪用するアプリを特定します。これらのアプリは、特に正当な理由なく通知を発する害虫のような存在なので、無効化しましょう。

重要度の低い連絡先、チャネル、チャットのメッセンジャーでの通知を無効にすることも役立ちます。また、フォーカスモードの設定も詳しく見てみましょう。これらは、Android、iOS/iPadOS、Windows、macOSなどの最新のOSすべてで利用でき、通知やその他のデジタルノイズの数を一定期間制限できます。

iOSの通知設定

iOSの通知設定

また、最近では通知を送信するのはアプリだけでなく、多くのWebサイトもこの目的でブラウザーに統合された通知システムを使用していることを忘れてはいけません。したがって、そのような不要な通知もすべて無効にしてください。ちなみに当社では、ブラウザーが些細なことでユーザーを煩わせるのを止める方法について、別のガイドを用意しています。

7. 使用していないアカウントを削除する

オンラインサービスのアカウントは、それほど重要でないものであっても、常にリスクをもたらす可能性を秘めています。アカウントがハッキングされると、詐欺、盗品のロンダリング、他のユーザーへの攻撃などに使用される可能性があります。しかも使用される名義は、すべてあなたのものです。また、クレジットカードがそのようなアカウントにリンクされている場合、損害を被る結果となる可能性があります。

そのため、アカウントを運命任せにしないのが一番です。特定のアカウントが不要になった場合は、削除するのが賢明です。大掃除のこの部分は特に難しいかもしれません。まず、作成したアカウントを思い出し、次にログイン情報を思い出し、そして初めて削除することができます。面倒ですが、そうするだけの価値はあります。

負担にならないよう、1週間に最低1つ、不要なアカウントを削除パスワードマネージャーに追加することを推奨します。そうすることで、すべてのアカウントが1箇所に集約されます。それらのパスワードは安全に保存され、数回クリックするだけでログインできます。次回の大掃除の際は、それほど手間がかからなくなるでしょう。

さらに、使用しているサービスのいずれかが侵害された場合は、パスワードマネージャーからパスワードを変更するかアカウントを削除することで、必要な措置をすぐに取ることができます。

8. 安全性が低いパスワードを変更する

パスワードマネージャーにアカウント情報を入力すると、安全でない可能性のあるパスワードが表示されます。安全でないと判断する理由は、データ流出や、複数のアカウントで同時に使用されていることなどです。

カスペルスキーパスワードマネージャーは、どのパスワードが安全でなく変更が必要かを通知します

カスペルスキーパスワードマネージャーは、どのパスワードが安全でなく変更が必要かを通知します

最初のシナリオ(既にパスワードが流出している場合)の危険性は言うまでもありません:悪意のあるアクターにパスワードを知られると、対応するアカウントのセキュリティが直接脅威にさらされます。

異なるプラットフォームで同じパスワードを使用する場合のリスクは、これらのサービスの1つが侵害され、攻撃者がパスワードを見つけた場合、そのパスワードは他のアカウントへのアクセスを試行するために確実に使用されるということです。これは、クレデンシャルスタッフィングと呼ばれる手法です。このように、どこでも同じパスワードを使用すると、一度に複数のアカウントを乗っ取られる危険性があります。これは最も避けたい事態です。

安全でないパスワードは変更する必要があります。早ければ早いほど良いでしょう。既に流出しているパスワードは、すぐに変更する必要があります。複数の場所で使用しているパスワードを変更する場合は、一度にいくつかのアカウントを編集しながら、段階的にプロセスを進めることができます。

ちなみに、パスワードマネージャーはランダムなパスワード生成機能を使用することで、セキュリティが高くユニークな文字の組み合わせを作成することができます(したがって、新しい複雑なパスワードを自分で考える必要はありません)。パスワードは暗号化された形で安全に保存され、すべてのデバイス間で同期されます。この場合、覚えておく必要があるのはパスワードマネージャーのメインパスワードだけです。このパスワードはパスワードデータベース全体を暗号化し、ユーザーの頭の中以外には保存されません。

そして、このようなデジタル大掃除のプロセスを効率化するために、カスペルスキー プレミアムの使用を推奨します。この製品には、包括的な保護機能、生産性向上ツール、パスワード管理機能やその他の機能など、家族全員のデバイスのデジタル整理を効果的に行うために必要な機能が実装されています。

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