ゲーム内アイテムの売買を収入源にしている人は、少なくありません。自分のキャラクタークラスでは使えないアイテムを売る人、ゲームから完全撤退する前に財産をすべて売却しようとする人、さまざまです。
残念ながら、ゲームのコミュニティ内には、狡猾な手口で善良なゲーマーをだます詐欺師もいます。そして、パブリッシャーによっては(たとえばValve)、詐欺師へ自発的に差し出したアイテムについてはプレイヤーに返還してくれません。
ゲーマーは、自分の財産を自分自身で管理しなければなりません。この記事では、苦労して手に入れたアイテムを失わないための方法、よくある詐欺の被害に遭わないための方法、アカウントをBANされないようにする方法について説明します。
ルールに従ってプレイする
まず、すべてのデベロッパーがゲーム内アイテムの交換を許可しているわけではありません。リアルのお金を使った取引であればなおさらです。そのため、金のAK-47の買い手を探したり魔剣を購入したりする前に、その行為がアカウント停止措置の対象にならないかどうか確認する必要があります。
たとえば、MMORPGの『RuneScape』の開発元は、アカウントとアイテムの現金取引を禁止しています(英語)。ゲームおよびゲーム内アイテムはパブリッシャーの所有物であるという法的な問題、売りに出されたアカウントやアイテムは盗まれたもの(または不正な手段により取得されたもの)であることが多いというセキュリティ面での問題など、いくつかの理由からこのような決まりになっています。
禁止された取引に関わった場合、売り手であろうと買い手であろうと、アカウントが停止されます。ルールを破ったことに変わりはないからです。禁じられていなかった場合でも、現金を支払って手に入れたアイテムを没収される可能性が大いにあります。ゲーム管理者からすると、この手の取引は非常に疑わしく見えますし、あなたが確かに支払いをしたという証拠はゲーム内に残っていません。
その一方で、装備や武器などのゲーム内アイテムを一般向けのオークションで売買することは、通常は禁止されていません。
買い手は注意深くあれ…
次に重要なのは、おいしすぎると感じる取引に関わらないことです。デジタルの世界も実生活と同じで、詐欺師は何とかしてあなたの信頼を勝ち取ろうとします。信じられないようなディスカウントを約束して、お金を払わせようとしたり、パスワードを手に入れようとしたりするのです。
警戒すべき兆候がないか、意識しましょう。売り手が決断を急がせる、取引させようと圧力をかける、公式プラットフォーム以外のところで話をしようと突然言い出すなどは、危険信号です。相手が友達であっても、注意してください。その友達のアカウントを乗っ取った誰かかもしれませんし、長年のバディと同じ名前のキャラクターを使っているように見えて実は名前が微妙に違うキャラクターを使う誰かかもしれません。
約束された大量の金貨が、最後の最後になって大した価値のないアイテムに変貌してしまうことのないように、取引ウィンドウには注意を払いましょう。また、取引しようとしているアイテムは本当に自分が買いたいアイテムなのか(よく似た別のものではないか)、慎重に確認しましょう。また、そのアイテムが別のゲームのアイテムではないかどうかも確認したいものです。
中には、大人気ゲームの貴重アイテムにそっくりなものを作成し、自分たちが作ったSteamゲーム内のアイテムとして発行する人もいます。たとえば、『Dota 2』のDragonclaw Hookの偽物を売りつけた人物がいました(リンク先は英語)。この偽物は、オリジナルを完璧にコピーしてありました。見た目も名前も同じで、アイテムの説明やDota 2のロゴまでコピーしてありました。
唯一オリジナルと違うのは、Dota 2とは何の関係もないということでした。このアイテムが使えるのは『Climber』というゲームの中だけでしたが、そのゲームは後にSteamから削除されました。
似たような事件が何度か発生した後、プラットフォームの運営は、アイテムがどのゲームに属するのかについてもう少し注意を払うようになりました。それでも、適切な注意を払い、事前にすべてを確認するのが得策です。
… 同時に、賢い売り手でもあれ
詐欺師がだまそうとするのは、買い手だけではありません。貴重なアイテムを持つ人のことも狙っています。他のプレイヤーが「アイテムの品質を確認したいので送ってくれないか」と言ってきたり、アイテムのコピーを作ってあげようと持ちかけてきたり、アイテムを試させてほしいと頼んできたりした場合は、十中八九、あなたからアイテムを奪うのが目的です。高価なアイテムとゲームのアクティベーションコードを交換しよう、という申し出にも用心してください。そのアクティベーションコードは、盗まれたものである可能性が大です。
各種ゲームストアは、PayPalなどのサードパーティ決済サービスを利用したアイテムの現金取引を推奨していません。しかし、どうしても取引を進めたいのなら(お勧めしませんが)、何よりもまず、買い手を信用できるかどうかの確認が必須です。相手が不正なことをしそうな気配を少しでも感じたら、取引を打ち切りましょう。前払いで合意したとしても、後で相手が決済システムのサポート窓口に苦情を申し立てて取引をキャンセルする可能性があります。そうなれば、アイテムもお金も戻ってきません。
サードパーティソフトウェアに注意
取引交渉中に、相手がTeamViewerや何らかのソフトウェアをインストールさせようとすることがあります(英語記事)。あなたが本当にゲームアカウントを持っていることを確認したい、この方が連絡を取りやすい、などと理由をつけてきますが、実際はコンピューターを乗っ取ろうとしているか、マルウェアに感染させようとしているのです。インストールしないでください。
覚えておきたいこと
買う立場であっても売る立場であっても、コンピューターとアカウントを適切に保護しましょう。ハッキングされてしまうと、その中の価値あるものを詐欺師がすぐに収益化してしまいます。
- 他のサービスで使用しているものと同じパスワードを、オンラインゲームで使用しないでください。
- ゲーム内チャットで、外部サイトへのリンクをクリックしないように気をつけましょう。また、ユーザー名とパスワードの入力を要求してくるWebサイトについては特に、正規のWebサイトなのかどうか、アドレスを慎重にチェックしましょう。偽物かもしれません。
- ゲーム中に遭遇した脅威を検知してブロックできるように、コンピューターの保護は無効化しないでください。ウイルス対策ソフトがゲームのパフォーマンスを下げるという話は根強く残っていますが、ゲームのパフォーマンスを妨げない製品もあります。