TikTok
世界中に何億もの利用者を抱えるTikTok。純粋に動画を楽しむ人、創造性や社交性を発揮して投稿する人、人気者になろうする野心家など、利用のしかたもさまざまです。しかし、オンラインコミュニティというものはどこでもそうですが、TikTokも、クールなクリエイターとそのファンたちだけのプラットフォームではありません。ヘイトコメントをまき散らす人や、しつこい広告をコメント欄に残す人、詐欺を働く人も集まってきます。この記事では、こうした人たちを寄せ付けないためのセキュリティ設定とプライバシー設定を紹介します。
TikTokのセキュリティ設定
まず、一番重要なことから始めましょう。ハッキングからの保護です。TikTokのセキュリティ設定へは、以下の手順でアクセスできます。
- TikTokアプリを開き、画面の右下隅にある［マイページ］をタップします。
- 画面の右上隅にある三本線のメニューアイコンをタップします。
- ［設定］-［アカウント管理］の順に選択します。
TikTokに2段階認証はあるのか
多くのSNSには、利用者のパスワードが盗まれないようにするための機能が備わっています。2段階認証は、保護の層を1つ厚くします。2段階認証を有効化すると、パスワードによる認証に加えて、たとえばSMSで送信されたワンタイムコードの入力が求められるなど、もう1段階の認証が求められるようになります。
TikTokにはそのような設定はなく、電話番号でログインするオプションがあるだけです。この方法でログインすると、一度限りの認証コードが、指定した電話番号宛にテキストメッセージで送られてきます。しかし、これは2段階認証ではありません。このコードは「パスワードを補完する」ものではなく、「パスワードに替わる」ものだからです。このコードがあれば、パスワードがなくてもアカウントにログインできてしまいます。
また、SMSで確認コードを送る仕組みはベストな選択肢とは言いがたい、という面もあります。そうは言っても、確認コードがなければ未知のデバイスからはログインできないので、少なくともパスワードが盗まれた場合には、この方法が有効なはずです（なお、電話番号を変更する予定がある場合は、TikTokと電話番号とのひも付けを解除することをお忘れなく）。
FacebookなどのSNS を使ってTikTokにログインする場合は、何も送られてきません。したがって、自分のFacebookアカウントを適切に保護することが重要です。
パスワードが保存されないようにする方法
初期設定では、TikTokはユーザー名とパスワードを記憶するようになっています。便利ではありますが、自分の電話を誰かに使わせてあげることがあったりしませんか？他人に使わせることがあるのなら、［アカウント管理］の中にある［ログイン情報を保存する］をオフにしましょう。
他人が自分のアカウントを使っていないかどうか確認する方法
他人のデバイスから自分のTikTokアカウントにログインして、ログアウトするのを忘れてしまった。自分のアカウントがハッキングされたのではないかと不安だ。このように、誰かほかの人が自分のTikTokアカウントを使っていないかどうか気になる場合は、以下の手順で確認できます。
- ［アカウント管理］-［デバイスの管理］の順にタップします。このTikTokアカウントを最近使用したデバイスの一覧が表示されます。
- 使わないデバイスをログアウトするには、該当するデバイス名の隣にあるゴミ箱アイコンをタップして、［削除］を選択します。
- 念のため、パスワードも変更しておきましょう。
TikTokでのプライバシーの設定
TikTokのプロフィールは、初期設定では、誰からでも見られる状態になっています。そのため、知らない人があなたのアカウントを見つけて動画を見て、コメントを残すかもしれません。スパムコメント、悪質なコメントに悩まされている場合や、不特定多数に動画をシェアしたいわけではない場合には、プライバシー設定を強化しましょう。プライバシーの設定画面にアクセスする手順は、以下のとおりです。
- TikTokアプリを開き、画面の右下隅にある［マイページ］をタップします。
- 画面の右上隅にある三本線のメニューアイコンをタップします。
- ［設定］-［プライバシー設定］の順にタップします。
TikTokアカウントを非公開にする方法
有名になりたいのではなく、ただ友達と動画をシェアしたいだけなのであれば、アカウントを非公開にしましょう。あなたの投稿を見ることができるのは、承認されたフォロワーだけになります。
非公開にする手順は、以下のとおりです。
- ［プライバシー設定］画面を開きます。
- ［非公開アカウント］のトグルボタンを有効に切り替えます。
その時点ですでに自分をフォローしている人は、自動的に承認され、非公開にした後もあなたの投稿した動画を見ることができます。Instagramでアカウントを非公開にした場合と同じです。フォローしてほしくないフォロワーがいる場合は、［マイページ］でその人を削除してください。
ただし、アカウントを非公開にしても、自己紹介の部分はTikTokを使う人全員が見られる状態のままです。自宅の住所や電話番号など、他人に知られて困るような個人情報を書かないようにしましょう。
レコメンドされないようにする方法
TikTokには、その人に合わせたお勧めの動画を提示する機能があります。TikTokのアルゴリズムが「この人にとって面白いだろう」と判断した動画や、その人と親しい人が投稿したものだと判断した動画がお勧め（レコメンド）されます。自分のアカウントを非公開にしていても、共通の友だちがいる相手や、あなたの電話番号を知っている友だちに対して、あなたのアカウントが「レコメンド」されることがあります。
おすすめ表示されないようにする手順は、以下のとおりです。
- ［プライバシー設定］画面を開きます。
- ［他のユーザーへのおすすめ表示を許可する］のトグルボタンを無効に切り替えます。
スパムコメントやヘイトコメントを一掃する方法
残念ながら、TikTokユーザーは良い人ばかりではありません。中には、何かの広告をコメント欄に大量投下する人や、侮辱的なコメントを浴びせてくる人もいます。自分の動画のコメント欄が荒らされるのを防ぐ一番簡単な方法は、知らない人が動画についてあれこれ言えないようにすることです。
動画へのコメントを制限する手順は、以下のとおりです。
- ［プライバシー設定］画面を開きます。
- ［自分の動画にコメントできる人］を［友達のみ］または［オフ］に設定します。
特定の動画のコメント機能を無効化することもできます。手順は以下のとおりです。
- 動画を開き、右下にある三点リーダーアイコンをタップします。
- ［プライバシー設定］をタップします。
- プライバシー設定の画面で、［この動画のコメントをオフにする］のトグルボタンを有効に切り替えます。
動画を見た人が感想を残せるようにしておきたい。でも、スパムコメントやヘイトコメントをいちいち手作業で削除するのは嫌だ。そんな場合は、キーワードフィルターを設定しましょう。設定方法は以下のとおりです。
- ［プライバシー設定］画面を開きます。
- ［コメントフィルター］をタップします。
- ［スパムや不快なコメントをフィルター］のトグルボタンをタップして有効にします。
- ［フィルターキーワード］をタップして、書き込まれたくない言葉を指定します。指定した言葉が含まれるコメントは、自動的に非表示になります。
TikTokのデュエットをオフにする方法
TikTokの特徴は、デュエット（他人の動画に自分の動画を組み合わせる）やコラボ（他人の動画に動画で応答する）の機能があることです。TikTokを利用する人なら誰でも、好きな動画をデュエットに使ったりコラボを投稿したりできます。自分の動画が誰かをインスパイアすることがあるかも…。
問題は、この機能を使って嫌がらせをする人がいることです。自分の動画が知らない人に使われないようにする方法は、以下のとおりです。
- ［プライバシー設定］画面を開きます。
- デュエットできる人を制限するには、［自分とデュエットできる人］を［友達］または［オフ］に設定します。
- コラボできる人を制限するには、［自分とコラボできる人］を［友達］または［オフ］に設定します。
デュエットやコラボは別にされてもいいのだけど、この動画だけは勘弁してほしい。そんな場合は、特定の動画の使用をブロックできます。
- 動画を開き、右下にある三点リーダーアイコンをタップします。
- ［プライバシー設定］をタップします。
- プライバシー設定の画面で、［この動画のデュエット/コラボをオフにする］のトグルボタンを有効に切り替えます。
TikTokのダイレクトメッセージからスパムを排除する方法
TikTokには、ダイレクトメッセージ機能があります。誰からのメッセージでも受け付ける状態になっていると、広告やフォロー要求がたくさん届くかもしれません。こうした煩わしいメッセージを排除するには、メッセージが届かないようにする方法と、友だちだけにメッセージの送信を許可する方法があります。
- メッセージ機能を無効にするには、［プライバシー設定］画面で、［自分にメッセージを送信できる人 ］を［オフ］に設定します。
- 自分にメッセージを送れる人を友だちに限定するには、［プライバシー設定］画面で、［自分にメッセージを送信できる人 ］を［友達のみ］に設定します。
TikTokで動画が盗まれないようにする方法
TikTokには、ほかの人の動画をダウンロードする機能もあります。気に入った動画を簡単に保存できて便利ですが、中には他人が投稿した人気動画をダウンロードして、いかにも自分の動画であるかのようにYouTubeなどに投稿する人もいます。そんな事態を避けるには、ダウンロードできないように設定しましょう。
- ［プライバシー設定］画面を開きます。
- ［自分の動画をダウンロードできる人］を［オフ］に設定します。
TikTokで不要な通知を停止する方法
他のSNSと同じように、TikTokも、「いいね」やコメントが付いた、新しい動画がアップされた、あなたにはこれがおすすめ、など何かと通知してきます。通知の多さにうんざりしているなら、不要な通知をオフにしましょう。
- ホーム画面の右下隅にある［マイページ］をタップします。
- 画面の右上隅にある三本線のメニューアイコンをタップします。
- ［設定］-［通知の設定］の順にタップします。
- 必要に応じて通知を無効にします。
このほか、デバイス本体の設定でTikTokからの通知をすべてオフにすることもできます。
Androidの場合、手順は以下のとおりです。
- デバイスの［設定］画面を開きます。
- ［アプリと通知］を選択します。
- ［通知］へ進みます。
- アプリの一覧からTikTokを探し、通知をオフにします。
iOSの場合、手順は以下のとおりです。
- デバイスの［設定］画面を開きます。
- ［通知］へ進みます。
- アプリの一覧からTikTokを探し、通知をオフにします。
TikTokで特定の人をブロックする方法
動画を見せたくない、またはコメントしてほしくない人がいる場合は、その人をブロックすることができます。
- その人のプロフィールを開きます。
- 画面の右上隅にある三点リーダーアイコンをタップします。
- ［ブロック］をタップします。
- ［確定］をタップします。
TikTok動画を非公開にする方法
動画を撮影したからといって、すぐに投稿するとはかぎりません。動画を編集してから、またはフィルターなどの機能を試してからにしたいこともありますし、純粋に個人的な思い出として動画を撮ることもあります。そんな場合は、自分だけ（または自分と友だちだけ）が見られるようにすることができます。
新しく動画を投稿する場合、手順は以下のとおりです。
- 動画をアップロードした後に、［投稿］画面の［動画の公開範囲］をタップします。
- 自分だけが見られるようにする場合は［非公開］、友だちも見られるようにする場合は［友達］を選択します。
投稿済みの動画の場合、手順は以下のとおりです。
- 動画を開き、右下にある三点リーダーアイコンをタップします。
- ［プライバシー設定］を選択します。
- ［動画の公開範囲］をタップし、［非公開］または［友達］を選択します。
他のSNSアカウントでの設定もお忘れなく
TikTokのアカウントをしっかりと保護したら、次はその他のSNSアカウントのセキュリティについて考える番です。Kaspersky Dailyでは、Facebook、Instagram、Twitterでの設定について紹介しています。詳しくはそれぞれリンク先をご覧ください。
