SNSが広く普及した世の中です。私たちは、多くのことを、その場でシェアしがちです。自分の気持ち、週末や休暇や引っ越しの予定、今まさに使おうとしている多額の現金、今いる場所…中には、それこそ何でも喜んでシェアする人もいます。特に閲覧できる範囲を制限することもせずに。
いわゆる「チェックイン」機能を提供しているSNSは、数多くあります。チェックインを使用すると、できたばかりのカフェに来ていることや日頃からジムに通っていることを、みんなに知らせることができます。友達の家、観光地、ポケモンを探しに行った場所など、行く先々で大勢の人がチェックインしています。ティーンエイジャーが、この機能にはまるのも当然です。
チェックインはとても便利な機能だ、と考える親もいるかもしれません。たとえば、子どもがどの辺りで遊んで過ごしているのか見張る手段として。でも、チェックインは危険でもあります。基本的に誰でもその人の居場所を知ることができ、その情報を好きなように使うことができるのですから。
チェックインのおかげでストーカーは相手の動きを追い、絶好のタイミングで絶好の場所にいることができます。泥棒は住人が外出する時間帯をきっちり把握しています。つまり、そういうことです。
チェックイン機能は、悪名高い現代の脅威の1つである「ネットストーカー」と緊密に結びついています。ネットストーカーとは、脅迫、ゆすり、なりすましなどの目的で、インターネットを使って特定の人につきまとう人です。チェックインが絡むと、ストーカー行為が現実の世界にまで及ぶ可能性があります。これは特に著名人にとって深刻な問題ですが、一般の人にも起こりうる問題です。たとえば数年前、米国の有名ブロガーがカフェでチェックインしたところ、すぐさまファンの1人から「今、あなたに会いに向かっています」と言うリプライがありました。そして数分後、男性が本当に姿を現しました。幸い、このファンは姿を見せただけでしたが、チェックインがいかに危険であることか、また、悪意を持つストーカーや誰か知らない人がどれほど簡単に自分に近づけることか、この女性ブロガーは身にしみて理解することになりました。
子どもにはチェックイン機能を使わせないようにするべきだ、という話ではありません。ただ、深く考えずにチェックインすることの危険性は説明しておいた方がよいでしょう。ちょっと珍しい場所に行ったことを投稿する程度なら、おそらく大きな問題はないかと思われますが、一日のうちにいちいち居場所を知らせるのはやり過ぎですし、危険でもあります。また、親であるあなた自身も注意すべきであることを、どうぞお忘れなく。自分の行く先々でチェックインすることで、自分の安全どころか他人の安全までも危うくしてしまうかもしれません。