見た目に恐ろしいウイルス8種

発症すると見た目に恐ろしいウイルス。

ハロウィーン2013

システムを壊したり貴重なデータを盗んだりするコンピューターウイルスよりも直接的に怖さを実感させるもの、それは、恐ろしげな画面を作り出すウイルスです。ハロウィーンに敬意を表して(昨日でしたが)、これまでで一番見た目に恐ろしいウイルスを紹介しましょう。ほとんどはDOSの時代のもの。つまり、コンピューティングというものがもっとシンプルで、金銭的利益ではなく自己顕示のためにウイルスが作成されていた時代に現れたものです。大損害を与えるまでいかないものもありますが、その動作を見れば、ぞっとすること請け合いです。

 cascade

Cascade:自分のシステムが文字通り崩れていくのを目の当たりにしたユーザーほど、怖い思いをする人はいないでしょう。Cascadeは80年代の終わりから90年代の初めにかけて流行したウイルスです。これがシステムにインストールされると、DOSの文字が画面の下方へ落ちていき、その間コンピューターが使い物にならなくなり、しかも定期的にそれが繰り返されます。このウイルスはまた、同名のコンピューターウイルスが出てくる『スタートレック:ヴォイジャー』のエピソードにインスパイアされたようです。

 MadMan

MadMan:このDOSウイルスのもたらす損害は大きくありませんが、ぎょっとするような映像が映し出されます。目を細めた赤い顔の男が表れ、「Nothing can save you here, friend – you’re in my world now.」(誰もお前を助けてはくれない – お前は俺の世界にいるのだ)というメッセージが表示されるのです。このウイルスを削除しようとしても「I’m watching you」(お前を監視しているぞ)という文字が表れます。

 AIDS

AIDS:下品で(もちろん怖い)プログラムのひとつ。90年代初めに感染がみられたこのウイルスは、ユーザーの画面を乗っ取り、長ったらしい下品なメッセージとものすごく大きな文字を使って、システムがAIDSに感染したと告げます。駆除するには、この時点でシステムを再起動し、感染した.COMファイルを削除しなければなりません。

 Skulls

Skulls (Skuller):これは、2004年当時普及していたSymbian OSを攻撃するトロイの木馬です。携帯電話をデコレーションするアプリのふりをして、画面上のアイコンを骸骨の画像に置き換え、標準のアプリが使えないようにしてしまいます。Kaspersky Labのエキスパートたちは的確にも、このマルウェアを「Vandal Trojan」(「荒らし」トロイの木馬)と呼んでいました。Skullsは、いま流行っているモバイルマルウェアの走りで、確かに恐ろしいものでした。

 tequila

TequilaTequilaは、.exe DOSファイルに感染します。いったん入り込むと、感染したシステムが4度目に実行したとき、雑なマンデルブロ集合のような画像を表示します。ここで表示されるプロンプトに従うと、こんな楽しげなメッセージが表示されます。「… T.TEQUILA’s latest production. Contact T.TEQUILA/P.o.Box 543/6312 St’hausen Switzerland. Loving thought to L.I.N.D.A. BEER and TEQUILA forever !」(T.TEQUILAの最新版です。T.TEQUILA/P.o.Box 543/6312 St’hausen Switzerlandにご連絡ください。L.I.N.D.A.へ愛をこめて。ビールとテキーラよ、永遠に!)ウイルスの威力は大したことがありませんでしたが、マンデルブロ集合の画像には驚かされます。

ku-ku

Kuku:これも映像で驚かせるDOSウイルスで、システムの安全を気にかけている人を死ぬほどびっくりさせました。「Kuku!」と点滅するさまざまな色のタイルで少しずつ画面を埋めていきます。「Kuku」とは、ロシア語で「いないいないばあ」の意味です。

Rigel

Rigel:このWindowsウイルスは12月22日に起動し、Windowsアイコンで画面中にランダムなパターンを描きます。その他機能に直接影響することはありませんが、画面が見えづらくなるので事実上コンピューターでの作業を妨害することになりました。

Gruel

Gruel:このWindowsワームは、セキュリティパッチを装う偽アンチウイルスプログラムの走りです。起動すると、偽のエラーメッセージを表示して、さまざまな標準のWindowsフォルダーを開き、CD-ROMトレイを開きます。続いて長いメッセージを表示しますが、一部を紹介するとこんな感じです。

「Your computer now is mine, Why? Because I didn’t had nothing to do and I thought, why not make the evil? Remember NOW YOUR PC IS IN MY POWER Windows Sucks! I can’t stand it anymore!」(お前のコンピューターは俺のものになった、なぜか?俺は何も持っていない、俺は思ったのだ、悪を作ってなにがいけない?覚えておけ、お前のPCは俺の下にある、Windowsなんてサイテーだ!もう我慢できねえ!)こんな調子で延々と続き、最後には「KILLERGUATE」と署名されています。

このワームは、これまでの比較的害の少ないDOSウイルスとは違ってたちが悪く、[スタート]メニューから[プログラムを選択して実行]オプションを削除してしまうので、削除が非常に大変でした。

ヒント

Windows Downdate攻撃から身を守る方法

Windows Downdateは、最新バージョンのOSを古いバージョンにロールバックさせ、脆弱性が残る状態を復活させ、攻撃者がシステムを容易に侵害できるような状態にする攻撃です。この攻撃のリスクを低減するにはどうしたらよいでしょうか?