仮想通貨ウォレットの選び方

2018年4月20日

米国の成人1,000人超を対象にした昨年12月の調査(英語)では、仮想通貨がどういうものか知っていると答えた人は56%以上でした。しかし、仮想通貨をどこで買えるか知らない人は78%に上りました。安全に保管する方法を知っている人となれば、もっと数が少ないことでしょう。そこで、今回は仮想通貨の保管方法を紹介します。

仮想通貨ウォレットとは

仮想通貨を保管するには、仮想通貨ウォレットが必要です。仮想ウォレットとは、簡単に言えば、ブロックチェーンにアクセスして仮想通貨で取引するために必要な暗号鍵(秘密鍵と公開鍵)を保存するプログラムです。

公開鍵はウォレットのアドレスのようなもので、秘密鍵はウォレットを開けるためのものです。仮想通貨を送金する場合は、送る側のアドレスから受け取る側のアドレスに割り当て直します(つまり、送り先の公開鍵を知っている必要があります)。そのためには、送る側が自分の秘密鍵にアクセスできなければなりません。同様に、ウォレットを開けて受け取ったお金を使うには、自分の公開鍵に対応する秘密鍵を入力する必要があります。

さて、ぜひ覚えておいていただきたいのですが、仮想通貨を所有してウォレットに保管することは、硬貨をポケットに入れておくのとは違います。ウォレットは2つの鍵でしかなく、仮想通貨はすべてブロックチェーンの中にあってそこから出ることはありません。仮想通貨の取引で実際に何が起きているかというと、その取引について書かれたブロックがブロックチェーンに追加される、それだけです。仮想通貨のしくみについては、こちらの記事をご覧ください。

ウォレットの話に戻りましょう。仮想通貨ウォレットにはいくつか種類があり、それぞれに長所と短所があります。

仮想通貨ウォレットの種類

1. ペーパーウォレット

仮想通貨口座の一番単純な形は、秘密鍵と公開鍵があるだけの状態です。そして、最も単純な鍵の保管方法は、紙に書きとめることです。これはペーパーウォレットと呼ばれ、実際に使われている方法です。

しかし、ペーパーウォレットは仮想通貨を保管するだけです。何かの料金を払うときは、別の種類のウォレットを作り、ペーパーウォレットから新しく作ったウォレットに送金する必要があります。長い鍵を手入力するのは大変なので、QRコードが使われるようになりました。鍵を生成してQRコードに変換するのには、特別なソフトウェアが利用されています。

長所:安全(紙が破れたり盗まれたりしない限り)

短所:不便、使い方が限られる

2. ホットウォレット

最も使いやすい種類はホットウォレットです。オンラインサービスから提供されるウォレットで、どこにいても、どんなデバイスからでも、インターネット接続さえあれば自分の資産にアクセスできるので「ホット」ウォレットと呼ばれています。ホットウォレットを手に入れるには、仮想通貨サービスのWebサイトで登録するか、特定のソフトウェアをインストールするだけ。これで仮想通貨を管理するためのインターフェイスを利用できるようになります。

ホットウォレットは本当に便利ですが、利用するには、自分の口座にある全額についてサービスプロバイダーを信用するしかありません。たとえば、仮想通貨の取引所は、そこで取引されるすべての仮想通貨用ホットウォレットを顧客に提供しますが、最近の出来事を見るとわかるように、こうしたウォレットに大量の通貨を入れておくのは賢明ではありません。取引所はハッカーにとって非常に魅力的な標的なのです。専業のホットウォレットサービスの中には、取引所としての機能を持たず、もっとセキュリティに力を入れているところもありますが、やはり信頼によって成り立っています。

利用者に鍵を提供して利用者自身が鍵を保管できるようにしているホットウォレットサービスプロバイダーがある一方で、そうでないプロバイダーもあります。後者の場合、プロバイダーに何か起きたらお金がなくなってしまう可能性が高いでしょう。前者の場合は、いつでも別のウォレットに切り替えることができます。ホットウォレットは、使う予定がある少額の仮想通貨を保管するのに適しています。

長所:便利、使いやすい

短所:安全面で劣る、サードパーティのサービスが必要

3. ソフトウェア/モバイルウォレット:フルノード型または軽量型

ソフトウェアウォレットモバイルウォレットは、コンピューターやスマートフォン(またはその他のデバイス)にインストールして、公開鍵、秘密鍵、取引を処理するユーティリティです。ホットウォレットがクラウドベースであるのに対し、こちらはローカル環境がベースですが、インターネットには接続します。一般に、これらのウォレットは仮想通貨の保管にも料金の支払いにも使えます。

ソフトウェアウォレットとモバイルウォレットには、大きく分けてフルノード型と軽量型の2タイプがあります。フルノード型のウォレットはブロックチェーン全体をデバイスのメモリに保存し、軽量型はサードパーティサービスを利用して保存します。現実的に見れば、フルノード型のウォレットはスマートフォンでは機能しないでしょう。たとえば、Bitcoinのブロックチェーンの容量は現在のところ約200GBで、スマートフォンで扱える範囲を超えています。仮想通貨の保管には元々フルノード型のウォレットが使われていましたが、今では軽量型のホットウォレットが主流になっています。ただし、フルノード型のウォレットはサードパーティサービスを利用しないので、一般的に軽量型のウォレットよりも安全です。

長所:ホットウォレットよりは安全

短所:それでもすごく安全というわけではない、デバイスの制約に縛られる

4. コールドウォレット(ハードウェアウォレット)

ホットがあるなら、コールドもあるはず。確かに、コールドウォレットというものは存在します。コールドウォレットは実際の物理的なハードウェアで、ハードウェアウォレットとも呼ばれます。USBメモリのような見た目をしているのが一般的で、コンピューターやスマートフォンに接続して使用します。なお、ペーパーウォレットもコールドウォレットの一種です。

普通のUSBメモリもコールドウォレットとして使えますが、セキュアエレメントというチップをベースにして仮想通貨の管理と鍵の安全な保管を行う専用のハードウェアウォレットを使う方が良いでしょう。ネットに接続しないデバイスの中に鍵を保管するので、ソフトウェアウォレットよりも安全です。ハードウェアウォレットは、仮想通貨を安全に保管するのに最適で、取引にも使用可能です。唯一の問題は、無料ではないことです(また、手持ちの電子機器が1台増えることにもなります)。充電が必要ないのはうれしい点です。

長所:仮想通貨ウォレットの中で一番安全

短所:コスト面、追加のデバイスが必要

セキュリティ企業の技術で保護されたコールドウォレット

Kaspersky Labは、20年以上にわたりサイバー脅威の進化を注視してきました。経験上、注目が集まる市場にはサイバー犯罪者がすぐにやってきます。これを受け、当社では脅威に耐えられる当社独自のハードウェア仮想通貨ウォレットの開発に取り組んでいます。

現在、市場最先端のセキュアエレメントチップをベースとした2つのコンセプトモデルを開発中です。どちらのモデルも、スマートフォン上の取引を認証するNFCを搭載しています。違いは取引内容をどの程度詳しく見られるかという点で、一方のモデルはハッシュ値を表示する液晶ディスプレイ付き、もう一方はディスプレイなしです。ウォレットを紛失した場合や壊した場合でもお金を失くさないように、ウォレットの保護付きコピーを作成して安全に保管するオプションもあります。コンセプトモデルは、こちらのページで紹介しています。興味のある方はご覧ください。
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