iOSの追跡機能を制限しよう

2016年8月1日

新しいiOSデバイスを使い始めた、という方にぜひぜひ行っていただきたいことがあります。デバイスのプライバシー設定を調整することです。位置情報の追跡やデータの収集はパワフルな機能で、パワフルなあまり、お近づきになりたくない人や会社に自分の個人情報が渡ってしまう恐れがあります。そこで、プライバシー設定の調整が必要になってきます。

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ところで、追跡機能をすべて無効にしよう、とお勧めするわけではありません。便利な機能まで無効にすることになってしまいますから。ただ、便利さには代償が伴います。対価は皆さんのプライバシーです。クールな機能と引き換えに、利用者がどんな情報を差し出しているのか知ることこそ、フェアというものでしょう。

iOSを適切に設定しようとしても、該当の設定オプションは、やや見つけにくいのが難点です。そこで、検索してみましょう。検索フィールドは、[設定]画面の一番上にあります。プライバシー設定は、さまざまなメニューの奥深くに埋もれているので、検索オプションを使うと早いです。

では、iOS 9のプライバシー設定を詳しく見ていきましょう。

[設定] > [プライバシー] > [位置情報サービス]

Appleの位置情報サービスは、利用者の動きを一日中追跡しています。このデータに基づいて、利用者には天気予報が届けられ、AppleマップやGoogleマップでルートが作成されます。位置情報サービスは、携帯電話の基地局、Wi-Fi、GPSの情報から利用者の現在地を割り出します。位置情報サービスは、利用者を追跡するだけでなく、バッテリーも消耗します。

位置情報へのアクセスは、アプリごとに許可または取り消しができます。自分の居場所に関する情報を与える必要がないアプリについては、位置情報へのアクセスを無効にしましょう。たとえば天気をお知らせするアプリや、WazeやAppleマップなどの道案内アプリは、位置情報がないと正しく機能しません。Siriや音声認識アプリも、近くのホテルやカフェなどの施設を探すときに、位置情報を利用します。一方で、FacebookやTwitterなど、ほとんどのアプリは利用者の正確な居場所がわからなくても問題なく動作します。

また、アクセスモードを[許可しない]、[このAppの使用中のみ許可]、[常に許可]から選べることも覚えておきましょう。

  • 許可しない:アプリは位置情報にアクセスできません。
  • このAppの使用中のみ許可:アプリが使われていて、フォアグラウンドで動作しているときだけ、位置情報にアクセスできます。
  • 常に許可:アプリは、位置情報へのアクセスを要求したときにいつでも(バックグラウンドで動作中の場合でも)アクセスできます。

[設定] > [プライバシー] > [連絡先]、 [カレンダー]、 [リマインダー]

このデータへのアクセスを要求するアプリは、ごく一部です。データの用途はバックアップの作成、連絡先の共有、連絡先リストのレコードの編集などです。連絡先やスケジュールを参照する必要がなさそうなアプリについては、アクセスを無効にしましょう。

[設定] > [プライバシー] > [写真]、 [カメラ]、 [マイク]

Skype、Viber、WhatsAppなどのビデオメッセンジャーや音声メッセンジャーは、カメラ、マイク、写真へのアクセス権を要求します。こうした権限を必要とするアプリは、すべてのカメラアプリ(自動で権限が付与される内蔵カメラアプリを除く)、録音ツール、Dropbox(写真の同期のためにアクセスが必要)やEvernote(メモに画像を追加するためにアクセスが必要な場合あり)などのファイル共有アプリなどです。

なぜアプリがカメラやマイクを使う必要があるのか、なぜ写真フォルダーへのアクセスが必要なのか、よくわからない場合はアクセスを無効にしてください。アクセス権がないとアプリが正常に動かないことがわかったら、アクセスを有効にしましょう。

[設定] > [プライバシー] > [モーションとフィットネス]

さまざまなヘルスケアアプリやフィットネスアプリが、内蔵の「フィットネス・トラッキング」サービスへのアクセスを要求します。このサービスは、利用者の身体の動き、歩数、登った階段の段数などを記録しています。この設定画面では、どのアプリがどのタイプの活動データにアクセスしてよいか、制限をかけることができます。フィットネスに興味がないならば、すべてのアプリでこの機能を遠慮なく無効にしてしまいましょう。

[設定] > [プライバシー] > HomeKit

スマートハウスにお住まいの方なら、この機能がどんなものかご存じですね。家庭内の照明や電気器具といったネット接続型製品をコントロールする機能です。この設定画面では、デバイスに接続されているアクセサリの一覧が表示されます。

[設定] > [プライバシー] > [広告] > [追跡型広告を制限]

Appleが記録するデータには、利用者の性別、民族、読んだ本、聴いた音楽、居場所、デバイスのタイプ、さらには登録されている氏名、住所、年齢などの情報まで含まれます。

とはいえ、慌てる必要はありません。これらは他の5,000人のデータとまとめられ、「関連する広告」を表示するために、つまりビッグデータとして使われます。このデータセットは、Apple自体が使用する場合もあれば、第三者と共有される場合もあります(個人を特定できるデータは含まれません)。気になる場合は、以下の手順でこの機能を無効にすることができます。

  1. 設定] > [プライバシー] > [広告]の順に選択します。
  2. 追跡型広告を制限]をオンにします。
  3. Advertising Identifierをリセット]をタップします。これで、これまで収集された情報がすべて削除され、新規の利用者のような状態になります。
  4. Appleが広告目的で収集するデータについて詳しく知りたい場合は、[広告とプライバシーについて]のリンクをタップしてください。

次回の記事では、システム位置情報サービスが秘密にしていることと、デバイスの使い方や好みのプライバシーレベルに合った設定方法について詳しく紹介する予定です。