2017年10月30日

明日のインターネットへ向けて

テクノロジー 特別プロジェクト

『ブレードランナー 2049』が10月初旬に米国で公開され、批評家たちから広く称賛を得ました(日本では10月27日公開)。この映画は1982年に公開された傑作SF『ブレードランナー』の続編で、人間のようなアンドロイド、ホログラム、空飛ぶ自動車など、旧作のさまざまな要素が盛り込まれています。また、未来に対するディストピア的な見方をはっきりと示し、将来有益なものになるだろうと考えられているテクノロジーが恐ろしくて不吉なものに描かれています。

ありがたいことに、『ブレードランナー』の物語で描かれる未来は、リアルさよりも衝撃度に重点が置かれています。そこは、映画ですから。私たちは、テクノロジーやイノベーターにもっと多くのことを期待できるはずです。ここ20年間の進歩が、近い将来におけるテクノロジーの躍進を予告するものなら、この先多くのものを期待できます。

今回の記事では、世界サイバーセキュリティ啓発月間(Cyber Security Awareness Month、リンク先は英語サイト)にちなみ、サイバースペースにおける問題を探りながら、私たちの世界を形作る前途有望なインターネットの先進技術を検討し、明日の現実に向けてどのような準備ができるかを考察していきます。

機械学習

よく見聞きするわりにあまり理解されていないバズワードが「機械学習」です。機械学習とは根本的に人工知能テクノロジーの産物で、コンピューターがデータとフィードバックに基づいて学習し、適応できるようにするものです。機械学習は、Kaspersky Labのウイルス検知の基本要素の一つでもあります。ビッグデータ、機械学習、そして調査分析を担当するアナリストの専門技能を組み合わせることで、より精密で、より包括的な脅威検知プロトコルとモニタリングシステムを作り上げました。当社では、このアプローチをHuMachine(ヒューマシン)と呼んでいます。

機械学習がなぜ特別なのか。機械学習は、より賢明で包括的なソリューションを提供し、こうしたソリューションを進化させ続けて完成度を高めることで、コンピューターがより正確に問題を予測して対策を立てられるようにするからです。昨年、Dynが受けたDDoS攻撃を考えてみましょう。この攻撃でインターネットが数時間にわたって使用不能になりましたが、Dynの機械学習によって、攻撃の範囲を大いに狭めることができました。Dynのアルゴリズムが時々刻々と改良され、Miraiによる同社への攻撃を緩和させたのでした。

ネットワークは、スレーブIoTデバイスから攻撃を受ければ受けるほど、攻撃を特定して回避できるようになります。Kaspersky LabのHuMachineとマルウェア検知ツールも、同様に機能します。ファイルをスキャンし、既知のマルウェアやウイルスなどの脅威コードとファイルとを比較することで、悪意あるコードの大部分を特定し選別する。このようにして、当社の機械学習アルゴリズムは日々性能を高めています。

モノのインターネット

モノのインターネット(IoT)は、すでにニッチな技術として広がりを見せています。インターネットに接続されたデバイスが、生活のあらゆる面で中心的な役割を果たすようになる日も近いでしょう。すでに、私たちは数多くのネット接続デバイスを日常的に使っており、同様に、デバイスを通じて自分たちもインターネットに接続しています。この相互接続性こそが、IoTを、私たちの効率や安全性を高めるツールたらしめているのです。

しかし、IoTデバイスは、セキュリティを危うくするパワーも持っています。IoTには多種多様なプライバシー問題がつきまとい、新手の攻撃ではIoTデバイスを非道な目的で利用しています(Dynへの攻撃はおそらく一番有名だというだけで、決して唯一の事例ではありません)。実際に、Kaspersky Labが実施した最近の調査(英語)は、これまでになく多くの企業に対してDDoS攻撃が大きな影響を及ぼしていることを示しています。

IoTデバイスのインターネットにおけるパフォーマンスを保護し、維持し、向上させることは、現代の大きな課題です。この課題にどう取り組むかが、生活の中でIoTが最終的に果たす役割を決定的に左右するでしょう。

自動運転車

自動運転車は、IoT革命と、インターネットパフォーマンスの拡大と、機械学習の可用性および成熟の中心に位置しています。非の打ち所のない自立型走行車を完成させるということは、最先端を行くさまざまなテクノロジーを結合して、人間が費やす時間の節約、輸送、安全性にとっての新しいソリューションを作り上げること。これは現代、最も大胆不敵な技術的挑戦かもしれません。

それにしても、自動運転車はどの程度安全なのでしょうか?また、自動運転車が主流になるのは、いつのことでしょうか?当社はこれらの問題について探り(記事1記事2)、最近のフランクフルトモーターショーで発表された新しい自立型走行車の数車種についてもレポートしています。

(近い)将来の自動運転車では、安全性が最大の試金石となるでしょう。運転手や同乗者の安全を守るにはどうすればよいか?事故に関わるモラルの問題にどう妥協点を見つけられるか?セキュリティの弱点につけ込み「自立した」乗り物に不正アクセスするかもしれない人間を阻止するには?こういった問題が現在、私たちを悩ませています。

このほかの未来予測

Kaspersky Labは先日、創立20周年を迎えました。20周年記念の一環として立ち上げたのが、「Earth 2050」です。Earth 2050は、著名な未来学者とKaspersky Labの調査チームによる未来予測を表現した、マルチメディアプロジェクトです。Earth 2050のWebサイト(英語サイト)は、今後30年間でテクノロジーが私たちの生活をどのように変えてゆくかの予測を、誰でもシェアできるようになっています。今現在、すでに数十件の未来予測が掲載されています。皆さんもこのWebサイトをご覧になって、ぜひご意見をお聞かせください。

テクノロジーが今後、私たちの生活にどのような影響を与えると考えますか?つながりの進む「コネクテッドな」世界に備えるため、私たちはどのように協力しあってゆけるでしょうか?