デジタル時代の子育て:新たな脅威

2016年4月6日

私が中学生の頃、友人がコンピューターを手に入れました。そこにAOLというすごいプログラムを入れた途端、友人の家はみんなのたまり場になりました。私たちは手あたり次第いろいろなものにアクセスし、画像がのろのろと表示されるのを待ちました。誰も来ませんようにと祈りながら。これは90年代半ばの話で、それほど昔ではありません。

その後、テクノロジーは大きく発展しました。かつては電話の神様に生け贄を捧げなければ得られなかった情報も、今ではあっという間に、文字どおり手の中に届きます。今、私のポケットに収まっている1台のスマートフォンは、友人宅のリビングで仲間たちと囲んでいた多くのコンピューターよりも数段、強力であることは間違いありません。

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古き良き日々を懐かしむのは楽しいものです。しかし、私は今、オーソン・ウェルズやジョージ・ルーカスしか想像できなかったテクノロジーの時代に子供を育てており、テクノロジーについて違う見方をしています。今の親にとっての問題は、この「接続された時代」の子育てに関する指南書がないことです。

もちろん、私たちの親、つまり祖父母世代もなんらかのアドバイスをしてくれます。ところが、Facebookやデバイスの使用制限といった話になると、祖父母の意見は過去の経験に根差したものではなく、単なる意見に過ぎません。

さて…どうすればいいでしょう?

先日、私はSANS Instituteのランス・スピッツナー(Lance Spitzner)氏の講演会に参加しました。その講演でスピッツナー氏が繰り返し主張していたのは、現代の子育て、およびセキュリティに対する一般的な考え方における難題の1つは、守るのがデータではなく、感情だということです。当ブログを愛読されている皆さんは、Kaspersky Labといえばプライバシーとデータ保護、と思っていらっしゃるでしょう。しかし、子育てでは感情が時として人間関係を歪める(あるいは過敏にする)ことを、当社でも理解しています。

三大脅威

スピッツナー氏の説明によると、今の世の中で成長していく子供たちにとって、主な脅威は3つあります。

見知らぬ人:性犯罪者、セクストーション(性的な脅迫)、詐欺

友人:ネットいじめ、嫌がらせ、セクストーション、悪いお手本

自分自身:過剰な情報公開、セクスティング(性的なメッセージや写真を携帯電話でやりとりする行為)、いじめ、違法コンテンツのダウンロードや共有

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では、親に何ができるのか?

この講演では、かなり興味深いことを学びました。ちょっと意外でもあるのですが、私たちが子供たちに対してできるのは、私たちの親や、そのまた親たちがずっとしてきたこと、つまりコミュニケーションなのです。

コミュニケーションといっても、自分の子供にツイートしたり、子供のFacebookのウォールに投稿したりするのではありません。ひざを突き合わせて話をすることです。ひとまず、親も子もスマートフォンから手を離しましょう。どちらにとっても、これがなかなか難しいことはわかっています。でも、それだけの価値があるのです。

親は子供と実際に対話し、助言者となることで、社会的に許される行為とそうでない行為を教えることができます。また、子供がなにか過ちを犯して、どうにもならなくなったときに、安心して親のところへやってくるようにしなければなりません。

おそらく、皆さんも若い頃にネットで、もっと最近ではNapsterやPirate Bayで、してはならないことをしてしまったのではないでしょうか。つまり、論理的に考えれば、皆さんの子供も同じことをしてしまう可能性があるのです。あなたが頼りになるとわかれば、子供がネットいじめなどに遭いそうになった、あるいはその一線を越える目に遭ってしまったとき、安心してあなたのところへやってきて、正しく行動しようとするでしょう。

成長するためのヒント

日頃からよく話す。といっても、親なら誰でも恐れ、できれば一度で済ませてしまいたいと願っているアレ、雄しべと雌しべの話ではありません。テクノロジーについて、子供たちと日頃から話をするのです。そのために、あなたが何もわからないふりをし、子供にTumblrFacebookアカウントのセットアップを手伝ってもらわなければならないとしても。

親が子供を「先生」として信頼している様子を見せれば、互いの信頼は高まります。また、サイバー脅威やセキュリティ侵害について当ブログやThreatpostで見たこと、聞いたことを子供に教えることもできます。

境界線を決める。親子でこういった話をするときには、何が許され、何が許されないかを子供がきちんと理解するようにしましょう。また、子供が足を踏み入れるべきではない場所に入ったとき、または使うべきではないテクノロジーを使ったとき、どのような結果が待ち受けているか認識させる必要もあります。

手近なリソースを使用する。先ほども書きましたが、私たちは皆、このデジタル時代に子育てをしています。子育てをしながら学び、その道すがら、間違いを犯します。そこで、企業組織が用意してくれた便利なリソースを使わない手はありません。また、子育ての流儀は誰もが同じではなく、違っていて構わないということも覚えておきましょう。あなたとご家族に適したものを選べばいいのです。

万が一、手に負えない状況だと感じるようになったら(特にネットいじめや小児性愛者など)、警察が助けてくれます。相談してください。

みなさんは乗り越えてゆかれることでしょう。私たちの親もそうしてきたように。確かに生活環境は変わりましたが、親というのは心配し、気に病むものです。子供たちにできる限りのことをしてあげましょう。また、子供の安全を守るためのテクノロジーを第2の防御層として使用すれば、不審者や悪質なコンテンツから子供を保護するだけでなく、紛失あるいは盗まれたデバイスを見つけることもできます。