子供たちの生活の中でコンピューターが(あらゆる意味で)大きな存在感を示すようになったことに、私たち大人は不安を覚えます。とはいえ、これは人類の進化において避けられない局面であり、無視するわけにはいきません。
ゲーム禁止令を出したところで、子供は「進歩的な」友だちから仲間はずれにされたと感じ、遂には劣等感を抱くようになるかもしれません。こうした感情は、将来的に社会的格差の面で悪影響を及ぼす可能性があります。人間とPCの関係はまったく新しいレベルへと進んでいくからです。
どのような関係になるのか、はっきりとはわかりません。世間でよく知られているディストピア(暗黒郷)を彷彿とさせるような、親たちを震え上がらせ、祖父母の世代にとってはもっと恐ろしいものになるかもしれません。
タブレットと知恵比べ:子供向けモバイルゲームベスト10: #games4kids #教育 #子供
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人間とPCの相乗作用がいっそう強まる傾向を止めることはできませんが、子供たちにコンピューターを使う目的を教えてやることはできます。使っているのは誰で、使われているのは誰か、誰が状況をコントロールしているのか、をきちんと説明することもできます。人間はPCの奴隷になるべきではありません。私たちは、PCに魂を売ったり、実生活でのコミュニケーション能力を損なったりするのではなく、PCを活用して日々の生活をより良いものにする力があります。
結局のところ、進化の成り行きを制御できないのであれば、正しい方向へと導けばいいのです。すべては私たちの手の中にあります!
いったん、この話は脇に置いて、コンピューターをいろいろな角度から捉えた話題に戻りましょう。
今どき、タブレットのない家庭はほとんどありません。子供たちはタブレットに夢中で、面白いコンテンツなら何でもかんでも嬉々として消費しています。
当然のことながら、コンテンツにはさまざまなバリエーションがあります。ゲームのせいで子供がヒステリーを起こしたり、無気力状態や恍惚状態に陥ったり、攻撃的になったり暴力を引き起こしたりするのを目の当たりにした親は大勢います。時には、こうした心理状態がパニック発作や不眠症などの急性精神障害につながることもあります(これを繰り返すと、慢性化する恐れがあります)。
このような危険を孕んだ場所に経験豊富なガイドもつけず、大切な子供を放置するわけにはいきません。親は、子供の多面的な発達に役立ち、自己実現の過程にある子供の助けとなるコンテンツを選別し、評価することができます。また、そうすべきです。
私が自分の子供のために選んだ10のタブレットゲームをリストにまとめました。
デジタル化が進む世界に、これから出て行く子供たち。コンピューターやネットとの関わり方を、親がコントロールしてあげたいものです。iPadの設定のヒント。 http://t.co/IcZowHqpps pic.twitter.com/DE7XkadC3u
— カスペルスキー 公式 (@kaspersky_japan) December 8, 2014
もちろん、このリストは児童心理学者がプロの視点でお勧めするものではありません(先ほど申し上げたとおり、学者の方々のお勧めは、ただ永久にゲームを禁止することです)。しかし、私自身の経験では、このようなゲームを適度にプレイすれば(1日30分まで。子供が決められた規則とスケジュールに従った場合に限る)、子供の発達が促され、友だち付き合いが上手くいくことがわかっています。
1. 宝物を探して – 600円
80年代、私は冒険ゲームに心を奪われ、『Space Quest』、『King’s Quest』などのSierra Onlineのゲームを友だちと夢中になってプレイしていました。ちなみに、このゲームが英語を学習するきっかけになり、先生にボキャブラリーの多さを褒められたことを今でもよく覚えています。
残念ながら、Sierraはもうありませんが、人間本来の性質は変わりません。何かを達成するためにはモチベーションが必要です。冒険ゲームにはこのモチベーションがあふれています。「次は何が起きるの?」という好奇心は脳の活動を促し、解決策の模索や技術の上達につながります。
映画『ウォール街』でマイケル・ダグラスが演じた主人公のセリフ風に言うと、「好奇心は善だ。そして好奇心は原動力になる」のです。好奇心は子供の発達において最強の原動力ですから、何としてでも活用すべきです。
モバイルに対応した冒険ゲームは山ほどあります。最近、見つけたのは『Machinarium』です(サージ・マレンコビッチ(Serge Malenkovich)のおかげです)。精巧に作られた美しい世界、面白いキャラクター、ウィットに富んだミッション、正義の味方と悪役のわかりやすさ、冒険の大義名分 – 必要なものはすべて揃っています。
私の子供は、たちまちこのゲームに夢中になりましたが、悪影響はありませんでした。アーケードゲームの要素は強くないので指から血を流すこともなく、約束の終了時間になってもヒステリーを起こしたりしませんでした。しかし、子供が小さな頭脳を働かせているのがよくわかり、皆、満足しました!
他にも面白そうな冒険ゲームがあります。『Botanicula』や『Jack and The Beanstalk』などはお勧めですよ。
2. 触覚と視覚 – 400円
考慮の対象にしたいのは、ゲームそのものだけでなく、開発者もです。Toca Bocaは、子供の年齢に関係なく、認知能力の向上に特化したモバイルゲームを数多く生み出している会社です。
『Toca Hair Salon』をプレイしていた2歳の息子が、私にはまったくわからないコントロールジェスチャーをしたときのことをよく覚えています。息子はキャラクターの髪の毛を切りながら、キャラクターと話をしていました。そして突然、優雅なジェスチャーをしたかと思うと、あっという間にホーム画面に戻ったのです。「ちょっと待って、もう一度やって見せてくれる?」私は本当にやり方を知らなかったのです。だから、誰も息子にその方法を教えなかったはず!どうしてできるようになったのかは、いまだに謎です。もしかすると、直観的なインターフェイスがもたらした本当の魔法だったのかもしれません。
この類いで、私たちが見つけた最新のゲームは『Toca Nature』です。自分だけの小さな世界を創造し、森を育て、池や湖、山を作り、そこに動物たちを住まわせます。新しく作り上げたこの世界とマクロ、ミクロの両レベルで交わり、キノコを採り、木の実を集めて、動物たちにエサを与え、最高にわくわくした瞬間を写真に収めることもできます。何もかも揃っているうえに、400円です。
3. 中には何があるのかな?- 500円
好奇心は実際の職業に対する興味もかき立てます。自然科学の分野をゲームにしたモバイルアプリは山ほどあるので、高校のとき習った科目に関するゲームを試してみてはどうでしょう。子供が夢中なれるものがわかり、早いうちから目標を設定できるようになるかもしれません。
たとえば、Tinybopの『The Human Body』から始めてみてはどうでしょうか。いろいろな部位を解剖しているうちに(失礼!)、いつの間にか人体の知識が身についているという素晴らしいアプリです。ペアレンタルコントロール機能もついていますが、私たちは使いませんでした。親子で一緒にプレイして、勉強しました。
この開発元を引き合いに出した理由ですか?実は、この会社は他にもたくさんの優れたゲームを生み出しているのです!
4. アートハウス – 600円
脳は筋肉のようなものです。ウォーミングアップせずにトレーニングを開始すると、乳酸が過剰に産生され、筋肉痛に悩まされます。トレーニングが長すぎれば、怪我をするかもしれません。これと同じで、脳にもたまには休憩が必要なのです。ここでは、私が息子と一緒にタブレットを使って休憩する方法をご紹介します。
できるだけ頭を使わず、単純な動きだけ。でも、最終的には何かの訓練(たとえば、美的感覚を発達させる)になるというゲームです。
いろいろなメーカーから多数のゲームが出ているので、自分好みのゲームも見つかることでしょう。とはいえ、皆さんは大人なので、美的感覚はすでに成熟しています。ですから、どうかお子さんに合ったゲームを選んでください。
『Limbo』や、これに似た『OddPlanet』、『Leo’s Fortune』は面白かったです。理由は、繊細でデザインに優れた世界と美しい音楽だけではありません。反射神経を鍛えるアーケードゲーム、難しい謎解き、細かい運動能力をトレーニングするためのさまざまな方法がバランスよく取り入れられていることも一因です。それに、ただ見ているだけでも美しく、目の保養になります。いい仕事をしていますよ!
5. エッシャーのルービック – 480円
さて、少しは休めましたか?エクササイズに戻りましょう!
次に紹介するのは、空間認識力を鍛え、「方向音痴」のようなありふれた症状を治療する小さな頭の体操アプリ、『Monument Valley』(と無数のクローン)です!
素晴らしいゲームなので、大人も子供も夢中になれます。サン=テグジュペリの『星の王子さま』の世界や『プリンス・オブ・ペルシャ』の世界、エッシャー風のパラドックスに満ちた難問がゲーム中に美しく織り込まれています。ホイールをスクロールすると、画像は大きく変わり、主人公のアイダが果たして出口までの道を探せるかどうかわからなくなります。しかし、隣にある別のホイールをスクロールしてボタンを押すと… おお、なんと!画像全体がガラリと変わり、レベルがアップします。
『Monument Valley』には子供を落ち着かせる作用があるだけではありません。状況を打開する解決策は矛盾だらけかもしれないので、既成概念にとらわれてはいけないというヒントも与えてくれます。ただ座ってぼーっとしているだけでは負けてしまう、成功を収めるには前進あるのみ。これがこのゲームの裏にある教訓です。
6. 困難を切り抜けて星まで – 360円
夜になると、子供たちは日課に従って行動します。お風呂に入り、歯を磨き、コップ1杯のミルクを飲んで(3回!)、目玉焼きを食べて(1回)、もう一度歯を磨きます。さあ、寝心地のいいベッドに入り、電気を消して、新しいお話を読んでもらう時間が来ました。ここで登場するのが天空の星をテーマにしたアプリ『スカイ・ガイド – 星図』(または、その子供版『Star Walk Kids』)です。
とにかく信じられないくらい凄いです!
インタラクティブな空の地図と心地よい環境音楽 – 子供たちの寝かしつけにピッタリです。まあ、親まで眠気に負けてしまう可能性もありますが、おとぎ話をしてあげなければならない親としては、こんな風に先手を打つことができます。
「遠い昔、はるかかなたの銀河系の片隅、地球から150万光年離れた…」
「パパ、光年ってなに?」
「ああ、それはね…」- そしてこのアプリで締めくくる、と。
7. 「逆毛くん」 – 無料
『Cut the Rope』をプレイしたことがある人は?このゲームで、子供の知力をさらに伸ばしてあげましょう!うちの息子たちは主役のキャラクターを、なぜか「逆毛くん」と呼んでいます。本当の名前は何なのでしょう。どなたか心当たりは?とにかく、実によくできたゲームです。
空間認識力、論理的思考、反射神経、細かい運動技能が養われます。
どれだけバージョンがあるのか知りませんが、開発者に大いに敬意を表します!あと数年は、やってもやっても終わらないかと(笑)
8. パンダ先生 – 0.99~9.99ドル(~1,200円)
小さなお子さんに特にお勧めなのは、『Dr.Panda』というシリーズもののアプリです。特に変わったアプリではありませんが、親子で一緒に楽しめますし、実用的なゲームでもあります。たとえば、『Dr. Pandaのアジアレストラン』から始めて、子供たちが料理や家事などを好きになり、実技をだんだんと身に付けていく様子を見てください。
9. 知恵あるところに道は開ける – 無料
読み書きのトレーニングをしたい!という天才、秀才、普通の子におすすめのアプリをもう1つ。
実を言うと、こういったアプリはたくさんあります。ゲーム要素の強いもの、一段上のスキルを要求するもの、男の子向き、女の子向き、子猫が出てくるもの、ペンギンが教えてくれるもの、数字を扱うもの、数字が出てこないものなど、よりどりみどりなのです。
https://twitter.com/adeyoung37/status/646262221295775745
私の場合は、小学生の息子に勉強を教えるため、『Math Academy』と『Word Academy』の2つをダウンロードしました。
なかなかやりがいのあるゲームで、さっそく2人で始めました。息子は数日で基本をマスターし、その後はすっかり1人でできるようになりました。ただ、息子がこの時間をエンジョイしているとは言えません。これまでに紹介したゲームとはまさに対照的なので。そのおかげで先に紹介したゲームがいっそう楽しく感じられ、プレイするのが待ち遠しいようです。
10. Minecraft – 840円
特にコメントはありません。皆さん、是非お試しください。