GoogleのE-Screen Protectorはのぞき見防止に有効?

2017年12月13日

スマートフォンを後ろからのぞき見されるのを不快に感じる人は多いと思います。これに応えるように、Googleは先日、盗み見という問題の解決に向けてAndroidアプリのプロトタイプを発表(英語記事)しました。これはどういう技術でしょうか?落とし穴はないのでしょうか?

まだプロトタイプの段階なので、詳細はほとんど明らかにされていません。現在判明しているかぎりでは、「E-Screen Protector」と呼ばれる新しい技術で、スマートフォンの前面カメラと機械学習を使って人間の目を特定します。カメラの視界に3つ以上の目が検知されたら、誰かが見ているということです。

開発者によると、のぞいている人を検知するのにかかる時間は、平均でわずか0.13秒。検知するとすぐに、前面カメラの映像が画面に表示されます。のぞいている人の顔は赤い枠で囲まれ、「A STRANGER IS LOOKING ALERT!!!(注意!!!誰かがのぞいています)」という警告メッセージが表示されます。動作は下の動画でご覧ください。

のぞき見を防ぎ、パーソナルスペースを守ってくれるのですから、悪くない技術に思えます。とはいえ、どんなに優れた技術にも欠点はあります。

セキュリティ面は?

スマートフォンの前面カメラを使って目を検知するので、スマートフォンを使っている間は前面カメラを立ち上げておく必要があります。さらに、撮影画像を絶え間なく処理するので、必要な権限をアプリへ付与しなければなりません。

ここでいくつか気になる点が出てきます。映像はどこに保存されて処理されるのか?また、保存されたデータにアクセス可能なのは誰か?Appleが新型iPhoneの本人確認に採用して大いに話題になったFace IDにも、同様の疑問が投げかけられました。Appleは、Secure Enclaveコプロセッサーの暗号化メモリに保存されるとしていますが、Secure Enclaveに脆弱性が発見されたことが過去に報じられています(すぐに修正されましたが、将来的に他の脆弱性が見つからないとも限りません)。

Googleの新技術にも同様の懸念があります。画像保存システムに脆弱性が潜んでいるとしたら、パーソナルスペースを守れるかどうかよりも、個人情報に対する脅威の方が大問題です。常にGoogleに撮影されていると考えたら、…どうでしょう?

実用性は?

セキュリティ面だけでなく、実用面にも問題があります。現実には、スマートフォンをのぞき見する人がカメラに映ることは、ほぼないでしょう。よくあるのは、公共の乗り物で隣に座った人が画面を横目でのぞく、というケースです。横からだとカメラで捉えられないので、このアプリは使えません。(※訳注:日本の場合、混雑した電車内のシチュエーションなら使える気がします)

自分から声をかけて誰かに画面を見せる場合はどうでしょうか?たとえば、友達におもしろい写真を見せるときです。自分と友達が同時に画面を見ると、アプリが自分以外の目を検知し、写真がいきなり前面カメラのライブ映像に切り替わります。そして、友達の顔が恐ろしげな赤枠で囲まれることになります。友達に説明が必要かもしれません。

見てきたように、この新技術には問題があります。正式採用されてAndroidの標準機能になるかどうかは、今のところ不明です。いずれ、もう少し詳しい情報が得られるかもしれません。