受信トレイがスパムメールだらけ。Facebookに知らない人からの友達リクエストやコメントがばんばんやってくる。ネットで検索したことに関連した広告が行く先々で表示される。こういった問題は、そもそもあなたが個人情報を表に出しすぎたことに根ざしています。でも大丈夫。今回取り上げるのは、インターネットでのプライバシーの状況を改善するためのヒントです。
1. シェアする前に考える
インターネット上でのプライバシー確保は、あなたとあなたの判断から始まります。情報には、シェアする価値のあるものと秘密にしておいた方がよいものがあるのです。
普通は、自分のパスワードをFacebookに投稿しようとは思わないのではないでしょうか。それとまったく同じで、自分の住所やメールアドレスや個人の電話番号など、必要以上の情報を投稿するのは避けるべきです。何かを投稿する前に、その投稿が意図しない結果を招くことはないかどうか考えてみて、自分自身や誰かのプライバシーを侵害する恐れのある情報は投稿しないようにしましょう。
インターネット上に公開すると安全ではないかもしれないものは、たくさんあります。たとえば飛行機の搭乗券、QRコードやバーコードが付いているものなどです。QRコードやバーコードの付いたコンサートチケットの写真をシェアすることは、そのチケットを手放すのと同じです。
どうしてもチケットの写真をインターネットにアップしたいのなら、画像を編集してコードの部分を(たぶん、チケット番号も)隠しましょう。編集のしかたによっては隠そうとした情報が見えてしまうことがあるので、正しい方法で編集してください。もちろん、そもそもこういったものをシェアしない方が無難です。
2. プライベートモードでWebサイトを見る
Webサイトにアクセスすると、訪問者数をカウントし、ページの人気度を集計する、分析用のトラッキングコードが発動します。こういったトラッキングコードはGoogleやFacebookのような巨大インターネット企業のものであることが多く、このような企業は、あなたがアクセスしたサイトに関する情報を使用して、あなたの関心に則した広告を表示しています。
このような追跡を受けないようにする策の一つは、ブラウザーのシークレットモード(プライベートモードとも言う)を使用することです。しかし、この方法には限界があります。プライベートモードを使った場合、一部の情報については、アクセスしたWebサイト(それから、あなたがその存在すら知らない多数の第三者)に共有することを阻止できますが、すべての情報を共有しないようにはできません。
それよりも効果的なのは、専用のトラッキング防止ソリューションを利用することです。たとえば、カスペルスキー セキュリティに備わっているWebトラッキング防止機能を利用するなどです。
しかし、トラッキング防止機能やシークレットモードを使っていても、あなたが契約しているインターネットサービスプロバイダー(ISP)は、あなたがインターネット上で何をしていたかを知ることができます。多くのISPは、このような情報を収集して販売しています。中には、自社独自の広告システムを使って利用者に広告を表示しているISPもあります。自分がインターネットで何をしているかを誰にも知られたくないのなら、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)を使いましょう。VPNを使用すると、コンピューターとリモートサーバーの間に暗号化された安全なトンネルが確立され、プロバイダーからは、あなたがそのサーバーと通信しているという事実しか見えなくなります。
なお、当社でもVPN製品のカスペルスキー セキュアコネクションをご提供しています。
このほか注意したいのは、使用する検索エンジンとブラウザーです。ブラウザーの中にはデータを収集して広告活動に使うものがありますが、検索エンジンも同じです。自分に関する情報を集められたくないならば、Firefoxのようにプライバシーを重視したブラウザーを利用し、DuckDuckGoやStartpage.comのような検索履歴を保存しない検索エンジンを使いましょう。
こうしたプライバシー保護は、多少の犠牲を伴います。たとえば、プライバシーを尊重した検索エンジンから返される検索結果は、関連性が低くなる傾向があります。というのも、このような検索エンジンは、あなたに合わせて結果を調節できるほど、あなたのことをよく知らないからです。
また、プライバシーを重視したブラウザーでは、Webサイトの最適化に難があります。というのも、今どきのWeb設計は、GoogleのブラウザーであるChromeを基準にしているためです。Webサイトによっては、プライバシー重視のFirefox向けに完全に最適化されていないものがあります。
3. SNSのプライバシー設定を強化する
SNSは公共の場ですが、情報によっては万人の目に触れさせるべきではないものもあります。そこでSNSには、どのような情報をどのような人(未登録の利用者、登録済みの利用者、友達の友達、友達など)に見せるのかを決定するための設定がいろいろあります。
大抵は、それ以外にもさまざまな選択肢が用意されています。たとえば、自分のことを検索可能にするか、ほかの人があなたをタグ付けしたりメッセージを送ったり(あるいは邪魔をしたり)できるようにするかどうかの選択が可能です。少し時間をとって、自分が使っている全部のSNSで、プライバシー設定を調整してみてください。スパムコメントをまき散らす人や詐欺を働く人は、どこのSNSにもいます。Kaspersky DailyではFacebook、Twitter、Instagramをはじめ、さまざまなサービスのプライバシー設定を説明していますので、ぜひ参考にしてください。
4. アカウントとデータを削除する、またはアカウントを削除してデータを残す
私たちは皆、複数のアカウントを持っています。ほとんど使っていないアカウントや、存在を忘れて長いこと経っているアカウントも多いかもしれません。しかし、自動的に削除されるのはわずかで、大半のアカウントはそのまま残っています。ある日突然、その中の1つから情報が流出するかもしれません。ご存じのとおり、セキュリティの侵害は頻繁に発生しています。
使っていないアカウントや今後使う予定のないアカウントは、ためらわずに削除しましょう。特に、SNSのアカウント、使っていないメールアカウント、決済情報を保持しているアカウントなど、個人情報が多く含まれるアカウントの場合は、不要であれば削除してしまいましょう。
SNSの利用をやめるにあたり、データを手元に残してアカウントを削除することもできます。Instagram、Twitter、Snapchat、Facebookでの詳しい手順については、それぞれのリンク先をご覧ください。